スペキュラティブで多元的、かつ統合的なFuturist(フューチャリスト)の視座について【神(?)をめざす人類】
要約・主旨
一言で言うと、『人間は「神」※をめざすことになる流れだろう』ということを記載しています。(※神といっても超越した存在、くらいの意味です)
そして、それをいち早くめざそうとしているのは、「Futurist(フューチャリスト)」であるという話です。
タイトルを分解する
タイトルがムズイので、一つ一つ見ていきましょう。
実は、どれも<大局的な流れ>の中で、非常に注目のキーワードです。
スペキュラティブ(speculative)とは?
①スペキュラティブ(speculative):
日本語で「思索する・推測する」という意味。思索や推測には「問い」が重要。良質かつクリティカルな「問い」は、破壊的イノベーションを生み得ます。
→「スペキュラティブ・デザイン」などで有名。(スペキュラティブデザインとは?)※以下の図で有名です
つまり、「あらゆる可能性」への「問い」を「思索・推測」していく思考スタンスです。そこから戦略性やイノベーションにつなげていく流れです。
ここでは「問い」が非常に重要で、それが根源的に流れを変えうる種ともなり得ます。ちなみに、これらの問いの表現を「アート」と呼ぶ場合があります。
本質的な「問い」を生み出すには、横断的(全体)かつ局所的(部分)な洞察が必要となります。まるで「神」のような視点です。
昨今、ビジネスでもアートが叫ばれつつあるのは、こういった流れからです。
多元的(Pluriversal)とは?
②多元的(Pluriversal):
物事の要素・根源がいくつもあるさま。異なるものが織り重なって出来上がる、まるで「生態系」のようなニュアンス。
→「Designs for the Pluriverse」などで有名。(Designs for the Pluriverseとは?)
つまり、「世界の正義はこれ!(ひとつの世界・ひとつの価値観)」みたいな、支配的で一元的なアプローチではなく、「世界の多様性は無限にあり、世界は "関係性" の中で存在している。そして各々の自律性の相互作用によって変容していく」といった捉え方です。
生命的・生態系的な捉え方で、アーキテクチャー/設計をデザインしていく流れがあります。
生態系的なデザインって、もはや「神」のような視点です。
昨今、「エコシステム」のような視点、「自律分散」的な視点が叫ばれつつあるのともリンクします。
統合的(Integral)とは?
③統合的(Integral):
包括的で、全てのものを含んでおり、何も周縁化せず、包容力があるということを意味。そのときの話題に関して首尾一貫した像を描ける範囲内で、出来るだけ多くの視点、スタイル、方法論を含もうとするイメージ。
→「インテグラル理論」などで有名。(インテグラル理論とは?)※以下の図で有名です(図引用)
つまり、「複数の価値体系や認識体系の間をかなり自由に行き来できる」「越境的なアプローチ」が可能な段階をインテグラルと言っています。それには、「できるだけ多くを『含む』ことができる巨視的・許容的・調整的な能力」が必要となります。個の精神や組織・社会のあり方まで、こうしたアップグレードを要求される流れがあります。
あり方を抜本的にアップグレードする、もはや「神」にでも近づこうとする観点です。
昨今、ティールですとか、社会や組織のあり方が議論されているのともリンクします。
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神にでもなれ?ということ?
ここでもう一度、タイトルに戻りましょう。
「スペキュラティブで多元的、かつ統合的なFuturist(フューチャリスト)の視座について」
めちゃくちゃシンプルにすると、「「あらゆる可能性」への「問い」を「思索・推測」していくスタンスでアート(問題提起)し、世界の多様性と自律的な相互関係性の中での変容を捉えデザイン(設計)を行い、複数の価値体系や認識体系を越境的に「含む」ことができるあり方(段階)としてのFuturist(フューチャリスト)の視座」といった感じでしょうか?
ちょっと難しすぎますね。
でも、ニュアンス的には「神にでもなれ」と言っているようなものでしょうか?
答えは「Yes」なのではないかと思います。
「は?」と思うかもしれませんが、人間はサルの親戚でありながら、文明の発展とともに、自らによりストイックな流れを作っています。複雑化する技術や社会、そして環境変化により、そのような流れが必然的に作り出されている、という見方もできるでしょう。
そして、そのような厨二病的な展開に、興奮しているのが「Futurist(フューチャリスト)」です。
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Futurist(フューチャリスト)とは?
Futurist(フューチャリスト)とは、長期的な視野角を持ち、現状のニーズや制約に縛られず、むしろ周辺環境を超越し、リスクを取って開拓し、本質的な問いから新たな概念を創造する人たちと定義づけています。(Futuristとは?を参照)
簡単に言うと、「未来志向の理想主義者かつ現実主義者」です。
理想的に描き、現実的にアプローチする。拡散と収束。このリズム。
その振れ幅をできるだけ大きく、ダイナミックにしたいという意志。理想を大きく持ち、何ができるかを思索し現実的にアプローチしていく。そして自らの限界に行き詰まり、模索し、それを超越しようと試みる。チャレンジャーとも言えるかもしれません。
その両軸に極端に振れることができた歴史的なFuturist(フューチャリスト)は、例えば以下です。
彼らはFuturist(フューチャリスト)ですが、誰もが彼らのようなレベルでないとFuturist(フューチャリスト)と呼べないとしてしまうと、極端にFuturist(フューチャリスト)のハードルが高まるので避けたいのですが、、、わかりやすいので例に出しています。
上述のような意志を持つ人たち、というくらいにハードルを下げたいです。
そして、このようなFuturist(フューチャリスト)の視座は、まさしくタイトルを分解した内容(前述)と重なってくるものがあります。
そこから見えてくるのは、「人間は「神」をめざすことになる流れがあり、それをいち早くめざそうとするのはFuturist(フューチャリスト)だろう」という冒頭の記述に帰結します。
締め括り
現在、Futurist(フューチャリスト)を様々な観点から定義しつつ、ニュアンスからコミュニティを形成しつつ、おそらく人材としても今後必要とされていく、果ては傾向として人間は全体的にそうなりつつあるだろうという考えから、Futurist(フューチャリスト)やFuturism(フューチャリズム)をカルチャー化していけないかと構想しています。
単純に、Futurist(フューチャリスト)的な概念の創造に「ときめく(ハート)」とした方がシンプルで良いですね。
壮大すぎるので、仲間を募集しています。
こちらから問い合わせなどお願いいたします。
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高橋 翔(Sho T)
NTT東日本にて11年間新規事業等に従事し、その間プロボノとしてベンチャー企業の設立経営に関与、世界初SNSブロックチェーンSTEEMのエバンジェリスト等を行い、アドバイザリーや講演を行う。2020年に一般社団法人NoCoders Japan協会を設立。現在、NoCode/LowCode事業を主軸とする株式会社プレスマンのCINO(Chief Innovation Officer)も兼任。ノーコード人材が1,000名超登録するプラットフォーム「NOCODO(ノコド)」も立ち上げる。
プライベートでは、様々なジャンルを融合・化学反応させるクロスコミュニティなどを行うオープンイノベーター。「未来は "待つ" ものではなく、"歩む" ものである」を掲げる「Futurist(フューチャリスト)」カルチャーをコミュニティで立ち上げ中。
https://www.sho-takahashi.com/
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