OHHTTPStubsとSwiftGenを使ったUnitTestの実装
こんにちは、新米エンジニアの山口です。
今日は、OHHTTPStubsとSwiftGenをつかって、ちょっといい感じにAPIリクエスト周りのテストが実装できたので、その方法を紹介しようと思います!
以下のようなメリットがあるのでぜひ、やってみてください!
APIリクエストのテストが簡単に書ける
並列のAPIリクエストのテストも簡単に書ける
APIリクエストのモックファイル(.json)の管理がスマートになる
OHHTTPStubsとは
OHHTTPStubsはAPIリクエスト処理のテストを実装するときによく使われているライブラリ。
テスト実装は基本的にネットワークに依存しないことが前提になると思いますが、OHHTTPStubsはアプリ内でのなんらかの通信にフックしてAPI通信をする代わりに指定したjsonデータを返してくれます。
SwiftGenとは
SwiftGenの説明はこちらのサイトがわかりやすかったです!
要は、プロジェクト内のリソース(画像や色など)を呼び出すためのコードを自動生成してくれて、ハードコーディングを回避して、より型安全にリソースを記述できるというものです。
今回はOHHTTPStubsで指定するMock(.jsonファイル)をSwiftGenで管理して、APIリクエスト周りの実装をスマートに実装していこうと思います!
主な実装流れは以下のような感じです。
今回は、OHHTTPStubsやSwiftGenの導入については割愛します!
.jsonファイルをSwiftGenで管理する
OHHTTPStubs周りのを実装
.jsonファイルをSwiftGenで管理する
SwiftGenの記述は以下のような感じにしました。
番号をつけているので順番に説明します。
files: # ①
inputs:
- {$PROJECT_NAME}/Resources/StubResources # ②
outputs:
templateName: structured-swift5 # ③
output: {$PROJECT_NAME}/Resources/Files.swift # ④
今回はファイルを管理するので、filesのキーを使用します。
Assetsのリソースを管理する場合はxcassets、ローカライズの文字列のリソースを管理する時はStringといった感じで使い分けます。
inputsには.jsonファイルが配置されているディレクトリパスを記載します。
templateNameはコードの形式を指定します。
今回はSwift5で、且つ、Structのコードを生成したいので、structured-swift5を指定します。
outputは生成するコードの配置先を指定します。
上記の設定でapi_success_200.jsonのファイルをSwiftGenで自動生成すると以下のような感じになります。
構造体で定義されているFileは、ファイル名(name)や拡張子(ext)などのプロパティを持っており、列挙型で定義されているFilesは.jsonファイルごとにFileをインスタンス化したstaticなプロパティを持っています。
今回のOHHTTPStubs周りの実装では、Mockの.jsonファイルをファイル名と拡張子で指定するので、nameとextを使っていきます。
public enum Files {
public enum StubResource {
/// api_success_200.json
public static let apiSuccess200Json = File(name: "api_success_200", ext: "json", relativePath: "", mimeType: "application/json")
}
}
public struct File {
public let name: String
public let ext: String?
public let relativePath: String
public let mimeType: String
public var url: URL {
return url(locale: nil)
}
public func url(locale: Locale?) -> URL {
let bundle = BundleToken.bundle
let url = bundle.url(
forResource: name,
withExtension: ext,
subdirectory: relativePath,
localization: locale?.identifier
)
guard let result = url else {
let file = name + (ext.flatMap { ".\($0)" } ?? "")
fatalError("Could not locate file named \(file)")
}
return result
}
public var path: String {
return path(locale: nil)
}
public func path(locale: Locale?) -> String {
return url(locale: locale).path
}
}
private final class BundleToken {
static let bundle: Bundle = {
#if SWIFT_PACKAGE
return Bundle.module
#else
return Bundle(for: BundleToken.self)
#endif
}()
}
ちなみに、api_success_200.jsonの中身は以下のような感じです。(仮で作っているので、意味はないです。)
{
"user_id" : "1111",
"user_name" : "yamada taro",
}
OHHTTPStubs周りの実装
OHHTTPStubsの基礎知識
OHHTTPStubsはstub(condition: , response: )のメソッドを使ってstubの設定を行います。
condition
戻り値がBoolのクロージャーを指定します。
条件がtrueの時だけ、responseで指定したデータを返します。
response
戻り値がOHHTTPStubsResponseのクロージャーを指定します。
OHHTTPStubsResponseはモックとして、HTTPリクエスト後に返すレスポンス情報を指定できます。
実際に使ってみると以下の感じ。
stub(condition: isPath({"APIリクエストのエンドポイント"})) { _ in
let stubJSONPath = OHPathForFileInBundle({".jsonファイルのファイル名", {ファイルのバンドル})
return OHHTTPStubsResponse(fileAtPath: stubJSONPath!,
statusCode: {レスポンスのステータスコード},
headers: ["Content-Type": "application/json"])
}
conditionの条件式はライブラリ側で用意されているものがいくつかあり、
isPathはAPIリクエストのpathが指定したものと一致するときにtrueを返します。
OHPathForFileInBundleはMockのレスポンスとして返す.jsonファイルのファイル名とバンドルをして、OHHTTPStubsResponseのfileAtPathに指定できます。
ここで、先述のSwiftGenで生成したコードを使っていきます。
StubManagerの実装
まずは汎用的に使えるようにしたいので、stubを設定する時の諸々の値をまとめたStubParameterを実装していきます。
ざっと、stub設定で必要な情報は以下。
endPoint
.jsonのファイル名(SwiftGenのFileが使える)
.jsonファイルのバンドル
statusCode
実装してみると以下のような感じ。
jsonFileはSwiftGenで生成したFilesのインスタンスをそのまま受け取れるように、File型に指定してます。
endPointとstatusCodeは必ずしも必須ではないので、initで初期値を決めてます。
struct StubParameter {
let endPoint: String?
let jsonFile: File
let bundle: Bundle
let statusCode: Int32
public init(endPoint: String? = nil, jsonFile: File, bundle: Bundle, statusCode: Int32 = 200) {
self.endPoint = endPoint
self.jsonFile = jsonFile
self.bundle = bundle
self.statusCode = statusCode
}
}
あとはstubを設定するメソッドを実装すればいいんですが、
今回は複数のAPIリクエストがあるメソッドのテストも想定したいので、単一のStubParameterを受け取るものと、複数のStubParameterを受け取る2パターンの処理を実装していきます。
複数のパラメーターを受け取る場合は、conditionでendPointが一致するかどうかの条件式を入れようと思います。(つまり、「このエンドポイントの時はこのMockレスポンスを返す」みたいにします。)
実装してみると以下のような感じ。
final class StubManager {
static let shared = StubManager()
// ①
private func stubResponseBlock(parameter: StubParameter) -> OHHTTPStubsResponseBlock {
return { _ in
let stubJSONPath = OHPathForFileInBundle("\(parameter.jsonFile.name).\(parameter.jsonFile.ext!)", parameter.bundle)
return OHHTTPStubsResponse(fileAtPath: stubJSONPath!,
statusCode: parameter.statusCode,
headers: ["Content-Type": "application/json"])
}
}
func setStub(parameter: StubParameter) {
stub(condition: {_ in true}, response: stubResponseBlock(parameter: parameter))
}
func setStub(parameters: [StubParameter]) {
parameters.forEach { parameter in
// ②
stub(condition: isPath(parameter.endPoint ?? ""), response: stubResponseBlock(parameter: parameter))
}
}
// ③
func removeAllStubs() {
OHHTTPStubs.removeAllStubs()
}
}
実装のポイントは以下のような感じ。
stub(condition: , response: )のresponseの指定は共通化できそうだったので、private関数に共通化。
複数のStubParameterが指定される場合は、endPointが一致するかどうかの条件式を入れてます。endPointが一致しない場合は指定したレスポンスは返されません。
利用する側でremoveができるようにしてます。XCTestだとtearDownで呼び出すとよさそう。
これで、実装は完了です!
実際に、複数のAPIリクエストのある処理のテストは以下のような感じ。
例えば、ユーザ情報(user)とチャットデータ(chatData)をfetchする以下のような処理のテストを考えます。
// APIリクエスト(ViewModel)
func fetchData() async {
async let fetchUser = repository.fetchUser()
async let fetchChatData = repository.fetchChatData()
do {
user = try await fetchUser
chatData = try await fetchChatData
} catch let error {
self.error = error
}
}
// テストコード
override func tearDown() {
super.tearDown()
StubManager.shared.removeAllStubs()
}
func testSuccessFetchData() async {
let roomInfoStubParameter = StubParameter(endPoint: "api/user/xxxx", jsonFile: Files.StubResource.apiUserSuccessJson, bundle: .init(for: type(of: self)))
let chatDataStubParameter = StubParameter(endPoint: "api/chat/xxxx", jsonFile: Files.StubResource.apiChatDataSuccessJson, bundle: .init(for: type(of: self)))
StubManager.shared.setStub(parameters: [roomInfoStubParameter, chatDataStubParameter])
let userMock = {.jsonで指定したデータ}
let chatDataMock = {.jsonで指定したデータ}
await viewModel.fetchData()
XCTAssertEqual(viewModel.user, userMock)
XCTAssertEqual(viewModel.chatData, chatDataMock)
XCTAssertNotNil(viewModel.error)
}
最後に
いかがだったでしょうか。
SwiftGenとOHHTTPStubsを合わせて、テストコードはかなりスッキリかけてるんじゃないかなと思います。
テストの実装にあまり時間をかけるのも良くないですし、割とこの辺りのコードが古いままだったので、思い切ってリファクタリングしてみました!
すでにSwiftGenを導入している会社であれば、実装も簡単ですし、よかったら参考にしてみてください!
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