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Dify Meetup Tokyo #1に行ってきたよ & Dify利用について考えていること
2024/6/23に渋谷で開催されたDifyのコミュニティイベント、Dify Meetup Tokyo #1 に行ってきました。
私個人はDifyをまだ触り始めたばかりで、機能がだいたい把握できたかなというくらいのレベル感での参加でした。(本当はもっと予習して行きたかった…!)
今回のMeetupはカカクコムさまをはじめとしたユーザコミュニティの具体的な活用事例から、Difyチームの発信(ちょうど来日されていたようです)まで幅広く、とても豪華なイベントでした。
具体的な活用事例に触れられたことで理解が深まり、今考えていることは間違いではなかったんだと再認識できた、とても有意義な時間になりました。
直後に用事が控えており、懇親会に参加できなかったことが悔やまれます。次回は必ず参加したいと思います!
カカクコムさま、Difyチームの皆さま、運営に関わった皆さま、素晴らしい場を提供してくださり、ありがとうございました。
Meetup本編の参加レポと、Difyの利用について個人的に整理したメモを残します。
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そもそも…Difyとは?
DifyはオープンソースのLLMアプリケーション開発プラットフォームです。(配布資料ママ)
OpenAIのChat GTPやAnthropicのClaude等の言語モデルから任意のモデルを選択し、GPTsやAssistants APIのようなカスタムアプリケーションをノーコードで構築することができます。RAG(言語モデルによるテキスト生成に外部情報の検索を組み合わせることで、回答精度を向上させる技術)も簡単に使用できます。
同僚の使ってみた記事
私もMac用の環境構築手順を書いています。
Dify MeetUP #1 各講演の内容サマリと感想
各講演の内容と感想を簡単にまとめます。
オープニングトーク
form 京和崇行さん(Dify Community(JP) 発起人 / 株式会社カカクコムCTO)
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【内容サマリ】
キャパMAX250人の参加者が集まった(申込は345人!)
来日されているDifyチームの方々の紹介
【感想】
Dify MeetUPはスポンサーであるカカクコムの京和さんの挨拶からスタートしました。
参加者250人!Difyのコミュニティイベントとしては世界最大規模だったそうです。
広い会場が参加者でほぼ満席になっており、Difyの熱を感じました…!
【講演1】Difyで業務効率を飛躍的に向上させる方法
from Sangmin Ahnさん(Dify Ambassador / 株式会社ちょいみらい)
【内容サマリ】
Difyの活用方法を具体例とサンプルを交えて紹介
Difyの強みは最新のLLMを素早く活用できることと直感的なUIによる高い開発効率
RAGを使ったチャットボットの開発
Q&Aデータからユーザーの質問に対する回答を生成
RAGを用いて回答の根拠となったデータソースの参照箇所の表示に対応
チャットフローとナレッジベースの組み合わせで短時間での開発が可能
レポート作成の自動化
Difyでランダムに生成したサンプルデータをGoogleスプレッドシートに自動で書き込むワークフローを実演
決まった時間に起動するAIエージェントの開発手法の紹介
Repletoのスケジュール機能とDifyのAPIの連携
一定時間毎にワークフローを定期実行し、結果をデータベースに書き込むようなボットが開発できることを解説
【感想】
Difyって何なの?何ができるの?という問いに対して、具体例を交えて(実際に触ることができる環境もご用意いただいて)丁寧に解説してくださいました。
このMeetUPでDifyに初めて触れる方も理解を深めやすい、コミュニティイベント第一回の最初の講演としてこれ以上ないくらいの素晴らしい発表でした。
【講演2】Difyの開発ロードマップとQ&A
from Chenhe Guさん (Dify.AI, Head of DevRel) , Zhao Zihaoさん (Dify.AI, Senior Front-end Developer)
【内容サマリ】
Difyの目指すところは生成AIアプリ開発の民主化である
専門知識がなくても、シンプルなUIと適切な抽象化によって複雑なアプリが開発できるのがDifyの強み
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数字で見るDify
GitHubのStarsやContributors数は右肩上がりで増加している
2024年のStars数はLLMツールの中でlangchainに次いで2位!
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最近の主なアップデート
Web Crawlerによるデータソースの拡張
ワークフロー改善のためのリファクタリング
エンタープライズ向けの機能も拡充中
ワークフローのバージョン管理や外部連携など、チームでの利用を見据えた開発が進められている
![](https://assets.st-note.com/img/1719566705834-FjCDTozyNW.jpg?width=1200)
セキュリティ面の強化について
各国の規制順守を最優先し、国際的な法律事務所とも連携して対応していく
今後のロードマップ
アプリケーション変数(環境変数)の追加
マルチモーダル対応の強化
RAG機能のカスタマイズ性向上
![](https://assets.st-note.com/img/1719566759520-Yw7uwFVIy5.jpg?width=1200)
日本に向けた取り込み
ドキュメントの日本語化
日本ローカライズUIの追加
日本オフィスが開設される予定
Difyの普及に向けた取り組みを積極的に進める
![](https://assets.st-note.com/img/1719566803916-6r000Vtkd1.jpg?width=1200)
【感想】
マルチモーダル対応の強化と環境変数の追加が個人的アツさツートップでした。
あとは日本オフィスの開設!
【講演3】全社的な生成AIの活用プラットフォームとしてのDifyの導入事例紹介
from 時田 充さん (株式会社カカクコム)
【内容サマリ】
カカクコムにおける生成AIの活用状況とDify導入の背景
Dify全社導入に向けた活用戦略と選定理由
Difyアプリケーションの事例紹介
![](https://assets.st-note.com/img/1719577919492-AVbVcjLJDr.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1719578038520-btUlc9IxWR.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1719578192218-fRlvF9Z0cl.jpg?width=1200)
発表者の時田さんから発表についての記事が出ていました。是非。
【感想】
具体的な活用戦略や他サービスとのコスト比較等、Dify導入にあたって気になるであろう(しかもまだほとんどWebで見かけない)ことが網羅されており、無料でこんなに聞いてしまって良いのかと思うくらい濃い発表でした。
私はEnterprise版の存在をここで初めて知ったのですが、OSS版で気になっていた点(全ユーザが全てのログを見れてしまう/全てのユーザが他ユーザのアプリを編集できてしまう)はEnterprise版の機能で解消されており、要件的にOSS版の導入が厳しかった組織もこれでかなり導入しやすくなるのではと思いました。
【講演4】AI時代の独立開発者とDifyの物語
from Kevinさん - Miraa creator
【内容サマリ】
Kevinさんは言語学習用アプリ「Miraa」の開発者
Miraaのバックエンド処理の一部をDifyが担っている
実装時のTipsを共有
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![](https://assets.st-note.com/img/1719578501474-SODMdYknWI.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1719578546556-QzWmhSiSPB.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1719578572165-2mMRL7X4cl.jpg?width=1200)
【感想】
具体的な実装の話が多く、開発者としてとても参考になりました。
JSONで返答させるには「pre-fillにカッコを設定する」や「アウトプット形式の整形にjinja2が使える」のような一見地味ですが知ってるのと知らないのとではかなり違ってくるTIPSを得られとてもありがたかったです。
Dify利用について考えていること
ここからは個人メモです。
Difyの利用方法は大きく2パターンに分けられると思っています。
【パターン1】 全てのユーザがDifyにログインしアプリケーションを作成・利用する
【パターン2】 Difyには開発者/管理者のみがログインし、ユーザはDify外に作られたアプリケーションからAPI経由でDifyに触れる
Meetupへの参加以前はユーザの権限分けができない点がパターン1の欠点だと思っていたのですが、これについてはEnterprise版で(おそらく)解消されており、通常の用途であればパターン1でほとんどの場合間に合うようになった印象です。
一方でパターン2にはパターン2にしかない利点もあり、これはユーザが直接触れる部分をSlackやLINE等、普段使い慣れたツールに寄せることができるという点です。
DifyでLLMアプリケーションを構築し(ノーコードで!)、SlackアプリからAPIを叩けばSlackが、LINEアプリからAPIを叩けばLINEがLLMアプリケーションのインターフェースになります。
個人的にはLIFF(LINEアプリのインターフェース)から機能別のDifyアプリケーションを起動し、メッセージのやり取りで処理を進めるような実装ができると面白いなと考えています。何か進展があればこちらのnoteかZennで公開できればと思います。
おわりに
第2回の開催が今からとても楽しみです!!!!
私が所属しているリバネスナレッジ(https://k.lne.st)では、SlackからLLMを簡単に使うためのアプリ『Party on Slack』を公開中です。
ご興味があればこちらもぜひ〜!