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洋書に親しむことで得られる愉悦とは?
英語が得意な方はスルーしてください。
本稿は、わたしと同じように(レベルの違いはあれど)英語で書かれたものを読みたい、理解したい、楽しみたいという思いがある方を対象としています。
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ちなみに、最近はChat GPTなどのAIの盛り上がり、技術の発達によって(翻訳ツールなども)もはや「いまさら英語なんて勉強してどうするの?」っていう風潮もありますが
結果が得られれば(何が書いてあるか理解できれば)いいっていうものではないこともあります。(そのほうが多いのではないかな)
過程、体験にこそ意味があるっていう。(周辺やコンテクストとか含め)
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そこで翻訳ツールやAIを「アシスタント」として利用するのは、もちろんありですけどね。
より「自分で英語を理解したい、発したい」というゴールがあるひとにとっては、こうした状況は喜ばしいことでしょう。
そんな枕を経て、本稿の結論としては
大量に英語を(洋書、英語で書かれた文章)読みましょう
ということです。
(いわゆる「多読」に近いものがありますが、若干違います)
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最初はハードルを低く「洋書多読」的な方法で、中高レベルで理解できる(学習済みの)ものを選んで。
わたしが活用したのは Amazon の Kindle Unlimited で「読み放題」のもの。(会員であれば無料で、30日間の無料トライアル期間も活用できます)
以下、紹介します。
とくに「NHK Enjoy Simple English Readers」のシリーズがおすすめ。
ショートストーリーながらちゃんとサゲ(落ち)があり、コミカルなもの、心にしみるもの、ちょっとウルッときちゃうものなんかもあってバラエティに富んで飽きません。
なにより中高レベルの英語教育を経ていれば、たいていはつまづかずに(多少苦労することはあるかもしれませんが)読み終えることが出来るのがいいですね。
小さい成功体験の積み重ね、大事です。
そして、それが「無料」で得られるっていうのがね。もちろん、以下に紹介するものを無料で読むのは Kindle Unlimited 会員(月額980円)であることが前提ですが、無料のお試し期間で体験したらきっと、Netflixよりよっぽど有益なことがわかるはず。
ただし、これらの平易な英文をストレスなく読める(もしくは読めるようになってきたら)ひとは、このレベルは卒業したほうがいいと思います。
やっぱり学習ってなんでもそうですが、適度な負荷が必要なんですよね。ストレスなくスラスラ読めても、得られるのは「わたし読めてる」っていう満足感、達成感くらいなもので。
ですから、そのへんの感覚をもって対象(課題)図書を探しましょう。
もちろん、まるで分からない、理解できない(なにいってるの?レベル)のは論外ですが、ちょっと苦労する、読み解こうとする労力を必要とするものがよいですね。
そして、なにより「楽しめる」ものであること。
この「楽しめる」はとくに重要なポイントで、これが満たせていれば、けっこうハードルの高いものでも、何度も読むことで理解度(解像度といってもいい)があがっていきますから。
わたしの場合は👆この「オズの魔法使い」でした。
本作も、どちらかといえばかなり低学年向けの平易な英語で書かれているんですが、それでも「ん?」という部分は少なくなく、かれこれ10回は読んでますが、読むたびに「あれ?そうだったんだ?」的な気づきがあり、解像度が深まり、学び、楽しんでいます。
なにより楽しい。(もちろん、ひとによるので万人にすすめられるものではないです)
以下は読み放題、無料ではないですが、そもそも好きな作家、作品なのでチャレンジしてるものです。
いわゆる『ライ麦畑でつかまえて』ですが、この邦題は作品の本質からはずれているので、やっぱり村上春樹さんのいうように『The Catcher in the Rye』なんですよね。
「OZ」よりは格段にハードルがあがるので、先に邦訳版(村上さんのものがおすすめ)を読み、楽しんでゲシュタルトをもっておくとよいですね。
個人的にはレイモンド・チャンドラーの『The Long Goodbye』もおすすめです。
こちらも「OZ」と比べるとはるかにハードルは高いので、先に和訳を読んで(この時点で本作の価値、表現の素晴らしさに感服して満足してしまうのですが、やはりそのうえで原文にあたりたい)おくのがよいですね。
これは絶対に村上春樹さんの訳で。
(わたしは清水俊二さんの訳は何度読んでも頭に入ってこず、挫折しました)
ま、そんなこんなで、英語を読み、慣れ、親しんで、楽しんでいきましょうということです。
それで何が得られる?
それでいくら稼げる?
それって意味あるの?
とかでなく。
そもそも、そうした「意味」はないので。
だからこそ、そこに意味をもたせる決定を下せる選択権、実行権はあなたにあるのだから。