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世界をゆるがしたアート〜クールベからバンクシーまで

古典文学同様に最近マイブームなのが、美術史と古典絵画。

そして、それらをマイブームにできるのは、図書館とKindle Unlimitedの存在があるから。

そして、それを可能にしているのは、どちらも蔵書(しかも読み放題)の数が膨大(一生かかっても読み切れないほどに)だからこそ。

なんていう当たり前なことをいまさらながらも実感し、感謝する今日この頃。お金をつかわなくても日々、人生を楽しく豊かにすることはできる。

世界をゆるがしたアート
スージー・ホッジ著

ズバリ、タイトルにあるように、期間を「クールベからバンクシー」にしぼって(といっても、けっこうなスパン)1850年以降に制作された芸術作品を対象に

世界をゆるがした(個人的には「ゆるがせた」が自然な気がするんだけど)アート作品群およびアーティストを紹介。

それぞれをただ単品で紹介するのではなく、時系列、美術史の流れで紹介してくれているので「世界をゆるがした」作品群というしばりはあるにせよ、これはこれで美術史のひとつの抽出法として成立していてよみやすい。

平面表現の絵画だけでなく、彫刻などの立体作品、現代美術のインスタレーションなども網羅して提示、とてもわかりやすく解説してくれている好著。

「わかりやすく」っていう表現はあまり好きでなくて(わかりやすくした時点で本質というか「そのもの自体」をとりこぼすことになるので)使う場合は好意的かつやむなくなんだけど。

まぁ、この場合の「わかりやすく」は、簡潔、明快、よく整理されているっていう意味で。

前述のように、1850年以降の作品にフォーカスをあてて、その時代時代の状況、背景、コンテクスト(文脈)も含めて紹介、解説してくれるので、そういう意味で「キュレーション」的な役割として「わかりやすい」役割を果たしてくれている。

たまたま図書館でみつけて、装丁もあまりぱっとしないし、けっこう昔に書かれた(その当時の、、といっても「バンクシー」が入ってるんだけど)ものかと思って、それほど期待はしなかったんだけど

読了後、確認したら去年発売されたものだった。

おー、こんなに新しいものも図書館にはあるんだ。(新刊書を予約とかってのもできるらしいから、新しいものがあっても全然不思議ではないのだけれど)

まだまだ図書館利用の強者というか、巧者にはほど遠いけれど、とにかくただ借りるっていうことでいえば、これまでにないほどの利便性、文化を享受する豊かさを日々かんじている今日このごろ。


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