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地方大学生から見た地域活性化活動のリアル
こんなツイートを見つけました。
地方を活性化させたいなら、若者に金を渡せというものです。
若者が離れてしまうとお悩みの自治体様へ
— 孤狐 (@foxtroharmonix) March 17, 2019
・若者に金を与えましょう
・いえいえ、そういう精神論は一旦置きましょう
・大丈夫。この地域は魅力的です。給料さえ良ければ
・若者に投資しましょ。あっ、いえ、そういう中抜き企業ではなくですね…
・つ べ こ べ 言 わ ず 金 出 せ つ っ て ん だ よ 💢
けれど、地域活性っていろんな意味でほんと難しいテーマですよね。
今回は、佐賀という地方で、実際に地域活性化活動に参加していた学生(僕)が、「なぜ若者にお金を渡した方がいいのか」について僕が考えることを書いていこうと思います。
自己紹介
僕はMake-Senseというクリエイティブ集団を属しており、3年ほど地域で活動をしたり、いわゆる地域活性化活動イベントなどに参加したりしてました。(今年はほとんどしてないので、去年と一昨年の話です。)
活動をする中で、改めてこの地域の良さを知ったり、逆に外に出るとこの地域の悪さというのを思い知りました。
佐賀の現状
佐賀は田舎だとか、何もないだとか言われていますが、実際そんなことはありません。特に佐賀市はめちゃめちゃ住みやすいです。
お店も多く、交通便も良く、適度に田舎で、福岡までもすぐと言ったように住むには快適な町です。
多久や太良、伊万里などの人が何もないも言うのならまだわかりますが、車さえあれば意外と住みやすいのが佐賀です。
(高校生以下は車を持てないので大変かもしれません。)
また、観光地がない、自慢できるものがないと言う人も多いのですがそんなこともありません。 特に最近では、佐賀県のPRが素晴らしく、だいぶブランド力や知名度も付いてきてるように感じます。
食べ物で言えば、嬉野茶が再び脚光を浴びブームとなり、いちごの新ブランドいちごさんが生まれたりしました。
また、県はコラボでのバズの扱いが上手です。ロマンシングサガとのコラボ、維新博でのYouTuberゆきりぬ&はなおとのコラボ、ロバート秋山のクリエイターズファイルとのコラボと、流行りに乗りバズっています。
アニメコラボでは、ユーリ!をはじめ、おそ松さん、スプラトゥーンとバズり続け、ゾンビランドサガでは2018秋アニメの覇権と言われ世間を騒がせました。
(僕も見ました。純子、ゆうぎり姐さん推しです。)
さらに、観光でもEDITORS SAGAのようなメディアが出現し、地方ならではの魅力やエモさを発信することで、少しずつ変化しつつあります。
佐賀以外には知られていないかもしれませんが、個人的に佐賀を観光するならマジでEDITORS SAGAの記事見たらいいと思う。地元の人しか知らないような情報が載ってて、外に出るのが楽しくなります。
(これはマジおすすめ、もうホントすごい、てか見ろ。)
記事以外にもInstagramの写真や、Record Girlという企画など、様々な方面から楽しませてくれます。
こんなツイートも見つけました。
ゾンサガの影響で県外から来て下さる方が増え大変喜ばしいですが、来られた方から、佐賀県民は佐賀の事を「なんもない」と言うと聞きます。
— ジョン・万次郎 (@john_mjg) March 18, 2019
けど改めて考えると他県にはない事色々有るんですよ、佐賀。
例えばお正月には佐賀神社でアームストロング砲ぶっぱなして新年を祝うとか。豪快でしょ?佐賀。
そうなんです。県庁前の佐嘉神社では、年が変わった瞬間に大砲をぶっ放してます。僕もこの大砲は知らなかったので、大晦日佐嘉神社に並んでた時びっくりしました。
簡単に紹介しただけでも、実は佐賀って面白いんじゃないか?って思えたはずです。
実際に、僕が4年佐賀に住んでいただけの間でも大きく環境が変わりました。佐賀のイメージはかなり良くなりつつあります。(と思います。個人的に好きなものをピックアップしました。)
問題
しかしそれでも、まだたくさんの問題があると思います。
個人的には3つの大きな問題があると考えています。
1つ目は、「若者がいない」問題
2つ目は、「最後までやりきれない」問題
3つ目は、「県民が佐賀を好きじゃない」問題
この問題を解決しないと、どんなに県や企業が頑張ろうと、みんなの言うところの地域活性はしないと思うのです。
今回は「若者がいない」問題について書いていきます。
「最後までやりきれない」問題と「県民が佐賀を好きじゃない」問題はまた次回。
若者がいない問題
佐賀に限ったことではなく、地方や田舎あるあるなのかもしれませんが、上のツイートがその通りだと感じます。
若者に金をやれ。
これは、僕みたいな何もしてない学生が「俺に金をやれ」とほざいてるという意味ではないです笑。
自治体や地域のおっさん、地域でイケてる風なことをやってるお兄さんたちが「地方には面白い若者がいない」というからです。
しかし実際、面白い若者は田舎だろうが都会だろうがどこにでも一定数はいると思うのです。
大学の中にも沢山いますし、イベントなどに参加すると特殊なことをやってる高校生にも出会います。佐賀の僕の知り合いにも、クリエイターやデザイナー、起業家など様々な活動家がいます。En-transやMake-Senseにはそんな人間がごろごろ転がっています。
しかし、卒業後、彼らの多くは佐賀には残りません。
おかげで言う通り「地方には面白い若者がいない」となっています。
けれど、実はこれ、結果しか見ていないからでは?と僕は思うのです。
「地方には面白い若者がいない」が完成するまでの過程を僕が見てきた経験をもとに。
「地方には面白い若者がいない」が完成するまでの過程
①まず、前提として田舎だろうと面白い若者はいます。人口が少ない分、人数は少なくなりますが探せばいます。
②次に、面白い若者が何か行動します。すると、若いのにすごい!と褒め称えるか、理解ができないと批判をするかのどちらかになります。大抵面白い若者というのは田舎の価値観には合いませんので普通のことと言えば普通のことです。
③褒められた若者はまた新しいことを始めました。逆に、批判された若者は田舎では行動できないので都会に行きます。これで批判された若者は出て行ってしまいました。
④褒められた若者は新しいことを始めたのはいいのですが、周りはずっとチヤホヤしたままです。若いのにすごいと言い続けます。若者はこれが良いのか悪いのか正当な評価が貰えずに困ってしまいました。
⑤都会に行くと、正当な評価が帰ってきました。ボロクソにダメ出しされましたが、なんとこうすればいいよとアドバイスも貰えました。アドバイス通り、工夫してもう一度田舎で頑張って行こう。
⑥田舎に戻り、さっそく行動に移していきます。周りは以前のように、凄いねーとチヤホヤします。しかし、やはり正当な評価をされません。こういうことをしたいから、お金をくれと言ったのですが、まだ実績がないからと断られてしまいました。
⑦仕方がないので、また都会に行きます。理由や目的を言うと、機会やお金をくれました。アドバイスもくれました。それを都会でやってみると成功しました!
⑧田舎にいる理由がなくなりました。都会は大変ですが、ここで頑張って行くのがいいかもしれません。
⑨「地方には面白い若者がいない」完成!
はい、これで面白い若者はみんな都会に出て行ってしまいました。
結局、面白い若者がいないのではなく、面白い若者はいるんだけど逃しまくってるってことだと思います。
まず、一番あるあるかもしれませんが、若者の突拍子もないアイデアを聞くと、普通の人は残念ながら否定から入ってしまいます。大抵、面白い若者というのはだいたいここにいます。この時点で多くの面白い若者を逃しているということになります。
ただ、これは地方の特性や年齢などの問題があるので仕方ないと言えば仕方のないことです。(ここは割り切っていいかもしれません。)
なので、一人でもそういう人を逃したくないのなら、地方だから無理、誰もやってないからダメと否定から入るのではなく、まず話を聞くだけ聞いてみるというのが大事なのではないでしょうか?
次に、若者は成長を望んでいます。若いのにすごいという適当すぎる評価より、何が良くて何が悪いのかという評価をしないと若者は成長できません。そして優秀な若者ほどそれを望んでいます。となれば、優秀で面白い若者がそんな環境から抜けて行くのは当然です。
また、「まだ若いから」「まだ成功するかわからないからから」と渋りにしぶりまくり、全くお金を投資しない間に、可能性を見出した都会の人たちがどんどん引き抜いていきます。残念なことに田舎の人は本当になかなかお金をわたしません。いろいろ理由をつけて渡すのを渋り、挙句にはボランティアさせようとしてきます。若者が出ていく原因の一つです。
なので、やはり僕も「若者に投資しろ」に尽きると思います。
都会に魅力があるのはわかりきったことです。
実際に佐賀では、高校卒業後多くの若者は県外へ出ています。
https://www.pref.saga.lg.jp/kiji00361398/index.html
(20代の7人に1人は大学生ということになります。)
だからこそ、可能性があるならさっさと投資しないと田舎から出ていってしまいます。
田舎に面白い若者がいないは偽だし、面白い若者がいないから投資できないはただ渋っているだけです。残念ながら、恩すら感じることができないとなると、田舎に残る理由がほとんどなくなってしまうのも事実です。
どんどん投資しておもしろい若者を育てないといけないのです。
また、若者はわざわざ田舎に残る理由を持っていません。この時代に田舎に残る選択をする若者は少ないのです。
本当に若者を田舎に残したいのなら、残る理由を提案しないといけないのです。
僕の言いたいことをまとめると
・若者に投資しろ
・否定から入るな
・チヤホヤせず正当な評価をしろ
・成果ではなく可能性を見出せ
ただの学生ごときがこんなこと言ってしまってスーパーウルトラ恐縮中なのですが、こういうところを改善していかないと「若者がいない」問題は解決しないと思います。
なので結論的には、「お金を渡せ」というより、お金を渡すことが最も効果的で簡単なわかりやすい方法になるのです。
まとめ
本気で地方を良くしようと考えて行動している人はたくさんいます。この場所で、面白いことをしてやろうと考えている若者もたくさんいます。
しかし、それを殺している原因は地域や地方自身だったりします。そこに住む人、環境や雰囲気です。
勿論、都会と比べたり、対立する必要はないと僕は思います。田舎には田舎の良さがありますので。
なので、まずは何が問題なのかを理解するところから始めるべきではないでしょうか。そして、次に気になる若者がいたら投資してはどうでしょう。
一人だけに投資したところで、おそらく何の成果もありません。多くの若者に投資していくことで数人の若者が残るようになり、いつのまにか多くの若者が何か面白いことをしでかすようになるのではないでしょうか。
そういう環境を作っていくことが大事だと僕は思います。
おわり。
あとがき
この記事は若い目線から書いてみました。
勿論、そんな正論や綺麗事で地域が良くなるほど甘くはないことは僕も十分承知しています。
他所者、若者の意見がどんなに正しかろうが、今までやって来た経験や自負を捨てるわけにはいかない、それは人間誰しも思うことです。(僕だってそうです。)
若者や他所者が、古臭い、非効率と煽り、罵倒するようなやり方はあまりスマートではありません。
なので、僕らは僕らで戦い方を学ぶ必要があります。(今度時間があったら、若者側が学ばないといけないところも書くかも。)
僕ら若者が見るべき記事、例えば↓
https://drive.media/posts/23442
http://hitoshikinoshita.livedoor.blog/archives/2019040336950461.html
http://gooma.jp/2019/04/kakijiro/
(木下斉さんの本や記事は個人的に好きですね。)
若者、他所者としての振る舞い方、戦い方を知らないとです。あーだこーだ言ってるだけでは何も変わらないのも事実です。
批判するのも提案するのも、結局、僕ら若者も地元の人も、この地を愛するゆえ。廃れることは誰も望んではいません。
相互が歩み寄り、お互いの意見をぶつけ、擦り合わせ、そうやってより良くしていかなければならないと思うのです。