RBF/Embedded Financeって知っていますか!? ジンが記す週刊SmartPitch [Fintech業界]2023/06/16
執筆者紹介🖌
執筆者は2023年3月末に株式会社ショーケースにインターンとして参加したした通称ジン。SmartPitchの認知度拡大と最適化に奮闘する中で、資金調達やM&A、業務提携情報が一括でまとめられたメディアの有用性に注目して週刊SmartPitch発行を決意した。
日頃は新しいもの・ことに常にふれながら、個人の裁量が大きなこの職場で、第3者かつ学生独自の視点を活かしつつ、様々なことを実行に移しPDCAを回し続けることを心掛けている。
今週のPick Up業界
RBFやEmbedded Financeなど、最近聞きなれない新たな用語がFinance周りから聞こえてきている。今回は、そんな用語を整理しつつ、直近のFintech業界の業務提携情報を中心にお伝えしていこうと思う。
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レベニュー・ベースド・ファイナンスのYoii、「ecforce」とシステム連携
レベニュー・ベースド・ファイナンスプラットフォーム「Yoii Fuel(ヨイフューエル)」を運営する株式会社Yoiiは、株式会社SUPER STUDIOが提供するECプラットフォーム「ecforce」とのシステム提携を開始した。
「Yoii Fuel」はデットでもエクイティでもない新たな資金調達手段として、D2C企業やEC事業を運営する多くのスタートアップに利用されている。
今回のAPI連携により、「ecforce」から取引データが自動取得できるようになり、「ecforce」ユーザーの利便性が大幅に向上する。また、「Yoii fuel」はより精度高く、効率的に審査業務が可能となる。これにより、EC事業を営むスタートアップはより手軽かつスピーディーに資金調達できるようになる(ecforce連携サービス一覧:https://ec-force.com/service_cooperation)。「Yoii fuel」はすでにfreeeやStripeなど、複数の会計ソフトや決済サービスとも連携しており、今後も提携先を増やしていくことで、更なるユーザーの利便性向上を目指す。
D2C/EC事業者における資金調達は、デットファイナンス(金融機関からの借入による調達)またはエクイティファイナンス(株式による調達)によるものが主流。しかし、デットファイナンスは、一般的に担保にできる土地や設備などがあり、かつキャッシュフローが黒字である企業が受けやすいため、先行的にコスト(システム開発や顧客獲得に向けたマーケティング費用等)が掛かり、創業初期は赤字が続く傾向にあるD2C/EC事業者にとって敷居が高いのが実態。そのため、特に創業初期はエクイティファイナンスに頼らざるを得ないのが実態ですが、希薄化が生じるため慎重になる起業家も少なくない。そんなD2C/EC事業者が抱える課題を解決するために、まだ評価されていない企業価値を評価し柔軟な資金提供を行う方法として、レベニュー・ベースド・ファイナンス(以下、RBF)が国内外で注目を集めている。RBFは将来発生する債権を譲渡することで、「いま必要な成長資金」を確保できる。希薄化が生じず、個人保証や担保も不要なため、より気軽かつスピーディーに資金調達できる。
RBFとは?
RBFとは、スタートアップが使う資金調達手段の1つ。過去の売上データを分析することで、将来の収益を予測。将来発生する売上の一部を現金化する調達方法。ロイヤリティ・ベースド・ファイナンス(Royalty-Based Financing)とも呼ばれ、株式(エクイティ)や借入(デット)など従来の資金調達に加え、新たな調達手段として注目を集めている。
RBFは、将来の売上が予測しやすいSaaSスタートアップを中心に利用されており、加えて、リカーリングビジネスを展開するD2C(Direct to Consumer)企業などにも利用が広がっている。
RBFを活用して調達した場合、利用企業のバランスシートには負債として計上される。しかし、残高に応じた利息は発生しないため、融資とは異なる形を取っている。
また、RBFは株式と異なり、会社所有権(株式)の移転が発生しない。つまり、創業者や役員などが保有する株式が希薄化しない。さらにRBFは財務データ(Stripeやfreeeなど)と連携することで、すぐに審査を始められる。
「大丸松坂屋カード」発行会社、justInCaseTechのSaaS型保険システム採用
InsurTech企業であるjustInCaseTechnologies(justInCaseTech)は2023年6月9日、クレジットカード「大丸松坂屋カード」を発行するJFRカード向けにSaaS(ソフトウエア・アズ・ア・サービス)型保険システム「joinsure」の提供を開始したと発表した。JFRカードが東京海上日動火災保険と共同開発した団体保険サービス「大丸松坂屋カードかんたんWebほけん」で、joinsureを活用する。
大丸松坂屋カードかんたんWebほけんは、Web完結で保険の申し込みが可能なサービス。joinsureを用いて見積もり情報と申し込みフォームを連携させることで入力の手間を軽減したほか、被保険者の追加を容易にしているという。UI/UXの向上により、保険申し込みにおけるハードルを下げる狙いだ。
joinsureは、保険募集、契約管理、保険金請求管理といった保険業務を支援するシステムで構成する。SaaSとして提供しているため、スクラッチ開発と比べて初期費用の削減や導入期間の短縮が見込めるほか、法改正に自動アップデートで対応できるとする。
みんなの銀行がレボリュートとBaaS事業で提携、口座から無料でチャージ可能に
みんなの銀行は2023年6月6日、チャレンジャーバンクである英Revolutの日本法人レボリュート テクノロジーズ ジャパン(REVOLUT TECHNOLOGIES JAPAN)と金融機能・サービスの活用に関する協議に向けた基本合意を締結したと発表した。BaaS(Banking as a Service)事業で提供する更新系API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を用いて、レボリュートが提供する金融アプリ「Revolut」のアカウントに同行の口座を接続する。
Revolutのユーザーは、手数料なしでみんなの銀行の口座からのチャージが可能になる。同行のユーザーに対しては、国際送金や外貨両替などRevolutを活用したサービスの提供を目指す考えだ。
Revolutは個人間送金、国際送金、外貨両替、Visaカードによる決済、予算管理や支出分析といった機能を備える。クレジットカードやプリペイドカードからRevolutアカウントにチャージする際は、1.7%の手数料がかかる。国内銀行からの振り込みや国内で発行されたデビットカードからのチャージについては、手数料を無料としている。
AI ファイナンスのH.I.F.株式会社、AI与信審査モデルを活用した保証事業拡大と資本業務提携
AI与信審査技術の開発と提供及び同技術を用いたFintechサービスの提供を行うH.I.F.株式会社は、株式会社エアトリと、両社のビジョン実現に向けた資本業務提携契約を締結した。
H.I.F.は事業会社、金融機関、Fintech企業に向けてAIを活用した与信審査、債権保証、債権流動化、請求代行を展開すると共に、家賃保証、敷金保証といったサービスも法人・個人向けに新たに提供開始しており、法人・個人へ「適切な与信付与により将来の選択肢・可能性を拡げる」為のソリューションを展開している。一方エアトリは、中長期成長戦略「エアトリ 5000」において、IPOの蓋然性の高さを重視した成長領域への積極投資により、戦略的にエアトリ経済圏の拡大を目指している。
H.I.F.・エアトリ双方が保有する機能やノウハウを活用し、付加価値の高い新たなサービスを提供することで、持続可能な社会づくりに貢献する。
「スマート家族信託」のトリニティ・テクノロジーがAIP コンサルタンツと業務提携
「スマート家族信託」などを提供するトリニティ・テクノロジー株式会社は、株式会社アイ・パートナーズ フィナンシャルの子会社である株式会社AIP コンサルタンツと顧客紹介に関する業務提携を締結した。
当社はAIP コンサルタンツより顧客紹介を受け「スマート家族信託」の提供を行った。
スマート家族信託:https://sma-shin.com/
当社グループは、金融商品仲介業を基軸としたIFAによる金融サービスを提供している。お客様には資産運用以外にもライフステージに応じた様々なニーズがあり、当社は子会社AIP コンサルタンツを通じてサービスラインナップの拡充に努めている。
高齢化社会の進展による認知症の増加やそれに伴う「資産凍結」は大きな社会課題と認識しており、このたびのトリニティ・テクノロジー様との提携により、財産管理・承継ニーズにお応えできる態勢を整え、お客様の多様なニーズにお応えする。
この資産凍結問題の対策として成年後見制度が2000年からスタートしたものの、制度の使いづらさから利用率は未だ全体の4%にも満たない状況。
このような背景から、資産凍結問題への新たな対策として2016年頃から「家族信託」という、家族の中で資産を信託し管理・承継を⾏う仕組みが注⽬され始めた。
しかし、家族信託は信託法に基づく法的制度であり、信託法37条では帳簿等の作成・領収書の保存・年に一度の報告書の作成等が受託者に義務付けられているが、継続的に利用者をサポートする専門家がいないことから、多くの家族信託ではこのような受託者の義務が履行されていないことが浮き彫りとなっている。さらには委託者が認知症を発症した後に、第三者の関与がなく受託者が財産状況を独占的に把握できてしまうことから、受託者による財産の横領リスクも指摘されている。
AIファイナンスのH.I.F.、HISとの業務提携で『AI非財務定性審査サービス』の提供を開始
AI与信審査技術の開発と提供及び同技術を用いたFintechサービスの提供を行うH.I.F.株式会社は、2023年5月19日(金)、株式会社エイチ・アイ・エスと業務提携を行い、二十一式人工知能付自動与信審査回路の代理販売を開始した。
ユーザーは、WEBブラウザからシステムにログインし、企業データベースを閲覧したり、新たに与信審査を依頼することができる。二十一式人工知能付自動与信審査回路に搭載されるAI定性与信審査モデルは、H.I.F.が引き受けた約3万件、約350億円相当の売掛保証・債権買取及び請求代行により取得した正解データ(正常取引、遅延、未回収、督促トラブル)を分析し、今後も発生した正解データを元に定期的に機会学習を行う。分析結果はアルファベット6段階でスコアリングが表示され、与信審査に用いることが可能。
事業会社、金融機関さまにおかれましては、与信審査が難しい中小企業やベンチャー、スタートアップとの融資をはじめとした金融取引や売掛取引において二十一式人工知能付自動与信審査回路をご活用頂くことで与信審査が可能になり、必要であれば債権保証や債権流動化(債権売却)を行うことで安全に取引先拡大を行う事が可能になる。
H.I.F.は引き続き、二十一式人工知能付自動与信審査回路のサービス向上により一層力を入れ、事業社様のクレジットリスク管理支援を通じた市場活性化、ひいては日本経済の発展に貢献していく。
Zaif運営, Slash,SBPSがスマートコントラクト決済の普及促進に向けて業務提携契約を締結
暗号資産交換所Zaifを運営する株式会社カイカエクスチェンジは、Slash Fintech Limited、ソフトバンク株式会社の子会社であるSBペイメントサービス株式会社と、業務提携契約を締結した。
カイカエクスチェンジは、暗号資産決済サービス「Zaif Payment」を提供しており、サービス機能の拡大を進めている。親会社のCAICA DIGITALグループは、NFTローンチパッド「Zaif INO」の運営や法人向けサービス「CAICA Web3 For Biz」などWeb3関連サービス提供を行っている。
Slash社は、スマートコントラクト決済サービス「Slash Web3 Payments」の開発及び提供を行っており、暗号資産の決済手段としての利活用を通じた、新しい金融インフラの整備を目指す。
SBPS社は、ソフトバンクグループの決済・金融事業を担う決済代行会社であり、クレジットカード決済をはじめとして、PayPay(オンライン決済)やキャリア決済など40ブランド以上の豊富な決済手段の取り扱いをしている。
Slash社及びSBPS社がこれまで培ってきた、決済における日本市場での経験や知見、開発力をより活用することで、スマートコントラクト決済の普及促進を図ることができると考え、今回の業務提携契約の締結に至った。カイカエクスチェンジ及びSlash社、SBPS社は、スマートコントラクト決済の社会実装に向けた協議を通じ、相互的なエコシステム発展を目指してきた。
日本市場においてはブロックチェーン技術を活用し、各産業領域の活性化を図る取り組みが展開されており、スマートコントラクト決済の活用によって、様々なビジネスに新たな可能性を提供することが期待されている。
スマートコントラクト決済の普及促進に向けては、法規制に準拠したビジネススキーム及び各市場に特化した営業網の構築が非常に重要であり、今後も各社の連携によって発展性のあるビジネス環境の創出に向けた取り組みを進める。
各産業領域におけるWeb3ビジネスの成長とともにスマートコントラクト決済の需要が高まる期待があることから、各社が協力して幅広い層への理解醸成を図っていく狙いだ。
MILIZEとSCSKが資本業務提携を締結
株式会社MILIZEとSCSK株式会社は、金融業界を取り巻く環境変化に応じた先進的で、かつ堅牢性・安定性を兼ね備えた新たな金融ITサービスを構築、提供していくことを目指し、2023年3月に業務提携に関する基本合意書を締結した。
SCSKはMILIZEの行う第三者割当増資を引き受け、7.5億円の出資を行った。
近年のビジネス環境の大きな変化の中で、金融業界においても、既存システムの刷新や基幹システムの効率化を進める一方で、デジタル技術を活用した新たなサービスやビジネスの迅速な立ち上げが強く求められている。
MILIZEは、金融工学・ビッグデータ・AI・機械学習・ファイナンシャルプランニングなどの知識、および豊富な金融実務経験・システム開発経験を活かした独自サービス開発を有している。AIを活用した投資判断ツール、トレーディング支援ツール、FPに向けたライフプランシミュレーションツール、オルタナティブデータを活用したビジネス開発のためのビッグデータ基盤といった専門性の高いサービスの開発力により、金融機関を中心にDX化を加速させるサービス提供を行っている。
SCSKは、長年に渡り金融業界において、基幹システムやその周辺システムを中心にシステム構築・サービス提供を行ってきた豊富な実績を有しています。また、金融サービスプラットフォーム領域におけるDX事業化の実現に向け、新たなビジネスやサービス創造に取り組んできた。
本資本業務提携を通じ、両社の強みを掛け合わせることで、金融機関のDX推進を支援するとともに、Embedded Finance(埋込型金融)領域でのFinTechサービス構築の提供やSCSKが取り組むTAMP事業をはじめ資産形成・運用市場におけるシュミレーションサービスなど新たなサービスを提供していく。
Embedded Finance とは?
Embedded Financeとは、エンドユーザーが自ら金融事業者にアクセスせずとも、普段利用している非金融事業者の提供するサービスから利用できる金融サービスのこと。非金融事業者の提供サービス内に、金融サービスを埋め込む/組み込むということから、日本語では「埋込型金融」や「組込型金融」と訳される。
具体的には、銀行や証券会社といった金融機関が、APIと呼ばれるインターフェースを通じて、非金融事業者に対して決済サービスや個人向けローンといった金融サービスを提供する。
2021年11月施行の金融サービス仲介に関する法律にて、銀行・保険・証券の各金融サービスのワンストップ提供に最適化された金融サービス仲介業が成立し、非金融事業者は金融サービス仲介業への登録のみで、複数の金融サービスを提供することが容易となった。
具体的なサービスとしては、Uberが挙げられる。本サービスでは、ユーザーが車を呼び出し、目的地まで移動するが、事前にクレジットカード等の支払方法を設定しておくことで、降車時にわざわざ支払・会計を行う必要がない。このように、非金融サービスを利用するなかで、あたかも自然に――気が付かないうちに、金融サービスが埋め込まれているものである。
バクラク、大阪を中心に活動する御堂筋税理士法人と業務提携
すべての経済活動のデジタル化を目指す株式会社LayerXは、支出管理サービス「バクラク」において、大阪を中心に活動する御堂筋税理士法人と業務提携した。
バクラクは、請求書処理や経費精算、法人カードなど企業の支出に関連する業務を、AIなどのサポートによって入力をかんたんにし、そして効率化するサービス。サービス開始から2年で導入社数は3000社を突破。 2023年4月には大阪・淀屋橋に関西支社を開設し、東京以外の地域への展開を強化している。
御堂筋税理士法人は、大阪に拠点がある、税務・会計をベースとした、経営コンサルティングに強い税理士事務所です。創業30年を超え、税務・会計サポートや人材育成、事業承継対策などの幅広いニーズにも対応しています。
今回の業務提携を通じて、御堂筋税理士法人のお客様に対して、バクラクを使ったDXサポートをさらに推進していく。
LayerXは、「すべての経済活動を、デジタル化する。」をミッションに掲げるSaaS+FinTechスタートアップ。 支出管理サービス「バクラク」を中心に、デジタルネイティブなアセットマネジメント会社を目指す合弁会社「三井物産デジタル・アセットマネジメント」、プライバシー保護技術「Anonify」で組織横断のデータ利活用を目指すPrivacyTech事業などを開発・運営している。
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