卒業式の想い出
沖縄に住んでいた頃の話。
当時、近所の小学校の子供たちの登下校時の安全を見守る「見守り隊」を
していた私に小学校の校長先生から
「ご臨席を賜り卒業生の門出を祝福して下さいますように」
との、ご丁寧な案内状が届いた。
そして卒業式当日、見守り隊の一人として来賓席に案内された。
校長先生から各人に卒業証書が授与される際、卒業生がひとりずつ壇上で一言挨拶していく。
お父さんお母さん、
これまで育ててくれて有難う
から始まり、中には
お母さんは大嫌いだった、
でも言葉では言い尽くせない程に感謝しています
と。続いて中学生になるにあたって親御さんに一言、
これから思春期、反抗期に入る。
きっと迷惑掛けるけど、
無理難題に耐えて下さい
というものまで。
十人十色の決意表明に感動した。
そして、校長先生から
夢を持つこと、感謝の心、挨拶の一流になれ
との祝辞。
卒業式後の帰宅途中で、一人の女の子が私に近づいて来た。
はにかみながら一通の手紙を渡してくれた。
手紙には
寒い日、暑い日、雨の日、風の日、
私達が安全に登校できるように
見守ってくれて有難うございました
と記してあった。胸が熱くなった。
妻に見せると
「良かったね、少しは役に立っているのね」
と言われた。