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墨国滞在記:Día 3(CEPE入学手続き)

CEPEとは、Centro de Ensenanza Para Extranjeros(外国人のための教育センター)の頭文字で、セぺという。UNAM(ウナム:メキシコ国立自治大学)の付属の外国人向けスペイン語学校だ。

むかしからメキシコへの憧れがあったわたしは、高校生くらいの頃にCEPEの存在を知り、いつかきっとここでスペイン語を勉強しようと思っていた。だって、UNAMっていったら中南米最大の大学だし、図書館の壁画を含めキャンパスが世界遺産なのだ。かっこ良すぎ!
CEPEへの入学方法は、メキシコ留学や外交官の奥様などのブログで紹介されているのを参考にした。だいたい日本円でいくらくらいかも参考にして(もう今は憶えてない)、いざ受付へ…!

さすがにメキシコで持ち歩くには大きい金額なので、クレジットカードを渡す。
が、なぜか払い込みができない。
受付のお姉さんと「なんでだろう…?」と首をかしげるが、何回やってもエラーが出る。
メキシコに来てからスーパーなどでクレジットカードを使用できていたので、絶対CEPEの読み取りの機械がおかしいんだ、と思っていた。日本でありえないことも、メキシコではあるかもしれない。仕方ないのでATMでお金をおろすことした。

ただ、クレジットカードをATMで使うのは初めてだ。しかも、スペイン語だ。不安だったので、CEPEの廊下にいた優しげな日本人に声をかけ、一緒に銀行に付いて来てもらう。もう半年以上メキシコに来ているとのことで、わたしからしたらベテランだ。
もうこれで大丈夫と思っていたのだが、クレジットカードをATMに入れ、お金を引き出そうにも引き出せない。
なんでだろうと2人でATMの前でクレジットカードを出したり入れたりしていると、なにか文字が表示された。もちろんわたしは全く読めない。
「なんて書いてるの?」「…なんて書いてあるんだろう?」
きみもわからんのかーい!
困ったなぁと思っていると、
うぃーーーーーん
と、クレジットカードがATMに吸い込まれていった。
「「えっ?!?!?!?!?!」」
ちょっと!なんでや!!!

あとで調べたところ、海外のATMは取り忘れたカードを悪用されないように一定時間放置されたカードは取り込むシステムになっているらしい。
なるほどね~
って言っている場合ではない!!!
お金引き出して、CEPEに入学したいだけなのに、なぜこんなにハードな状況に追い込まれていくんだ!!!
親切な彼とともに銀行の人にクレジットカード取り込まれた旨を伝え、返してもらう。
いや、あっさり返してくれると思うじゃん?
なんか返してくれないの。
よくわからんが、海外のクレカは返せん、みたいなことを言われて、いやいやいやいやいや。わたしのこれからのメキシコ生活は、このクレジットカード頼みですからね?返してもらわんことにはやっていけないのです。

彼とともに粘ったが、返してもらえず、放心状態。しかし、とにかく今CEPEの払い込みを終えないと次の入学は2か月後。空港で換金した現金をかき集めたら入学金と授業料はまかなえるので、とりあえず宿に取りに帰ることに。
なんとかCEPEの入学はできた。
しかし、カードがATMに取り込まれた問題は解決していない。

毎日問題の銀行に通う。
片言のスペイン語と英語で交渉するものの、「返せない」の一点張り。
困っているわたしを見かねて、銀行に来たメキシコ人たちが「わたしの携帯のグーグル翻訳使いな」つって携帯電話渡してくれたり(わたしの携帯は電波が入らないので、ほぼ翻訳機能が使えなかった)、「なんとかしてあげなよ」と銀行員に言ってくれたりしていたが、なぜか返してくれない。海外のクレジットカードは返せないというよくわからない理屈で返してくれない。というかスペイン語わからないので、ほとんどなにを言っているのかわからない。もう埒が明かないので、他力本願作戦に出る。

まず、CEPEの受付に行き、つたないスペイン語か英語で銀行がクレジットカードを返してくれないと訴えるが、「そういうのはちょっと…」と取り合ってくれず。冷たい…。

宿の宿泊客にも現状を伝えると、おかみさんに相談してみな、ということで日本語ばりばりできるメキシコ人のおかみさんに話してみると、もう一枚のクレジットカードでお金を引き出せるか一緒に宿の近くの銀行に行ってみることに。
しかし、もう一枚のクレジットカードは海外でお金を引き出せるクレカではなかったので、現金引き出せず。そんな予感はしていた。

「Día 2」で書いた一緒に買い物に行ってくれたり、ご飯を一緒に食べた宿泊客は、「なにそれ、俺が電話しようか?」と言ってくれていた。次の日仕事でシティから出るので、一緒に銀行に行くことはできないけれども、電話をつなげてくれたら話すよ、と言ってくれたのだが、まだ大使館や銀行に行くという手段が残っていたので、できるだけのことは自分でしてみます、と断ったのだった。そもそも銀行ではわたしの携帯電波入らんしな。
とはいえ、もう本当にその節はお世話になりました!!!なんとかなったとき、なんとかなりました、って連絡がしたかった。連絡先を聞かなかったことを後悔している。
親身になってくれたその気持ちが大事なんだよな。今も感謝の気持ちでいっぱい。

大使館にも行った。もうどうしようもなくて。
なのに、そういったことには対応できないってすげなくされて、いや、わかるよ、大使館ってお困りごと相談所じゃないしね?でも言い方ってもんがあるだろぉおお!!!!!と怒り心頭のわたし。
腹立ちすぎて、メール送ってしまったよ。対応が冷たすぎる、つって。まあまあ逆切れだが、許して欲しい。途方に暮れている人を見捨てちゃ、だめでしょ。

また、知り合いの知り合いで、ほぼ他人だが、メキシコシティにいるし、スペイン語ばりばりできる日本人で連絡とれる人が他に思いつかなかったので、藁をも掴む気持ちで連絡した人がいる。
彼も全然親身になってくれず、「とりあえずはよクレカの使用停止したら」って言われて(FBのテキストで)、そんなことは!!!!!わかって!!!!!!おるわ!!!!!!!と怒り散らかした。だから東大生はダメなんだよ(偏見)。

さらに、わたしのATMに取り込まれたクレジットカードは東京三菱UFJ銀行のものだったのだが、なんとメキシコにもUFJはあるのだ。できることは何でもやらねばならない状態だったので、だめもとでUFJ銀行のオフィスへ向かった。
ザ・ビジネス街の中のすごいビルに行って、場違い感半端なかったけど、もう背水の陣なので、わけのわからぬ訪問者であっても、やらねばならない。鋼のメンタルで事情を話すが、日本と海外では別会社的なこと言われて終了。そうですか…。知っていたけれども…。もう、エリートなんて嫌いだ…。

最終的には、もうカードを取り戻すのは諦めて、海外送金という手段で生活していくことにした。最初に一緒にATMにお金をおろすのに付いてきてくれた彼も、海外で使用できないクレカを持ってきて、詰んだ…ってなっていたらしい。その彼から海外送金って手があることは聞いていたのだ。
そんなこんなで、母にはお世話になりました。年頃の娘が単身メキシコに行くというだけで心配をかけているのに、さらにトラブルまみれで、お金まで送らせるという…。難波の大黒屋が思い出の地だね!
持つべきものは理解ある母!これからもよろしく!

結局、なぜ銀行がクレジットカードを返してくれなかったのかはわからなかったが、CEPEで払い込みができなかった理由と、ATMからお金を引き出せなかった理由はわかった。
カードの履歴を後日確認してわかったのだが、なんと残高が6万円をきっていたのだった。そんなことある?

結論:
海外旅行に行くときはカードの残高は確認しないといけない。

あと、なんだかんだなんとかなる!!!!!!!
人の好意に甘えて生きているわたし。
みんなグラシアース!!!!!!!

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