シリーズ北海道2.バイクツーリング④稚内
北海道でバイクツーリングといえば、最北端宗谷岬攻めでしょう。
なかなかの弾丸旅行となったけど、最北端の地に行ってきたよの記録。
フェリーの乗り込み待ちのときにこれから北海道をツーリングして楽しむというおじさんたちと話をして、わたしも(一般人が行くことのできる)日本最北端宗谷岬に行きたい!と思ったのでした。
この日のために、今の装備では心もとないと、ハードオフでバイク用にブーツも購入し、準備は完了!(バイク用のコーナーにあったからバイク用のブーツと思ってたけど、安全靴でした。まぁ、いいでしょう。)
決行日は7月17日の海の日。
朝は仕事をしたが、早めにあがらせてもらう。
10時30分ごろに早めの昼食をとって、出発前の準備をして、11時に出発した。
出発してまだ2時間も経っていないが、小雨のせいで寒くて仕方ない。途中で少し周り道をして幌新(ほろしん)温泉に寄る。泉質がぬるぬる系で好みだった。体が温まったところで出発する。
天候が悪く、必死でバイクを走らせる。
14時すぎに、道の駅 おびら鰊番屋に着き、にしんそばを食べる。お腹が減っていたのでご飯小も追加した。
ご飯後に昔の鰊番屋を見学する。入場料あんのかよ~(小声)。
鰊御殿の名に恥じぬ、立派なお屋敷で、知識としては知っていた便器が陶器を生で見れて嬉しかった(ゴカム知識)。
お屋敷の内装のこだわりなども面白かったが、鰊漁の仕事がわかる展示も面白かった。モッコ背負いの日常がわかる展示だった。ゴールデンカムイで得た知識がここでも活かされる。
ちなみに、道の駅の外の売店はもっこを大きくした形の建物にしてた。
まだまだ見どころはあり名残惜しいが、時間がないので15時には鰊御殿を後にした。入館料払う価値ある展示だった。
2時間ほどひたすらバイクを走らせていると、天塩町に入った。天塩川に並走するように進み、天塩加工大橋の手前で思わず休憩がてら写真を撮る。
橋を渡ると、そこからずっと利尻礼文サロベツ国立公園だ。湿地帯が広がる。
携帯の充電が切れそうになり焦りつつ、予定より1時間ほど遅れた19時に本日の宿、ゲストハウス モシリパに到着。
お腹ぺこぺこで到着したのでご飯どころを探すのだが、近くに全然ない。宿でMAPをもらうが、情報が更新されておらず、行こうと目を付けていたところがつぶれていた。宿の周辺をうろうろするが、野生のエゾシカを見つけるのみに終わる。
Google Mapで調べたところ、歩いて30分ほどのところにある回線炉端うろこというお店があったので行ってみることに。
行く途中に港の近くを通り、カモメの鳴き声を聞いたり、商店街の通りにロシア語の看板をみたりして、楽しかった。
回線炉端うろこ、少し待ったが頼んだホタテ焼きがうまい。うますぎる。
たったのひとつで700円だったので、もう一度頼むのはやめたのだが、頼めば良かったと後悔してるくらい美味しかった。すごい。
帰ってから宿で、置いてある絵本「私の名前は宗谷本線」を読んだりまったりしてから、早めに就寝する。
この日の走行距離は約260kmだった。雨の中よく頑張った。
翌日7月18日。
6時に起床。ゲストハウスの周辺を散歩する。短歌の道を通って氷雪の門へ。途中で鹿の親子に出会う。稚内の街には、エゾシカがたくさんいる。
氷雪の門とは、かつて日本の領土だった樺太で亡くなった人のための慰霊碑である。
あまり知識も関心もなかったが、樺太からの引き揚げや北方領土の問題が、この地を訪れたことで真に迫ってきた。そうだよなぁ、暮らしを奪われた人がいるんだよなぁ。
戦争は理不尽でどうしようもないが、戦争のせいだから仕方がなかった、では済ませてはいけないと思った。
時間がなくて今回訪れるとこができなかったが、北方記念館にも行ってもっと詳しく知りたいし知るべきだなぁ。
ゲストハウスに戻って朝ごはんを食べる。
ゲストハウスでチェックインの時にお願いしていた鹿肉カレーだ。美味しかった。
さぁ、目的地である宗谷岬へ向かうぞ!
と、その前に、反対方向だが稚内の市街地の近くにあるノシャップ岬にも寄っていく。
端っこというのは良いものだ。しかも、素敵な言葉の響き。ノシャップ。
ノシャップ岬に行ったとて、特に見るべきものはなかったが、灯台があって良かった。
灯台は良い。旅先で、ひとつでも多く見れたら嬉しい。
引き返して、宗谷岬へ向かって海岸沿いを走る。
風力発電の風車が奥の半島に並んでいるのが見え、バイク乗りたちが道の脇に停車しているので、わたしも倣って停車し写真を撮ってみたが、遠すぎて写真には全然映らなかった。
そうしてずっとバイクを走らせると、遠くから見ていた風車が近づいてきた。
風車は牧草地の中にあった。ゆるやかな起伏を越えて、目的地に近づいていく。
この緩やかな丘は、宗谷丘陵と言い、地学的には周氷河地形というかつてあった氷河が溶けたり凍ったりを繰り返すことによって作り出された地形らしい。ロマンだぜ。
海が見えてきたと思ったらすぐに、宗谷岬公園が見えてきた。
駐車場も広々していて良いが、ネットでよく見る最北端の碑がないなと思っていたら、下の道にあった。
最北端の碑に向かう前に、旧海軍望楼や祈りの塔、宗谷岬灯台などを一通り見る。
バイクに乗って丘を下りると、下の道にある最北端の碑がある。
いや~、人が多い。写真撮影の列ができているほど人がいた。
わたしは記念撮影にあまり興味がないので、近くの海岸沿いの鳥を見ながら、座って少しゆっくりした。
北方領土にも思いを馳せざるを得ない土地ですね。
この近くに、日本最北端のガソリンスタンドがあり、記念品ももらえるとの情報を得ていたので、ガソリンを入れに行く。
記念品、ちゃんともらえるかドキドキしていたけど、もらえた。手作り感満載のホタテ貝のチャームを手に入れた。
そして、次の目的地は、白い道!!!
これ、結構楽しみにしてたの!!!
そして、期待を裏切らない映えスポットでした。
天気が良くて本当に良かった。道は白く、空は青く、緑もきれいだ。
道が白いのは、ホタテの貝殻をまいているからだそう。中の身を加工に使用したあとの貝殻は廃棄処分をしていたので、有効活用しようとまいたとのこと。良いですね~。
白い道は、順路があり、わたしの帰る方向とは逆だったので遠回りにはなったが、大回りしても行く価値ありなスポットだった。とはいえ、天候次第かな。
海岸沿いを走りたいので、白い道を抜けたら、再び宗谷岬公園の横を通っていく。さらば、最北端の地!!!
海岸沿いを走り、猿払(さるふつ)村を通り、浜頓別(はまとんべつ)町で内地に向かっていき、音威子府(おといねっぷ)村、美深(びふか)町、名寄(なよろ)市、剣淵(けんぶち)町などを通って帰るルートだ。北海道の地名はアイヌ語由来で面白い。
途中、ホテルサルフツのレストランフウセツでホタテ刺身定食を食べる。
基本的には、白い道がわたしの今回の旅の目的としては最終地点で、他はどこかに寄る気はなく、旭川に帰るだけのスケジュールなので、帰りのルートを確認したら、ご飯を食べてすぐに出発する。
次の休憩地点は、浜頓別の道の駅にした。新しく作られたようで、きれいな施設だった。エルダーフラワーソーダというなんかおしゃれでご当地っぽい飲み物を見つけたので、これを飲みながら休憩することに。せっかくなので、少し先のクッチャロ湖までバイクを走らせる。
道の駅の駐車場で、京都から夫婦で北海道を回っているという女性が大阪ナンバーのバイクを見て声をかけてくれた。ツーリングをしていると、道民よりも北海道を回っている他県の人から応援してもらうことが多い。
エルダーフラワーってなんぞい、と調べたら、セイヨウニワトコと出てきた。ニワトコってあれじゃん。ハリーの杖じゃん。
ソーダを飲みながらクッチャロ湖を眺める。疲れてて、ぼんやり眺めるしかできない。早く帰りたいので、飲み終えるとすぐバイクにまたがる。
クッチャロ湖の駐車場から出たときにちょうど道の駅で会った女性が道を歩いていて、手を振り合った。
もう本当に早く帰りたくて、3時間くらい休憩なしで走らせていた。そろそろ休憩しないとな、と思っているとものすごい雨が降ってきた。これは雨宿りするしかないので、旭川の手前の剣淵町の道の駅で雨宿りを兼ねて休憩することにした。
本当にすごい雨で、道の駅のベンチで雨を眺めるしかできなかった。
雨雲レーダーを見ては、いつ出発するかを考えていたのだが、なかなか雲が晴れそうにない。1時間待つと小雨になったので、出発することに。あと1時間ほどで帰宅なので、頑張る。
予定通り、1時間バイクを走らせて帰宅した。17時ごろ。びしょびしょ。でも暗くなる前に帰れて良かった。
寒かったし疲れたけど、バイクでずっと走るのは楽しかった。
初めての長距離ツーリング、これにて終了。