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墨国滞在記:Día2(メキシコ到着)
ついに……
メキシコ来たったでー!!!!!
長い長い道程の果てに、ようやく空港に着いた。
ここが憧れの地か…。
とか言ってみるも、正直あまり憶えてない。
特に問題なく日本人宿に到着できたのだろう。
空港からはMETRO(地下鉄)が出ているので、日本でプリントしておいた地図を片手に迷わず着いたようだ。
この時点でのわたしのスペイン語力は、挨拶ができる程度。どの国に観光に行くときも、挨拶とお礼の言葉だけは最低限憶えるかメモをしていくが、同程度のスペイン語しかできない。
メキシコでのスペイン語の勉強に向けて、良さそうなテキストを購入して眺めるなどはしていたが、かっちり頭で考えた挙げ句、読みはできるが話せない英語教育がトラウマなので、あえてあまり勉強していかなかったのだ。
結果として、楽しくスペイン語を勉強できたので良かったけれど、これは人によると思う。他言語学ぶのが苦でない人は勉強してから現地入りの方が生活とかは楽かなと思う。ホームステイ先とかも現地で探さないといけなかったので、それはちょっと大変だった。
でも、スペイン語をスペイン語で学ぶことができたおかげで、頭で考えることなくスペイン語が出てくるのは、多言語を話せるようになるためには大事なことなので、余裕がある人にはおすすめ。
さて、ホームステイ先は語学学校に通い出してから語学学校の提携先のホームを探すとして、それまでは宿に泊まる。安くて安心な日本人宿にお世話になろう。
メキシコシティには「サンフェルナンド館」と「ペンションアミーゴ」の2軒の日本人宿がある。日本で調べたところ、ペンションアミーゴはバックパッカー向けで、サンフェルナンドは長期滞在も受け入れている感じだったので、ホームステイ先が決まるまでサンフェルナンド館に宿泊することにした。
場所は2軒とも近くで、最寄り駅はMetro Hidalgo(イダルゴ駅)。サンフェルナンド館は駅から5分くらいの便利なところにある。
わたしは全く危険な目に合わなかったが、割と治安は良くない地帯なようだ。数日後、語学学校で知り合った日本人に誘われてバー(日本でいうクラブ)に遊びに行った帰りに、メキシコ人の男の子2人が宿まで送ってくれたのだが、「いや、ここやべえとこじゃん。ウーバー来るまで柵の中に入れて」と言って、防犯用の柵の中でウーバーを待っていた。メキシコでは玄関の扉の前に防犯用に檻のように厳重な柵で囲われている。
いやはや、そんなにやばいとこだったとは…。
ちなみにウーバーは車を持っている一般人が自分の運転の通り道に車に乗りたい人がいたら乗せて運んであげる配車システムで、アプリさえ入れていたら簡単に利用できる。日本ではウーバーイーツでご飯運ぶものなイメージが強いが、世界的にはウーバーといえば配車システムのことで、めちゃくちゃ便利だし、メキシコシティで周りの学生はほぼみんなウーバーを使っていた。タクシーだとぼられる可能性があるから気を張っていないといけないが、ウーバーだとアプリ内で場所や金銭のやり取りもするのでぼられる心配がない。食べログみたいに評価もつけられるので、変なことは起こらないし、そもそもメキシコシティで車を所有している人は富裕層なので、問題があるとこはほぼない。
日本でもウーバー参入して欲しかったけど、タクシー会社からの反発がすごくて駄目だったようだ。お小遣い稼ぎしたかったなぁ。旅行先とかでも便利に使えるだろうに、残念だ。
メキシコ到着後2、3日後に語学学校の申し込み日だったので、それまではふらふらと観光する。とりあえずメキシコという国の雰囲気を感じたかったので、なんてことのない宿の周辺をうろついたり、他の宿泊客とルチャ・リブレというメキシコ版プロレスを観に行ったりした。
うろついた感想としては、まず、屋台のご飯が美味しくて安くて最高だった。それにお店の人もみんな優しい。
駅前のタコス屋さんの兄ちゃんは、彼女が日本人だそうで挨拶ぐらいの日本語ができて面白かった。
スーパーへ行く道にあるお母さんと娘さんでやっているお店も気に入ってよく行っていた。人気の店は人がいっぱいになっているからわかりやすい。基本ファストフードだから、並んでてもすぐに自分の番になる。タコスに具をくるんで揚げた料理が美味しかった。名前忘れちゃったけど。当時は指さしで、「Quiero esto」(これ欲しい)ってめっちゃ片言と笑顔で乗り切ってた。でも本当にお母さんも周りのお客さんたちも優しくて、ここ安全だなぁと感じていた。
危険な目に合わなかったとはいえ、夜に外出ないくらいの自衛はしなあかんな、という感じはあったし、確かに宿のそばの通りには立ちん坊のお姉さんがいたし、気は張って過ごしていた。その中でほっと一息つける場所だったなぁと思う。
あと面白いのは、屋台はまずい店もいっぱいあること。馬鹿みたいに辛いサルサソースがかかっていたり、なぜか美味しくないトウモロコシだったり。
美味しくない食べ物を食べたとしても、別のところで同じ料理を食べたらうまい、ってことがあるので、チャレンジ精神が大事。一度の美味しくないで好き嫌いを決めてしまったらもったいない。5回くらいチャレンジしてみて欲しい。
メキシコ人はトウモロコシめっちゃ好きなので、屋台でもトウモロコシが売られている。日本の焼きトウモロコシではなく、だしで湯がかれており、まるごとのものと粒になっているものがある。まるごとタイプは日本の焼きトウモロコシ同様串刺しになっており、粒タイプはお玉ですくって紙コップに入れて渡してくれる。それをみんな美味しそうに食べ歩いてるので、わたしも!と食べてみるのだが、どうにも美味しくない。メキシコのトウモロコシは日本と違って主食としての甘くないトウモロコシなので、思ってたんと違う…ってなることを抜きにしても美味しくない。でもメキシコ人めっちゃ美味しそうに食べてる。買っちゃう。美味しくない。を3回ほど繰り返し、4回目くらいでめっちゃ美味しいトウモロコシ屋台に出会い、その後ははずれをひくことなく、ハッピートウモロコシタイムを過ごした。味覚がメキシコに染まったのだろうか…。マヨとうがらしで食べるのが、美味しい。わたしは粒タイプが好き。まるごとタイプより、だしがしみてる気がする。
屋台で美味しい食べ物にありつけるとはいえ脂っこいものが多いので、たまにはきちんとした料理も食べたいと、レストランに入ってみる。が、宿の近くのレストランは愛想悪い、美味しくない、値段は安くないのトリプルコンボだったためにレストランというものの印象が悪くなってしまった。その後生活していく中で最高のレストランに出会うが、それはまだ先の話。最初のころは、屋台で食べるか、スーパーで買ってきたもの食べていた。宿には共用のキッチンがあったので、火は使えるのだが、コンロに火をつけるときにマッチでつけないといけなくて、しかもメキシコのマッチは柄がもろくて折りまくって無駄にすることしかできなかった。仕方ないので、近くにいる宿泊客に点火してもらっていた。
さらに、当たり前なのだがメキシコでは日本と売られている食材が違う。なにをどう作ればいいのかわからず、だいぶなぞな料理を作って食べていた。美味しかった記憶がない。どんなものを作っていたかも思い出せないが、ひどかったということはわかる。日記のようなメモをみたら、そのなぞの食べ物を一緒にスーパーに行ってくれた宿泊客の日本人にふるまったらしい…。美味しいってゆってくれたけど絶対嘘や、って書いてある…。こわい…。
その方はメキシコでお仕事されており、スペイン語ができるのでいろいろお世話になった。海外で親切にしてくれる男性、って裏があるのかただの親切なのかはかりかねるところがあり、連絡先を聞けなかったのだが、おそらくただの良い人だったので、Facebookでつながっときゃ良かったと後悔している。お礼のメッセージのひとつくらい送りたい。
どうお世話になったのか、というのは語学学校への入学手続きで起きるアクシデントにつながっていく。
次回、「頼みの綱のクレジットカード、失われる」。