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よろぼう少年、かなたの道を行く@東大阪市民美術センター

地元の市民美術センターで面白そうな展示(企画展「中野裕介/パラモデル展 よろぼう少年、かなたの道をゆく▷▷▷《俊徳丸伝説》であそぶ」)をしていたので、見に行ってきた。

チラシから良かった。

ちらし・表
ちらし・裏
ちらし・中面
ちらし・中面アップ
中心の文字が反転したり鏡写しになったり。細部までこだわって作られている。

展示のタイトルにある、よろぼう少年とは俊徳丸伝説の主人公で、河内国高安(現在の八尾市高安)生まれの俊徳丸のことだ。知らない人も多いかもしれないが、この伝説をもとに能楽「弱法師」、説教節「しんとく丸」、人形浄瑠璃や歌舞伎の「摂州合邦辻」といったさまざまな古典芸能や、三島由紀夫の戯曲集「近代能楽集」、寺山修司の舞台作品「身毒丸」などが生まれたのだそう。ちらし丸写しの情報。
唯一、能楽の「弱法師」は知っていて、能楽師が主人公の漫画『花よりも花のごとく』8巻に出てくる。それでなんとなく知っていたけれど、俊徳丸伝説と能楽「弱法師」とつながることは知らなかった。さらに、俊徳道という地名と、この伝説がつながる驚き。まだまだ地元にわたしの知らない面白いことがあるんだなぁと嬉しくなった。もとより地元に詳しいわけではないが、知らないだけで、面白いことはいっぱい転がっているんだという気付きがあった。

展示は、予想していたよりも面白く、とても良い空間だった。
まぁとりあえず、ヘタな写真ですが、ざっと感じてみて下さい。

展示部屋に入ってすぐの全容。
大きな絵が吊り下げられている。
かわいい。
絵の上からプロジェクターで文字や文字的なものが投影されている。
言葉たちが文章としてではなく、イメージで入ってくる。
SFチック
手の中に世界…?
関連作品。
ようわからんけどかっこいい。
もはや映像機器も作品の一部。
少年の解剖図。
建設されている。

そして、なかでも気に入った映像作品。
写真が小さくてわかりにくいが、テナシイヌの「ない手」から生まれる同じイヌのような生き物。その生き物は生まれると天に還っていく。
チラシに書いてあった、欠如や障害が創造の源泉となりうるということがこんなにもきれいにあらわされている

生まれるところ。
生まれた。
浮いている。
天に還っていく。
核が見える。

なんとなく感じました?
映像、音、画像を浴びて、よろぼう少年の世界に近づく。これぞインスタレーション。これぞ展示。

作品が工場用養生メッシュシートで作られているのも良かった。面白い。

そもそも絵が好きだ。きれいで可愛い。
よろぼう少年もテナシイヌもデザインが良い。過去の伝説をモチーフにしているのに、未来的だ。そして、現実世界ともリンクし、繋がっている。

さきほどのインスタレーション作品が展示されていた場所から廊下をへだてた先にも展示場がある。
インスタレーションとして絵や映像、音で表現するだけでなく、ゲーム化したりもしている。

ゲーム。
ボケてるけど、工場用養生メッシュシートに塗料で描かれた「よろめく少年のダイアグラム」。
方眼トレーシングペーパーに鉛筆で描かれた「巨大な少年の建造計画」。

以上の主となる展示室だけでなく、他の場所もずっと楽しませてくれる展示となっており、それはもう外から始まっている。

レールでぐるり。
建物の入口までの道。
展示室までの道。
展示のイントロは、イベントで参加型ワークショップでみんなで作ったレール作品から。
巨大な作品たちでお出迎え。
工場用養生メッシュシートにインクジェット出力した「巨大な少年の建造計画」。

建物の正面玄関入ってすぐの展示ケースでは、東大阪市内にある障がい者生活介護事業「アトリエライプハウス」とのコラボレーション展示がおこなわれている。

壁も道。ライプハウスの絵画作品が飾られている。
建設中。
点P

そして、茶室でも展示されている。ガラス戸を押し開けて、外に出ていく。
おまけ的な展示ではあるのだが、これもめっちゃ面白くて、「よろぼう少年、かなたの道をゆく」のTVゲームのパッケージを生成AIに作らせたたくさんの案が乱雑に机に置かれている。

生成AIによるパッケージの提案。
茶室のなかでTVゲーム。
庭にもひっそりレールが敷かれている。

建物の外からもずっと展示空間をテーマの一つであるである「道」を表すレールで繋ぐことで、時間や場所、関係における「繋がり」や旅をすること、未来を感じることができるように意図されており、本展示の良さのひとつとなっている。

東大阪市民美術センター、ときたまこういった良い展示をしてくれる。良い企画者がいるのだろう。東大阪市民として誇らしい。
期間が短かったので、駆け込みで見れて良かった。本当はイベントにも参加したかったな〜。わたしのMPの問題で断念。ちぇ。

関わったすべての人に敬意を。地元へ愛を。

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