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愛媛サバイバル記【はじめに】
3年前、わたしは仕事を愛媛に決めた。
どうしてもしたい仕事があって、そのためなら場所はどこでも良かった。
愛媛には、縁もゆかりもなかったが、田舎に住んでみたかったから、むしろ良かった。感覚的には関西ともあまり離れておらず、不思議と親しみがあった。
暮らすまでの愛媛のイメージは、「みかん」ぐらいしかない貧困なものだったが、1年8ヶ月の愛媛での生活を経て、私の中の愛媛のイメージは結局、「みかん」で変わりはない。変わりはないが、深いイメージを持っている。経験と実感のこもった「みかん」だ。
愛媛は「東予」「中予」「南予」の3地域に大きく分けることができる。わたしが暮らしたのは「南予」という地域だ。それも高知県の四万十にほど近い、愛媛の端っこだ。
大きなショッピングモールに行こうと思えば、車で高速道路に乗って1時間かかるような田舎で、わたしはたくさんの思い出を作った。素敵な人たちにも巡り合えた。
その思い出は誰かと共有しなくても、わたしの中にしっかりと刻まれていて、文章で残す必要はない。
だがしかし、働くために愛媛に来た最初の1ヶ月間の話は残しておかなければならないと決意している。なぜならば、1ヶ月もの間、わたしは家を借りずに仕事をしていたからだ。どんないきさつで、家無しワーカーになったのかというと…。
4月に就職が決まって、5月から働くことになった。しかし、家探しに難航していた。このまちには目立った不動産屋は1つしかない。ほとんどの借家が集約されている不動産屋のファイルで物件をみるものの、一人用の住まいがあまりない。あっても、一軒家を借りる場合と家賃が1万円ほどしか変わらない。以前一人暮らしをしていたとき、コネで安く一軒家に住んでいたので、狭いスペースに3万円以上出すことにかなり抵抗があった。できれば、一軒家に住みたい。そんな甘ったれたわたしにおあつらえ向きの物件が南予にはある。値段的にも職場へのアクセス的にも良い一軒家だ。ここに決めたいが、6月からしか空かないとのこと。どうしようかと、職場にも相談したが、ゴールデンウィークにはいて欲しいから5月から働いて欲しいと言われる。仕方がないので、6月までの1ヶ月はウィークリーマンションで過ごすなども検討したが、働いた分を宿泊費にまわすような金額になってしまう。
悩んだ末に、どうしたかというと、遍路宿に素泊まりしたり、キャンプ場でのテントで宿泊することでしのぐことにしたのだ!
大学時代にワンゲル部で心身を鍛えたことがこの結論に至らしめた。しかし、これは思っていたよりも大変だった………。わたしは見込みが甘いのだ。なぜいけると思った。当時は1ヶ月家無し生活、なんとかいけるっしょ!と思っていたけど、全然ダメでした。引っ越しの直前の1週間は、辛すぎて、偶然にも職場にいた大学の同級生にお願いして間借りさせてもらったくらい。
以上のような稀有な事情により、南予の安宿やキャンプ場、銭湯に詳しくなった。これはまとめておかなければ。
日記風に1ヶ月の宿泊履歴を残していくことにする。
下記に、愛媛に行く前に調べたキャンプ場や銭湯、ゲストハウスの情報と実際行ったときの感想をまとめておく。値段や情報については、現時点(2022.9.26)でサイトより調べたものと当時のもの(メモ書きを基にしている)と混ざっている。実はわたしが愛媛で1ヶ月家なし生活をし、無事家を手に入れてから1ヶ月後に2018年7月の豪雨災害があり、当時とは全く状況が変わってしまったところもあるからだ。
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1)ユートピア宇和♨△
野村の銭湯(温泉)。キャンプ場もある。
入浴が400円で、キャンプ場代が500円と財布に優しい。
しかも、全然安かろう悪かろうじゃない。地元民に愛されている感じのきれいな銭湯に、しっかりと整地されたキャンプ場。安すぎる。
この記事のためにホームページをみると、いつのまにかテントサウナが始まっている!私が愛媛にいたころはなかったな。
ブームにしっかりのっています。
あと、ゲストハウスが野村にできていて嬉しかった。野村という土地そのものに助けられて1ヶ月のサバイバルをやり遂げたという気持ちがあるので、野村のまちがもっともっと盛り上がっていけば良いなと思う。
https://yutopiauwa.com/
2)西予市野村ダムロッジ ⌂
市営のロッジがなんと無料で使用できる。野村支所で職員さんに連絡して、自分の連絡先と日時を記載する。鍵をもらうので、また返しにいけばオッケー。
六帖一間のログハウスなので、テントのいらないテント泊と考えれば良い。
にしても無料って!!!太っ腹すぎる。
今回のサバイバルでは、かなりお世話になった。
その後、2018年に豪雨災害があり、野村はかなり被害をうけたので、数年たった今も、使用できるようになっているのかどうか、ネットでは調べきれなかった。あの優しい対応をしてくださった野村支所の役所の方は、お元気だろうか。
3)桂川渓谷キャンプ場△
野村ダムロッジ同様、野村支所の人に連絡さえしたら無料で使用できるとネットに書いてあったけど、連絡しなくても使える感じ。が、こちらも2018年の豪雨災害の影響でまだ復旧していないようだ。4年以上経ってなお進展がないので、今後の使用は絶望的だけど、水面下では進んでいるのかもしれない、という期待もある。このキャンプ場は、トイレもきれいで、ちらほらキャンパーもいた。知る人ぞ知る隠れキャンプ場だったのだろう。
ただし、山間にあるので、初夏でも朝晩はかなり冷え込む。山道具で煮炊きをしていたが、ガスヘッドの火花では火が付かず、ライターで火をつけていた。こんなこと、冬山じゃないとまずないからな。
4)車中泊できる場所(ダム湖@野村、道の駅@西予市)🚙
車中泊はグレーなのわかっているが、金銭的にかつかつだったので目をつぶってくだせえ。
①どんぶり館
困ったときの道の駅。本当に助かる。
外にトイレがあるのが素晴らしい。
特にここの駐車場はだだっぴろくて、私以外にも誰かは車中泊しているレベルで人がいた。誰もいないのは結構怖いので、それも助かるポイント。
観光に来た人にも、地元の食料や工芸品を置いていて楽しめるが、暮らしている身にも野菜が安くて新鮮なのでよく買いに行った。
https://www.donburikan.com/
②朝霧ダム湖のほとりにある駐車場
怖すぎて無理だった。あとから聞いたら、心霊スポットらしい…。霊感なくても、なんか怖いとかくらいは感じたくらいやべえ。
4)佐田岬の亀ヶ池温泉♨⌂
少し遠いのと、一人で泊まるには高い(一泊5500円)ので、1回しか利用しなかったが、佐田岬に観光に行く人にはおすすめ!キレイだし温泉もあるんだもの。
※火事(2021.8.19)で休止していたけれども2022.4.1より営業再開されたようです!良かった!
5)もやい(遍路宿)⌂
めっちゃくちゃ快適宿。旅行に来たときも、ここに泊まりたい。
ひとりで泊まるなら、亀ヶ池温泉より断然安い。
お風呂や洗濯など、ゲストハウスと同様ルールさえ守れば、日常生活が問題なくおこなえる。
なにより、遍路宿というのが四国らしくて良い。おやつを出してくれる。
遍路客じゃないので、申し訳ない気持ちもあったが、もともとお遍路さんをもてなすことは、功徳を積むことになるので四国では自然なことなようだ。「お接待」文化は、南予で暮しているとまだまだ根付いていると感じる。
一泊3000円。
6)かっぱバックパッカーズ⌂
愛媛ではないが、大雨でどうしたもんかと途方に暮れていたわたしを助けてくれた高知のゲストハウス。あのときの恩は忘れませぬ!
昔ながらの家をリノベーションしたゲストハウスで、トイレが2階はぼっとん便所で、1階も簡易水洗だが、きれいだった。お風呂場も広い。
庭もあって、そこに五右衛門風呂もあるし、家の前をトロッコが走るという土地を楽しみたい旅行者にオススメ。しかも安い!
ドミトリーで一泊2,800円。
7)西遊漁センター⌂
HP確認したら、値段が変わっていた(なんと安くなっている)が、当時は1泊4000円、1ヶ月16,000円でバンガローが借りれた。1ヶ月16,000円安くない?!ってことで実際に泊まってみたりしたけど、密閉感が苦手でやめた。野村ダムロッジの無料には勝てないし。
普通にアクティビティが楽しそうなので、そっちをやってみたい。無人島に連れて行ってくれたり、クルーズなんかもお手軽料金で楽しめる。
http://www.kitanada.net/yu-gyo/
8)ゆらり内海♨
西遊漁センターで宿泊するとき、シャワーで200円別途お金かかると聞いて、いやそれなら近くの銭湯行くわ、ってなって行ったところ。入浴代500円。
海が見える最高のロケーションに、潮湯という海水のお風呂もあって、海をめちゃめちゃ感じる。
さらにレストランで、海の幸を食べることもできる。
https://yurariuchiumi.com/
9)あけはまシーサイドサンパーク(塩風呂はま湯/民宿故郷)♨⌂△
私がかつて泊まった「民宿故郷」は「あけはま~れ」と名を変え、なんかめっちゃお洒落になっていた(HP上)。
だいぶ雰囲気が変わっているが、私が訪れたときはアットホームな宿でめちゃくちゃくつろいだ。布団最高。
少し離れた別の建物内に「はま湯」があって、広々快適だったけれど、ここも「あけはま~れ」になって、日帰り入浴施設はなくなってるようだ。
明浜の魅力がより伝わる施設になっているといいな。
9)竜沢寺ロッジ⌂△
「りゅうたくじ」と読むらしい。ずっと「りゅうさわでら」だと思っていた。
職場から遠いので、ナシよりではあったが、選択肢は多い方が良いので、念のためリストアップ。
結局、愛媛サバイバルには使用しなかったが、普通にアウトドアを楽しむにはかなり良さそう。
バンガロー1棟1500円、貸しテント1日(5~6人用)600円で、バーベキューもできる(別途料金要)。
10)宝泉坊ロッジ♨⌂
私が訪れたときは温泉入浴料500円、ロッジへの宿泊一泊3,000円だったはずなのだが、今HPみたら全然違う…。一泊しかしていないので、私が間違っている可能性もあるが、私が宿泊したときから豪雨災害を経て色々変ったという可能性もある。
漫画が置いてあったのが良かった。漫画は今もありそう。
https://www.housenbou.net/rooms
11)乙亥会館 カトロ温泉♨
乙亥会館という相撲に関する会館に銭湯があったのだが、2018年の豪雨災害で被害を受けてから、温泉営業再開ならず。体育施設としては運用されているらしい。災害伝承展示室も作られているみたいなので、いずれ訪れたい。
当時の入浴料500円。
https://www.city.seiyo.ehime.jp/kakuka/nomura_sisho/kyouiku/otoikaikan/index.html
12)しろまちゲストハウス⌂
職場の隣町にある、素敵なTHEゲストハウス。女子ドミトリーが和式で布団なのが良い。
肱川SUP(サップ)体験もでき、職場の人と帰阪前に参加した。初SUP楽しかった。
現在営業停止しているが、いつか復活して欲しい。
そういえば面接で初愛媛したときにもここにお世話になった。
http://ozu-shiromachi.com/
次回より、これらを使用して、1ヶ月を乗り切る様子を日記風に綴っていきます!