ダークロジックで新解釈!『シン・モモタロウ』本当は怖い日本の昔話
番組をお聞きの方もそうでない方もこんにちは。
ポッドキャスト番組『昭和オカルト奇譚』のマサです。
2024年7月26日(金)配信の「ダークロジックで新解釈!『シン・モモタロウ』本当は怖い日本の昔話」の後半、物語部分をnote記事にしたものです。
※本編はポッドキャスト(Apple Podcast / Amazon music / Spotifyなど)からお聴きください。
4名の絵師リスナーさんによるダークな挿絵
今回、せっかくダークな解釈をするにあたり、ほんわかした絵本のイメージではなく、内容に合うダークな挿絵があると理想だと、5月に以下のようなゆる募をかけたところ、絵師リスナーさん4名からお申し出がありました。ここにあらためてお礼を申し述べさせていただきます。ありがとうございました!
結末となるダークロジック版シン・モモタロウは先にストーリーを仕上げていたため、プロットを絵師リスナーさんにお送りして、描きたいシーンを選んでいただきました。
①表紙:スケロクさん(@sukerock360)
②モモタロウが爆誕するところ:赤澤ゆあさん(@koori_taberu)
③鬼ヶ島でモモタロウ一行が大暴れするところ:nabeさん(@ms06pance)
④ラストシーン:円井 雄👁️さん(@yuu_marui2434)
そして、本編の朗読は、怪談師・声優の内籐 綾さん!
本配信を聴きながら、下の挿絵を追ってお楽しみください!
ダークロジックで新解釈した『シン・モモタロウ』
昔むかし、時代の変化で食うに困った息子夫婦に山奥に捨てられた老夫婦がいました。あるとき、おじいさんは山へ芝刈りに、おばあさんは公共の水場がない人里離れた集落なので川へ洗濯しにいきました。
「あんれ・・なんじゃぁありゃぁ」
すると、川上から、腐敗ガスで腹が膨れた妊婦の遺体がどんぶらこと流れてくるではありませんか。
おばあさんは、「これは畑にとっても食料としても良いみやげになるわヒッヒッヒ」と、よろこび、たぐりよせ、家に持ち運びました。
時は小氷期と呼ばれる世界的に寒冷期だった時代。
厳しい冬にそなえて保存食にしましょうと、遺体の内臓をとるため腹をかっさばくと、中からまだ息のある赤ん坊がでてきました。
おじいさんとおばあさんはたいそうおどろきました。新鮮な食材がまだいたのです。
顔を見合わせ、どうするか迷った挙句、とりあえずしばらく家畜として育てることにして、モモタロウと名付けました。
そのころ、瀬戸内海を航路にしていた外国船に乗っていた船員が嵐に会い、島に漂着し、そこでの生活を余儀なくされていたガタイのいい外国人船員が、物珍しさや体格から鬼と呼ばれ、鬼が住む鬼ヶ島という風評被害が立ちました。
それを聞きつけたモモタロウは、「これだ!」とばかりに便乗します。
モモタロウが脱走すると察したおばあさんは、麻薬成分で依存性のある樹脂で固めたきびだんごをモモタロウにたくさんもたせました。これは、依存度を強めて家に帰ってくるよう遠隔操作をするためです。
モモタロウが食い扶持を失った浪人であふれるスラム街を歩いていると、どこからともなく声がします。
「おい兄ちゃんよ」
「俺はモモタロウだ、桃っぽいとされたものから生まれたモモタロウ」
「モモタロウさんよ、その腰につけている袋から独特の香りが漂ってくるんだが、ひとつわけちゃくれねぇか?ヘッヘッヘ」
「これか?これはおまえ・・アレだぞ、ハッ待てよ」
モモタロウは、「これだ!」と思い、スラムを根城にしている、関ケ原の合戦で主も職も失った、明日食う飯にも困窮している浪人を仲間にしようと考えました。
そして、頼もしいヤカラが3名、モモタロウのもとに集いました。
落ち武者のコードネーム犬、元忍びの猿、村上水軍だった元海賊の雉。彼らをきびだんご付けにして主従関係を築きました。
風評被害で鬼と決めつけられた外国人船員たちを狩りに、鬼ヶ島に一方的にやってきたモモタロウたち一行は、真夜中、平和に寝ている船員たちに突如として襲いかかります。
コードネーム犬は、刃こぼれした刀でのこぎりのように斬りつけ、猿はかぎづめで寝静まっている者の顔をひっかき、視力を奪います。雉は、逃げようとする者に背後から毒矢を放ち、この襲撃が外部に漏れないようトドメをさしました。
鬼たちはたまらんたまらん。そして、船の積荷である貿易品を根こそぎ奪います。とうとうやっちまったモモタロウたち一行は、きびだんごの効果が切れないうちにある算段を練りました。
それは、自分を麻薬付けにして家畜として育てたおじいさん、おばあさんへの復讐計画でした。
「よくもよくも、この俺をこんな風にしてくれた・・よもや許さん!」
これみよがしにリヤカーに財宝を積み、家路を急ぎます。
欲に目のくらんだおじいさん、おばあさんは財宝に飛びつき、そこで潜んでいたオトモたちに拘束されてしまいます。
ひととは思えない凄惨な拷問ののち、きびだんごの製法を聞き出すことに成功したモモタロウたちは、秘密結社をつくり、末永く闇社会で暗躍するのでした。
めでたしめでたし?
ダークロジックで新解釈、日本の昔話シリーズ、第二弾を鋭意企画中です!
Xから後の考察
※ご利用のポッドキャストアプリでの登録、Xのフォロー、いいねなど
応援よろしくお願いします!各種リンク先はこちら。