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狂人号から分かった!!シーボーンの特徴について、そしてミヅキとの共通点

はじめに

この記事では、イベントやプロファイルの記述からシーボーンの特徴についてまとめていく。また、ウルピアヌスによるシーボーンの分析やミヅキとシーボーンの類似点・相違点についても触れる。

1.シーボーンに関して

最初に、潮汐の下および狂人号の記述を引用しながら、シーボーンについて考えてみる。

シーボーンの目的:生存

シーボーンたちが共通して持つ目的、それは「種族の生存」である。これについて記述は多く見られる。たとえば、狂人号ではスペクターに対してシーボーンは次のように発言する。

シーボーン:欲しい。求めるもの? あなたが故郷へ帰りたいと願うようにか?
シーボーン:種の生存。より多くの生存。大群の生存。
シーボーン:幾万の生命は総体を成す。生命とは、無秩序なものではない。

潮汐の下に登場したシーボーンも、自分を殺そうとするアビサルハンターたちにこう言っている。

「シーボーン」:Ishar-mla。生きろ。生きること、生存は良いことだ。次は他の血族がお前を見つけ……お前に問う。

一方で、スカジの中にいるイシャームラという存在の導きを望んでいるが、これは全てのシーボーン共通というわけではないようだ。

シーボーン:Ishar-mla。我々はあの方の答えを待っている。あの方は長き時間の果てで、答えをくださるはずだ。
シーボーン:その時まで。答えがもたらされるその時まで――
シーボーン:――大群は、永遠を生きていく。

シーボーン:我々の中にも、あなたに会いたいと願う者が多くいる。Ishar-mla、イシャームラ。
シーボーン:一族があなたを待っている。我々はあなたを待っている。あなたの答えを心待ちにしている。

シーボーンの行動規範:献身と競争

シーボーンは同族と見なした相手に対して、種族の生存という目的に適うかぎり献身的だ。同時に、自分という個体のことを重視していないことが見て取れる。イベント中でも、敵対してくるグレイディーアや傷ついたアマイアに対して自分自分を差し出している。

シーボーン:……Gla-dia。私ヲ、食べルか?
シーボーン:私、切り分ケ、た。こノ肉、食べロ。

また、群れの生存を目的としつつも、そのために同胞を殺害したり捕食したりすることもある。多くの同胞を殺害したスカジに対して、潮汐の下のシーボーンはこう言っている。

「シーボーン」:エーギル、鱗のない者たち。「罪」とは、お前たちの言葉の中にのみ存在する。
「シーボーン」:生存のための行為は、すべて正しい。

一見矛盾するようだが、これは群れの中での生存競争が全体の進化を促し、結果として群れの生存能力を強化するためではないかと考えられる。また、栄養が足りなければ同族を捕食して規模を調整している様子も見て取れる。

シーボーンの能力:伝達と共有

シーボーンは極めて早いペースで進化することが特徴だが、獲得した能力は他のシーボーンにも共有される。狂人号でアマイアを捕食したシーボーンは他を圧倒する能力を得たが、群れと彼女が接触すれば同様の能力を持ったシーボーンが多数発生するだろうと書かれている。

シーボーン:一族が私を呼び戻そうとしている。共に果実を分け合おうと呼びかけてくる。
シーボーン:帰らなければならない。それを終えたのち、あなたに答えよう。会いに来よう。殺されよう。
スペクター:ふっ……逃がすわけないでしょ。あなたを放っておいたら、この近海にあなたみたいなシーボーンがどれだけ現れると思ってるの?

また、匂いを通じて情報を伝達することがおそらくは主要なコミュニケーション手段であり、そのため普通は「嘘」という概念を持たない。

「シーボーン」:「嘘」? 私は「嘘」の意味を知りたい。先刻、お前は「嘘よ」と発言した。私は「嘘」を知りたい。
    スカジは立ち尽くす。
    「シーボーン」の思考に触れたような感覚があった。
    シーボーンに関する情報が、匂いを伝って直接頭へ流れ込む。
    そして彼女は知ることができた。当然のように……
スカジ:違う……いいえ、違うわ……!
「シーボーン」:Ishar-mla、お前と我らの間には、大きな隔たりがある。お前では、我らに思考を伝達することは不可能だ。
「シーボーン」:しかしお前には、我らの思考を知ることが可能だ。それで十分だ。
「シーボーン」:私の身体は成長した。言語を用い、お前と交流することができる。
「シーボーン」:言語は膨大であり、扱いにくい。私の言葉は限られる。しかしお前は言葉を以て、私に伝達することが可能だ。

先の引用にあるように、「近くの同朋に呼びかける」ことができるようだが、これが匂いによるものか、他の能力なのかははっきりしない。



2.ウルピアヌスの分析

狂人号の中で、アビサルハンターの1人であるウルピアヌスはシーボーンについていくつかの情報と分析を披露してくれた。

シーボーンは攻撃的?

まず、シーボーンの攻撃性は我々プレイヤーが思っているほど強いものではないようだ。ウルピアヌスは次のように言っており、潮汐の下でもシーボーンがエーギルへの攻撃について言及している。

ウルピアヌス:シーボーンは、巣や生息地が脅かされない限り、自ら都市に攻め入ることなどしない。虐殺と破壊の裏では常に、堕落したエーギル人が糸を引いている。

「シーボーン」:いいや、違う。
「シーボーン」:我らは、エーギルの都市には行かない。
スカジ:数え切れないほどの都市を滅ぼしたくせに!
「シーボーン」:あれらの都市は、我らの領地に存在していた。
スカジ:ふざけないで。エーギル奥地の都市でも、あなたたちに狩られた人がいたのよ!
「シーボーン」:違う……それは、違う。
「シーボーン」:我らの行いではない。都市での死は、一族を育まない。
「シーボーン」:エーギルが我らを攻撃し、我らがエーギルを攻撃する。違いは存在しない。
「シーボーン」:お前たちの領地、都市での人々の死は、その地の者の行いだ。

潮汐の下で、シーボーンは嘘という概念を理解していない。彼の発言が真実であることは間違いないので、シーボーンが人間を攻撃するのは通常、自分たちの縄張りや生存が侵されたときだとわかる。
そうでない場合、「堕落したエーギル人」がシーボーンの攻撃を誘導しているということだろう。、描かれた中では深海教会がこの堕落したエーギル人に該当する。大いなる静謐も深海教会の行動がなければ起きなかった可能性がある。


ウルピアヌスの描く戦略

ウルピアヌスも、シーボーンが人類に攻撃しはじめたのには理由があると考えていることが発言からわかる。

ウルピアヌス:シーボーンの歴史がエーギルより古いというのなら、奴らの歴史に転換点が訪れたことには理由があるに違いない。

同時に次のような発言があり、ウルピアヌスはシーボーンとの衝突を回避可能と考えているフシがある。

ウルピアヌス:シーボーンは、巣や生息地が脅かされない限り、自ら都市に攻め入ることなどしない。虐殺と破壊の裏では常に、堕落したエーギル人が糸を引いている。
ウルピアヌス:奴らは俺たちを死んだものと思い込み、こちらとあちらの繋がりは途絶えた。そして、俺たちの身体には、シーボーンの血が流れている。
ウルピアヌス:この長きにわたる戦いに、貴重な好機が訪れているんだ。

ウルピアヌス:これはチャンスだ。理解も協力も必要はないが、俺たちのどちらかがこの好機を掴まなければ。

しかし同時に、スカジの中にいるイシャームラが目覚めればスカジを殺さなければならないとも発言する。

ウルピアヌス:お前の推測は正しくもあるが、間違ってもいる。アビサルハンターは皆、理性を失いシーボーンと化すのかというと、それは違う。スカジはそうはならないからだ。
ウルピアヌス:お前も気付いているだろう。「あれ」に相対し、海溝を漂った俺たちは皆、理解しているであろう事実に。
ウルピアヌス:何かが起きた時は、あいつを殺さなければならないということだ。

イシャームラという存在

ウルピアヌスはシーボーンとの衝突回避の可能性を探りつつも、イシャームラは敵と認識しているようだ。
狂人号に登場するシーボーンはイシャームラの啓示を求めていることが描写されており、宇宙への進出を望んでいるような発言もある。

シーボーン:たった一人の同胞が生命の究極の答えに触れること叶えば、この星空すべての法則を、隅から隅まで編み上げることが可能となる。

こうした情報を合わせて考えると、生命の究極の答えを求めることや宇宙への進出?はもともと、イシャームラの提示した目標なのかもしれない。
そうだとすると、ウルピアヌスは自分がシーボーンの同朋と見なされていることを利用してシーボーン本流と交渉し、地上を経て宇宙への拡大を求めるイシャームラの群れを排除することを考えているのではないか?というのが現時点で予想できる。
もっとも、ウルピアヌスはシーボーンについてもっと知らなければならないと述べているので、現時点ではそこまでハッキリした展望を持っていない可能性もある。


3.ミヅキはシーボーン?

さて、ここまでシーボーンについて見てきたので、少し目線を変えてミヅキについて見ていこう。ミヅキは深海教会の者らしき人物によってシーボーン化処置を受けたが、そうはならなかったとプロファイルにある。
ここでは、ミヅキとシーボーンの同じ部分、違う部分について見てゆく。

ミヅキの目的:良い自分になる

ミヅキはプロファイルで、「自分を助けてくれたおじいちゃん」についてこう言っている。

前に話したあの、僕を助けてくれたおじいちゃんのことだよ。いつも何かを考えて、何かを記録していたけど、決して全てを口に出さない人なんだ。よそからは良いところを身に付けて、自分が持っていた悪いところを切り捨てることによって、より良い自分になるべきだ。

それに続けて、自分が悪人たちを排除する理由を、こう述べている。

──おじいちゃんはそう言っていた。僕も僕の理解なりに実践して、より良い自分を求めて色んなところへ旅をして学んできたけど、結局、それはただの「教え」であって「理論」ではなかったって気がついちゃったんだよね。悪い奴らは良い人から何もかも簡単に奪い取ってしまうし、そういう奴らは他の人が良くなれるような何かを生み出すことなんて最後までないんだ。そこで僕が思ったんだ。あの素敵な願いを実現するためには、人々に必要なのは良い人と一緒にいて、お互いから学び取ることだけじゃなくて、ね……

つまり、ミヅキは「より良い自分」になるという目的を「おじいちゃん」に与えられ、それを「善いことをする」=「悪人を排除する」と解釈したことが分かる。
与えられた目的をそのまま自分のものにしているところはシーボーン的でもあるが、シーボーンの目的は常にシーボーン種族の生存であり、進化はその手段にすぎない。
ミヅキは群れの生存について口にしたことはなく、シーボーンではなく人類を自分の同族と見なしている。この点で、シーボーンではなく人類の枠に留まっていると言えそうだ。

ミヅキの行動規範:善い人に従おう

ミヅキは「良い自分」=「善人」になろうと指向するが、その善悪に関する確固たる信念を持たない。そのため、善人の言うことを聞いたり願いを叶えることに執着する。ミヅキのボイスを見てみよう。

正義感? いや、ドクターは誤解してるよ。僕は別に悪人を何とも思ってないよ。でも、みんなは色々事情があって悪人に手を焼かされてるんでしょ?そんな時に悪人を消してあげれば誰も困らないし、みんなホッとするでしょ。

ドクターの理屈はよく分からないけれど、とにかくドクターが悪人って判定した奴だけ片付ければいいんでしょ? だってドクターは良い人だから。もしドクターが、実は悪人だったらどうするか? やめてよ、そんなの困るんだ。だってそしたら、僕はドクターを──

これらのボイスでは、ミヅキは悪に対して怒りや憎しみを持っておらず、「善人が困っているから」悪人を取り除くのだと言っている。また、「ドクターは善人だから判断を任せておけばいい」とも言っている。
ミヅキの行動は信念ではなく、単純に「良い自分になる」という目標を愚直に目指してのことだと判断していいだろう。
目的を大事にしつつも手段のほうは曖昧だったり、信念を持たず行動を他者に委ねがちなところは、ミヅキとシーボーンの共通点と言える。

ミヅキの悩み:人間になりたい

一方で、ミヅキが正しい目的だけを持った怪物かというと、そういうわけでもない描写がある。ロドスキッチンではミヅキが友達を作ろうとする描写があるし、ボイスでも自分の在り方を変えたいと思っているような発言がある。

あの時もこんな雨の日だったな。予想外の贈り物を受け取って、僕は変わったんだ。でもあの人はこれからの将来とどうやって向き合えばいいかを教えてくれなかった。ドクター、君なら手を取って僕に教えてくれる?

「教えて欲しい」というのは、ドクターの言うことに従っていればいいのとは違う。これは明らかに「理由を理解したい」というミヅキの望みを反映した発言だ。ミヅキがより人間らしくなれる可能性は十分あると言えるだろう。

4.最後に

こうしてイベントを振り返ってみると、シーボーンにとって人類は敵というよりは障害物のようなものだと分かってくる。同様にプレイヤーから見ても、シーボーンは絶対的な敵とは言い難いことが狂人号で明らかになった。真の敵はあくまでも人間であって、シーボーンは自然現象のようなもの・・・というのが、ここから続くイベントで描写されていきそうだ。大陸ではシーボーンについてさらなる追加情報もある様子。我々グローバル版プレイヤーも続きを楽しみに待ちたい。


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