無資格、未経験でネイルサロンに勤務してた話
【まず初めに】
無資格、未経験で2つのネイルサロンで
ネイリストとして働いていた者です。
先日やっとネイル検定3級を受験し、無事に合格したのでこれを機に私が経験したことについて書こうと思います。
これからネイリストになりたい方、
ネイルサロンで働きたい方の参考になればと思いますが
特殊な例なので、こういう人もいるんだ程度に
読んでいただければ幸いです。
結論を先に言えば、私のような無資格、未経験で知識も経験も無い中途半端で恐ろしいネイリストがお客様の爪に施術していたということ。この事実を知ってもらいたいです。
まず、一般的にネイリストになるためには
専門学校などでネイリストになるための知識を得て、勉強をし、資格を取得してから働くのが
一般的かと思います。
今回私はネイルの専門学校などには全く通わず
ネイリストとして働くことになりました。
【私の簡単な経歴】
私は普通の大学の出身で、学部もやっていた専攻も主にパソコンを使用した画像の編集などが専門でした。美容系は完全に未経験の分野でした。
ちなみに爪も白いところがないくらい短かかったです。噛み癖もあったのでネイルベッド(ピンクの部分)が短く、現在はフリーエッジ(白い所)で長さを保ってます。ネイルも友達と遊んだり、遠出する時にマニキュアや1本で出来るジェルネイルなどを塗るだけでした。
【どうしてネイルサロンに勤務出来たのか】
まず1件目のネイルサロンですが、バイトの求人が出てたので応募して面接を受けたら採用されました。
当時仕事を辞めた後にパソコンを使う事務職を目指す短期の専門学校のような所に通っていたのですが、コロナの影響もあり授業終了後も全く仕事が見つからず…
そんな時ふと、パソコンは得意だったから
パソコンを使って学ぶ学校じゃなくて
ネイルとかの学校に行けばよかった~と思ったのです。それがネイルを目指すきっかけでした。
それから就職活動を継続している時に、
未経験でもOK、働きながら資格取得と書かれた
ネイルサロンの求人に応募して面接を受け、採用に至りました。
【特殊な雇用条件】
1件目のネイルサロンの雇用条件は、
ネイルサロンのオーナー(高齢男性、ネイリストではない)が経営するネイル以外の業務の手伝いをすることでした。
1回目はネイルがやりたいのでと断ったものの…
2回目にネイルを絶対やらせてあげるから!と
強く言われて断りきれずやることにしてしまいました。
手伝ってくれるなら採用すると何度も言われたので…あまり深く考えず働けるならと返事をしちゃいました。当時何件も面接に落ちてたので早く働きたいという思いが強かったのもあります。
提示された条件を承諾し、ネイルサロンでネイル、オーナーの会社でパソコンの仕事を並行してすることになりました。
ちなみに雇用は社員ではなく、時給制のパート(アルバイト)週3日ネイルサロン、2日をパソコンの仕事、週休二日制で働くことになりました。
先輩のネイリストは4人いましたが、独身でフルタイム勤務の方も社員ではなくパート扱いでした。
【ネイルサロンでの研修】
初日は先輩からお店のメニューについて説明を受け、実際に自分の爪に施術をしてもらいました。
その後はひたすら先輩達がお客さん達をやってる横でひたすらネイルチップにポリッシュやジェルを塗る練習をしました。
たまに先輩が見に来るくらいでほぼ放置状態、
基本的にはぼこぼこしてないか、表面のチェックくらいしかされず、ぼこぼこならないように塗る練習をしてました。
今思うと、未経験OK、働きながら資格取得とはいえ専門学校などで習うちゃんとしたやり方、塗り方は一切教えてもらえませんでした。(小指を支えにしてブラシを使う方法や、ポリッシュの調整方法など)
資格取得制度はありましたが勤務とは別で、手続きも複雑だったため先輩に相談するのも億劫になっていました。先輩の施術も見学させてもらえなかったので、先輩たちの手元の作業を見ることが出来ませんでした。今思うとこれは非常によろしくないことでした。
実は私と同じように先に入って研修を受けていた子がいて、その子に合わせた研修スケジュールに私もついて行く形で計画が進んでいました。
しかし突然、先に入っていた子が辞めることになり研修スケジュールが大きく変更になりました。私が辞めてしまった子の穴埋めをするために練習量が増え、時間が減りました。
何とかお店で提供するクオリティだと認めてもらった私はお店で正式にデビューし、お客さんに施術をすることになりました。
【ジュニアネイリストデビュー】
当時、人と話すのがあまり得意では無かったので
接客業は大変でした。施術しながら喋ることに慣れていなかったことと、 ワンカラーでもグラデーションでもシンプルなメニューは付け替え時間を含めても1時間も無かったので必死に綺麗に出来るよう必要最低限の会話で仕事をこなしました。
オフ含め1時間とか今思うとおかしいと思ってます。
そしてオーナーからの指示でネイルサロンデビュー後はなんと、週3日のネイルの勤務を2日に減らされてしまいました。
代わりにパソコンの業務を増やされました。ネイルじゃなくてこっちをやってくれと。
ネイルの仕事がしたかったのに結果的に週に2日しかネイルサロンに勤務出来なくなりました。
【すごい辛かったこと】
1人苦手な先輩がいて、お客さんと話さない (世間話をしないこと)をすごく指摘されました。
ちなみに段々世間話ができるようになった頃には、お客さんと話しすぎ!と新たに指摘をされました。どうしようもないので、とりあえずペコペコ謝るしかなかったです。
この先輩には色々教えていただいたこともありましたが、お客さんが指定したパーツの乗せ方が先輩からしたらダサかったらしく、 これをやった私のセンスヤバいとか言われたり、一重で化粧しても映えない私の顔をネタにされたり…
この頃コロナ禍で常にマスクをしてるにも関わらず、オーナーにも笑顔がキモイと言われて、先輩にも顔のことを言われ、普通に傷ついてました。
【ネイルサロンを退職】
退職理由は「オーナーの機嫌を損ねた」からです。ネイルではなくパソコンの業務でオーナーと口論になって、半強制的に解雇となり、パソコンの業務が出来なくなったため、そのままネイルサロンも解雇となりました。 ジュニアネイリストとしてデビューしてからまだ3ヶ月でした。
口論の原因をネイルで例えるとしたら、 オーナーはマニキュアとジェルネイルの区別が全く理解出来ていない、全て同じだと思っている等、今後の事業拡大に当たって先導していくはずのオーナーの知識が乏しいことをはっきり伝えたら不機嫌になってしまいました。
私の解雇が決まった後にネイリストの先輩方や、私の後釜として急遽採用になった後輩に、私が「ネイルが嫌いになったから仕事を辞める」と吹聴されてしまいました。
さすがに我慢できなくてネイリストの先輩方にはそんなことはない、私はネイルが大好きです!と最後に言ってからネイルサロンを後にしました。
結局このネイルサロンに勤務していたのは
約半年、6か月。内、3ヵ月が新人研修、残りの3ヵ月がジュニアネイリストとしての勤務でした。
【あるネイリストさんとの出会い】
1件目のネイルサロンを辞めた後は1ヵ月間貯金で引きこもり独学でネイル検定を受ける準備を始めました、とりあえず受験に必要な物を買いそろえました。
働かないと生活が出来ないので色々迷った末に、 ネイル商品も取り扱っているお店でバイトを始めました。やっぱり少しでもネイルに関係する仕事がしたかったので…!
そこで勤務している時にとあるネイリストさんと出会い、私は無資格、未経験でネイルサロンで働いていた話をしました。
するとネイリストさんのご厚意で、
一応経験者ならうちのサロンで勉強してみない?と声をかけてくださったのです。
【ネイリストさんのサロンでお手伝い】
その後、週2日だけネイリストさんのサロンで
ネイルの勉強をさせてもらえることになりました。勉強と言ってもネイルスクールのような本格的なものではなくアルバイト(お手伝い)だったのでサロンの雑用も手伝いながら、塗り方などを見てもらったり、ネイリストさんのお客さんに許可をもらって隣に着かせてもらって施術を間近で見学させてもらうことがほとんどでした。
【基礎の基礎の基礎】
でも、本当に1件目のネイルサロンとは全然違いました。ポリッシュの持ち方、お客さんの指の持ち方、塗る時の指の支え方、スキンダウンの方法、バランスの取り方など
「あなた前のサロンで何も教えてもらってないじゃない!!」
「本当にネイリストとして勤務していたの!?」
と、ネイリストさんが激怒するくらい基礎の基礎を叩き込んでもらいました。
間近でサロンワークを見せてもらえたのはとても助かりました。 1件目のサロンは先輩方の手元を全く見たことが無くてどうやって爪を整えたりジェルを塗ってるのかわからなかったので…
本当だ!小指で支えてる!!と小指に感動したことは今でも忘れられません。
それぐらい小指で支えることを教えてもらえた時、小指で支えられなくて苦労したんです。(中指で支える方もいますと書いてましたが薬指の間違いでした…!)
本当に当時の私を見たネイリストさんは絶句状態でした。
それもそうだと思います。
なぜなら1件目のネイルサロンは、トップジェルの仕上がりの確認しかされてなかったし、小指で支えながら塗るとか知らなかったし、ベースを1層残してジェルネイルをオフすることにフィルインという名称があることも知らなかったんです。
【お客さんに施術】
ネイリストさんのサロンでも施術の許可が下りてまたここでもジュニアネイリストとなりお客様に施術する機会が増えました。やっぱり直接お客さんに施術する機会はネイルサロンなどでないと経験出来ないことだと思うのでとてもありがたかったです。
これは少し失礼な言い方になりますが
1件目のサロンと比べるとお客さんの質が全然違ったのです。
1件目のサロンはとにかく安く、早く綺麗にやってくれと言う感じで値段でお店を選んでる方が多かったです。リピーターさんより新規の方ばかりで、逆に言えば続いていかないお客さんで成り立っている部分がありました。ネイル商品も販売してましたが私は入ってから売れたところを見たことが無かったです。
2件目のネイリストさんのサロンは人柄によって集まった方が多く、新人の私にも優しく接してくれるお金にも心にも余裕のあるお客さんが多かったです。新規の方もいましたが圧倒的にリピーターさんが多く何年も通われてる方が多い印象でした。実際に20年近く営業されているようだったのでさすが!と思いました。このサロンも施術だけでなくネイル商品も販売してましたがかなり売れ行きも好調で本当に驚きました。
施術時間も1件目のサロンより2件目のネイリストさんのサロンの方が決められていた時間に余裕があったので私も心に余裕が出来てお客さんに施術することが出来ました。
サロンごとにこんなに違いがあるんだ…!と
これは2店舗経験した私だからこそ感じたことだと思います。
そして前述の【すごい辛かったこと】で書きましたが1件目のサロンではネイルとは関係無い理不尽な指摘に苦しみました。2件目のネイリストさんからも、強く指摘されることがありましたが
全部ネイルのことだけ!私の顔のことなどは何も言われなかったんです。 ネイルに関することだけは本当に真摯に向き合って指導してくださり本当に感謝してます。
【ネイル検定のモデルに】
元々ネイル検定を受けたいと話をしていたら
まだ早いと言われたので代わりに
ネイリストさんのサロンで働いている方の
ネイル検定のモデルとして私が行くことになりました。
練習中に次はあなたがこれをするんだから
しっかり見ておきなさいと言われ自分まで緊張してちょっと心がしんどかった思い出が…
結果的にネイル検定のモデルはやってよかったです。場の空気がわかったし、後々私も同じ会場で
ネイル検定を受験したので事前に下見が出来た感じでした。
【ネイル検定受験】
いよいよ自分がネイリスト検定3級を受ける時が来ました。
初めてネイルサロンに勤務した日から1年、
1件目のネイルサロンを辞めてから4ヵ月ほど経っていました。
ネイルの資格は美容師などとは違い、国家資格ではありません。なので、ネイルの資格が無くてもネイリストになれるしネイルサロンを開業することができます。
もちろんネイルサロンに勤務することも出来ます。
私がネイル検定を受験したかったのは
1件目のネイルサロンにいた先輩達が
全員ネイル検定3級を持っていたからです。
働いていた半年間、私だけ資格を持っていなかったのでせめてその時の先輩達と同じラインに立ちたかったのです。
ちなみに1件目のネイルサロンの面接時に
ネイル検定を取りたい話もしました。
そしたら「うちの店で大人気だった子は検定持ってなかったよ。それでもお客さんがたくさんついていたし上手だった」と言われました。
それもわかります。資格を持っていても経験の差、技術の差、上手い下手も絶対あると思います。それでもやっぱり基礎の基礎、根本的な知識は持っていなきゃダメだと思うし、証明出来るものは必ずあった方がいいと私は身をもって痛感したんです。
後はたった半年間でも、何も教えてもらえてなかったと言われても自分がネイルサロンで働いていたことの証明としてネイル検定を受けて合格したかったんです。
ネイル検定受験時の詳しい内容はまた別記事で。
ひとまずネイリスト検定3級合格したことだけ
先にお伝えします。
もう一緒に働いてはいないけど、
先輩達と同じラインにたどり着いたことで
私自身はもう報われました。
【経営者の違い】
1件目のネイルサロンのオーナーは 高齢男性 ネイリストではない
2件目のネイルサロンのオーナーは 女性 ネイリスト(ネイル系の資格複数取得)
でした。
サロンの経営者の違いも大きかったです。 ネイリストじゃない人からしたら数字が全てなので客数や単価などの数字しか「見てない」というより「わからない」が正しいですかね。先輩方が施術に関して訴えてもわかっていないようでした。女性目線でお店を見ることが出来ないので今思うとなぜネイルサロンを経営していたのか謎です。
オーナーがネイリストだと数字以上にネイルの話が伝わるのでお店がよりよくなっていくのがわかりました。施術の悩みも気軽に相談できるし、経営の話も数字だけではなくネイリスト目線で判断してもらえます。経営は施術とは別の話になりますが売上が出たら必ずついて来る課題かとも思います。
【唯一良かった経験】
1件目のネイルサロンで何も得られてなかったと思ってましたが実は得られたものもあります。
唯一得られたのはネイルマシンの使い方です。
1件目のネイルサロンは20分でジェルオフしなければ施術時間が間に合わなかったのでマシンの速度は一瞬でも外したら甘皮から出血するレベルの
MAX速度でビュンビュンしていました。
他の先輩方もこの速度でネイルマシンを使っていました。
2件目のネイリストさんのサロンでもマシンを使ってましたが速度は遅めで、アセトンも併用していたのでネイルマシンみんな怖がるのに平気なのねと褒めて?もらえました。
MAX速度でビュンビュンしてた身からすれば
この速度でいいんですか!?ありがとうございます!!と、お礼の言葉しか出てきませんでした。
ネイルスクールに通われてる方などで
わざわざ別途でマシンの講習を受ける方を
お見かけしたのでほんのり得をしたなと思っています。
【これからネイリストを目指す方へ】
これはあくまでも私の経験を前提に書きますが、
最低でもネイリスト検定3級は取得しましょう。
ネイル検定の試験はポリッシュ(マニキュア)だし、
検定でやったことをサロンでやるかと言われると
やらない工程の方が多い気もしますが…
基礎の基礎は絶対に理解してからお客さんに施術をするべきです。
基礎の基礎を理解しないまま施術していた私が代表してこの危険性を訴えます。
ちなみに大手予約サイトなどに書かれている
ネイルサロンの求人は必須資格に2級所持など
書かれているのがほとんどですが…
2級持ってなくても問い合わせてOKだったという方やまだ無資格だけど資格取得を前提に雇われた方もお見かけしたので直接サロンに問合わせるのが1番かと思います。
【ネイルサロンに行かれる方へ】
全てのサロンがとは言いません。
ですが、基礎の基礎を理解しないまま
施術していた私のようなネイリスト…
ネイリストと名乗るのもおこがましい人間も存在しています。かなり少数だとは思いますが、お気をつけください。これも基礎の基礎を理解しないまま施術していた私が代表してこの危険性を訴えさせていただきます。
【伝えたかったことをまとめました】
・研修でトップジェルの仕上がりだけでOKが出て
ジュニアネイリストとしてでサロンデビューした人間がいること
・基礎の基礎が出来てないままお客さんに施術をしていた人間がいたこと
・爪の状態(二枚爪やグリーンネイル)が何もわからないのにお客さんに施術をしていた人間がいたこと
・専門用語(クリーンナップ、ファイリング、ネイルベッド、フリーエッジ、フィルイン、チップラップなどなどなど)も知らないままネイルサロンに勤務していた人間がいたこと
これ全部、私です( ˆoˆ )
現役ネイリストさん、ネイリスト志望さん、
ネイルサロンに通っている皆様
恐ろしくないですか?怖くないですか?
私は怖いです。
怖すぎてちびります。
【最後に】
ネイル検定3級本当に取れてよかった…
それぐらい大事な試験、資格です。
最終的に、私はネイルスクールには通っていません。ただ、少ない時間でしたがネイリストさんの指導を得られる超貴重な機会を頂きました。
これを独学と言っていいのかわからないので半独学にします。実際にネイルに使う道具類や教本は全部自分で調べて買ったので…
+@ネイリスト協会が出している
テクニカルシステムシリーズ読むのもオススメします!
以上、文才も無く、語彙力が乏しいのにも関わらずここまで読んでくださった方、ありがとうございました。