見出し画像

週末料理の醍醐味(アジ)

夫婦二人家族。
ここ数年週末の1日、おもに土曜の夜だけなのだが、料理当番をしている。
よくよく考えたら料理というより酒の肴である。
日頃の妻へのお礼の意味もあるが、一番はお酒と一緒に楽しめる料理を創造する楽しみだ。それと好きなものを安心して食べられることだ。

ある日のメニュー

朝10時半くらいに近所のスーパーまで出かける。
スーパーの一角にある魚屋さん。新潟・寺泊港に揚がった魚介類が所狭しと並んでいるお気に入りの魚屋さんが目当てである。
すぐ近くが飲食店街のため、居酒屋さんの大将らしき人が魚を目利きしている。ブリであろうがタイであろうが、尾頭付きでしかも大量に買っていく。
しかもそんな人たちがこぞって買うからどんどん新しい魚が追加される。
そんな大将たちに紛れて自分も備え付けのビニール手袋を左手につけ、浅はかな知識で新鮮な魚を物色する。

今日はアジ料理にしよう。

今日は、と書いたが我が家の土曜日のアジの登場率は著しく高い。
アジの場合、中くらいの大きさであれば4-5尾、大きければ2-3尾を買う。
二人暮らしなのに、だ。
アジであれば自分で捌くこともできなくはない。
最近は便利な世の中でネットを探せばアジの捌き方の動画も溢れている。
三枚におろして皮をはぐ方法、頭のてっぺんから背を通って尾まで先に包丁を入れてから先に皮をはぐ方法などなど、最初に鱗を取るのはすでに当たり前ではなさそうだ。
まあ楽しい作業ではあるが、最近は調理に時間を割きたいのでアジは魚屋さんに捌いてもらっている。
最初は「刺身用」に捌いてもらっていたが、いまは「三枚におろしてぜいごを取って」とカスタマイズ注文している。「刺身用」は、三枚におろしたうえ、包丁を当てて中骨(血合い骨)を取ってくれるから可食部が少なくなるのと、酢で締めるときは皮がついていた方が食べるときに見た目が美しいから。

何を作る?

もったいぶることはない。
刺身と〆アジとなめろうの3点セットだ。
レシピは適当。ネットで出てくるレシピを3つ4つ見ていいとこどりをすればよい。作業が楽で調味料が少ない方が美味しいと思い込んでいる。

①刺身

三枚におろして、との注文で腹骨まで取ってくれているから簡単だ。皮をはいで、毛抜きで中骨(血合い骨)を取れば、後は切るだけである。
皮をはぐときどうしても脂身の乗った部分が一緒に取れてしまうので、包丁でこさいでなめろうにする。
通常はさしみ醤油で食べる。甘くて濃厚な味だ。調べてみると「再仕込み醤油」というらしいが、九州では刺身といえばこの醤油だ。
変法として短冊状に切り、たっぷりのごま油と塩、それに小口切りしたたっぷりのネギと食べてもうまい。にんにくスライスがあるとなおよい。

②〆アジ

三枚におろされた切り身両面に塩を振り水分を抜く。
一度、この工程を忘れてしまったのだが、生臭さを抜くための重要な作業だ。
塩の量は気にしなくてもよい。真っ白になるほどつけても構わない。
トレイに乗せて、傾けておくと赤い透明な液体が出てくる。
15分も置けばいいだろう。
私はこの後、流水で洗いペーパータオルでしっかり水分を除いている。
少し身が硬くなっているのがわかる。
ジップロックのようなチャック式のビニール袋に入れて酢を入れ空気を抜いて冷蔵庫へ。少量の酢で済むから袋がおすすめ。
時々袋の上下を替えて、身が酢に触れるようにするとよいだろう。
30分くらいの浅いものから数日間しっかり締められたのまでお好みでどうぞ。ぜいごを取ってもらうのはここで袋に穴が開くのを防ぐためだ。
締められたアジは皮をはぎ、中骨(血合い骨)を取ればOKだ。
4~5日締めたものは骨は取らなくても柔らかくなっているので、面倒であればそれもよいかと。

③なめろう

人に出してみて気づいたのだが、一番人気はなめろう。皿についた身まで舐めるほど美味だからその名がついたとも。
材料はなんと刺身の切れ端とはいだ皮についた脂身から作る。
まな板の上で包丁でたたくと粘り気が出てくる。
それをボウルに移して、白みそと結構多めのしょうが、刻んだねぎを入れてかき混ぜるだけ。
冷蔵庫で少し寝かした方が美味しい気がする。
洒落ではないが「味変」で酢をかけて少し変性させるのも美味い。
実はアジでなくてもイワシでもブリでもできるので興味がある人は試してほしい。

まとめ

やはりアジは美味い。最初にビールだが、日本酒が欲しくなる。
さかなクンが言ってた「アジは味がいいからアジっていうんです!ギョギョ!」をいちいち納得している。
余談だが自分で捌いた際に出る頭と背骨は片栗粉をつけて唐揚げにすればビールに合うおつまみにもなる。
さらに余談だが、調理前にビールを開けるのが最も重要な工程である。

いいなと思ったら応援しよう!