Judas Priestのライヴ(12月13日㈮at EX THEATER ROPPONGI)に行ってきた日について。
人生はノリ、運で決まる。
と、勝手に思っている。
個人の努力とか、しゃにむに奮闘すれば道は開ける…という意見も悪くはないが、そもそも努力するのにも「運」がいる。
努力したくたって、勉強したくたって、その環境が無い人だっている。
家庭環境的にできない人だっているだろう。
(お前は何を書き出すのだ、これはJudas priestのライヴ・レポではないのか)
と、思われるかもしれないが、重要なことなので、書いた。
まず始めに。俺は、Judas priestのファンでは、ない。
(ファンでもないのに、1万6000円もするチケットを買ったのか!)
と思われるだろう。
では、なぜ行ったか…というと、理由が2点ある。
①「BASS magazine」で読んだIan hillのインタビューに感銘を受けたから。
②50年の長きに渡り、ROCK界を牽引してきた彼らを一目観たいという気持ち。
…この二つだろうか。
特に今回①の理由が大きかった。割合的には90%くらい(ほとんどじゃねぇーかッ 笑)。
2021年11月号のこのIan hillのインタビューは(今後の人生の指標にしたい)と思うほど、俺にとって感銘を受けた記事だった。
②はパーセンテージとしては低かったが(一度は観ておいていいバンドだ)とは思う。
もうここまでいくと、国語の教科書の「羅生門」とか、修学旅行先の「京都の神社、仏閣」みたいなもので「義務教育」の感さえある。
もう「つべこべ言わずに観ろ(もしくは聴け)」だ。
というわけで、行ってきました、最終日の12月13日(土)EX THEATER ROPPONGIに。
久しぶりに六本木に来たので(約7年前にGlen Matlock(ex SEX PISTOLS)のライヴに行ったのが最後だった)、テキトーに六本木ヒルズ周辺をブラブラして、時間を潰してから現地に向かった。
俺は、コンサート前日にチケットを買ったので、当然入場順は最後の方だった。
さて、しばらく待つと、自分の番号周辺が呼ばれたので、中に入る。
ライヴハウスの体を取っているのでドリンク代600円とかいう、ふざけた出費が出てしまう…( ꐦ◜ω◝ )
ここは地下に潜っていく構造になっていて、ステージは地下三階になる。
その前にドリンクを交換しに地下二階のドリンクコーナーへ。
そこの若い女スタッフ、二名が、スゲー態度悪かった…。
なんか(作ってやってんだ)感満載の高圧的態度で(どーしよーもねぇーなぁ…)と、思ったものだ。
ちなみに俺は、ホットコーヒーを頼んだ。
このクソ寒い日に、冷たいドリンクなんかいらねぇーよッ!笑
さて、気を取り直してステージへ向かう。
俺はスタンディングエリアだ。
この日は(余計な出費はしない)と、断固とした決意を固めていたので、リュックもロッカーに預けず、足元においていた。
さて、SEにALICE IN CHAINSの「WOULD?」が流れ、次にBLACK SABBATHの「WAR PIGS」で自然と歓声があがり始める。
VERSEのハイハット4分の刻みに合わせて、観客が手拍子を始める。
(もうここまで上がりきっていたら、演奏始めるしかないだろッ)
という雰囲気のなか、予想通りバンドの演奏が始まった。
新譜「Invincible shield」のオープニング曲「Panic attack」だ。
もうどこを切り取っても(ヘヴィ・メタルだ)と痛感させられる鋼鉄ナンバーだ。
当たり前だが、ライヴの一曲目はとても重要だ。
Judas Priestはアタマから観客を掌握するような曲を持ってきた。
続く二曲目は「You've got another thing comin'」というミディアム・テンポの楽曲だ。
24年の曲から42年前の曲に変わっても、違和感なく溶け込んでいるあたりは感心させられる。
Rob Halfordの声に不調は感じられない…どころか、とんでもないハイトーンヴォイスも難なく歌いこなしていた。
続く「Rapid fire」「Breakikg the law」も80年代の曲。
この二曲が収録されている「British steel」は、PANTERAの故DIMEBAG DARRELLが、インタビューで「未だに一日一回は通して聴く」と驚異的な発言をしていたことを思い出す。
さて、お次も80年代の曲「Riding on the wind」。
バンドのテンションは激しすぎず、一定の高さをキープしていた。
俺のお目当てのIan hillは、ステージ上手奥側に陣取り、ベースのブリッジ付近に右手をおき、職人的に淡々と弾いていた。
たまにヘッドを上げる動作をする以外は、派手なパフォーマンスなどは殆どなし。
メンバーの中では、Ianがいちばん地味に見えた。
お次は「LOVE BITES」。
やはり彼らをイメージする際は、80年代のアルバムなのだろうか。
全編通して、結構オールディーズな曲を演奏していた。
余談だがこの日は、ガールズバンドの「LOVE BITES」のメンバーも観に来ていた。
彼女たちは、おそらく、この曲からバンド名を拝借したのではないだろうか。
それにしても、このJudas priestの編成だとギタリスト二人(Richard faulknerとAndy sneap)がバンドの求心力に見えた。
(Judas priestはギターバンドなんだな…)とライヴを観て、思った。
Glenn tiptonとK.K.Downingなんて、Judasのファンでない俺でも知っている有名ギタリストだが、彼ら二人がいない穴を感じさせない。
…って、オリジナルメンバーのライヴ観たことないけど…笑
それにしても、Rob Halfordの衰えない高音の凄さはどうだろう。
この状態を維持するのは、大変ではないだろうか?
それとも彼に取っては(なぁ〜に、朝飯前さ)って、感じなのだろうか。
彼の年齢で、これだけの高音が澱みなく出せるヴォーカリストは稀有だ。
見た目は「亀仙人のジッちゃん」だけど…笑
俺のお目当てのIanは常に変わらない落ち着いたテンションで、ベースを弾いていた。
正直サウンドに溶け込みすぎていて(どの音がベースだ?)と思ったが、カフェ・オ・レのミルク成分みたいなもので(そのくらい楽曲に馴染んでいるんだ)と、解釈した。
おそらくだが、ベースを歪ませていたのだろう。
歪んだギターと帯域が被っていたのかは分からないが、よくある「ヴォ~ン、ヴォ、ヴォ~~ン・・・」みたいな(明らかにベース音)みたいなサウンドにしていなかったのが、聴き取りにくかった一因かもしれない。
・・・・・・
さて、全曲は書かずに割愛する。
めくるめく名曲のオンパレード本編締めは、Scott travisのツーバス・プレイが光る「Painkiller」。
個人的にはこの曲が収録された「Painkiller」からJudas priestは頭ひとつ飛び抜けた存在になったと思う。
Scottに限らずJudas priestのメンバーは、オーバーアクションは殆どせず、プレイに徹していた。
そこが重鎮らしくて、良かった。
とりわけこの「Painkiller」は、Scottの高速ツーバス・プレイが印象的だ。
ヘヴィ・メタルにおけるツーバスの重要性を、この曲で感じることができる。
さて、メンバーが軽く袖に掃けると、すぐさま次の曲へ(後でセットリストを見ると、ここからアンコール扱いになっていた)。
確かここで「The Hellion」という曲が演奏されていて、そのまま「Electric eye」という曲に移行してゆく流れ・・・だったと思う(うろ覚え)。
そのあとRob Halfordがまたまた袖に履けた。
しばらくすると、
「ヴォンッ・・・ヴォッヴォ~~ンッ」
という、Harley Ⅾavidsonの咆哮のようなアクセル音を轟かせて、バイクに跨ったRob Halfordが登場する。彼らのライヴのお決まりの演出だ。
そのまま「Hell Bent For the Ⅼeather」を演奏する。
Robはバイクに跨ったまま歌い続け、時にギタリストAndy sneap(だったかな?多分・・・)を鞭で打擲していた・・・笑
最後は「Ⅼiving After Midnight」を演奏して、盛大にフィナーレを飾ってくれた。
場内におこる沢山の拍手👏(*^▽^*)と、歓声を残しながら、QUEENの「We are the Ⅽhampion」をSEにメンバーは去って行った。
初めてのJudas Priestのライヴ、良かった(*´ω`*)♫
・・・しかし、俺は改めて自分がいかに(ライヴに向いていないか)を痛感することにもなった。
2時間以上、同じ場所に立ち続ける、という、この行為に、ただ(疲れた・・・)とだけ、思ってしまう自分もいた。
俺の場合、不思議なのだが、ずっと直立で立ち続けていると「足が痺れ」てくるのだ。
普通、コタツに入っていたりすると足が痺れるのは分かるが、俺は、立って同じ姿勢でい続けても痺れてきてしまう。
これは、電車で立ち続けていても、そうなってしまう。
他の人はどうなのだろう・・・。正直、あまり聞いたことない・・・(~_~)
「もうオッサンだから・・・」と、年齢に逃げるわけではない。
元々、俺は10代の頃からあまりライヴ好きな人間ではなく、自宅で音楽雑誌とかCDを聴いているのが好き・・・というインドア・タイプだった。
ライヴは「答え合わせ」みたいな感覚で行っている。
それにしても、今回の来日ツアーで『「Bass magazine」のIan Hillのインタビューに感銘を受けてライヴに行きました』という人は俺くらいではないだろうか・・・。
知らんけど(・ω・)
Ianはあのラインナップの中では、繰り返すが「いちばん地味」
だった。
だけど、堅実に楽曲のボトムを支える彼の姿は、
「厨房で生地をこねているパン職人」みたいな、目立たないけど重要なことをしているな・・・という風に観えた。
「アンパンマン」で言えば「ジャムおじさん」的役割が彼なのかもしれない。
知らんけど(・ω・)
「Bass magazine」での彼のインタビュー、どこにお前は感銘を受けたんだよ、と思われる読者の方がいるかもしれないが、それは書かない。
気になる方がいたらこちらの「Bass magazine」を読んでいただきたい。
Ianのここでの発言は(今後の人生の指標にしたい)と思うほど、俺に感銘を与え、オマケに、遠い六本木まで、わざわざライヴ観に行かせてしまうほど、力強い言葉だった。
Thank you very much for Mr.Ian Hill.
貴方のおかげで、少しだけ生きるのがラクになりました。
そして当然ながらJudas Priestの全メンバーにも、過去のメンバーにも賛辞を贈りたい。
ありがとうございました。
この記事は、ここで終わりです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
了