空の高さを思い出させてくれる夏の雲
先週は雨が続き、どんよりとした空模様ばかりだった。
空がいまにも不気味に落ちてきそうな、そんな黒黒とした膜に覆われていたけれど、雲の向こうは地上とは違って御天道様が燦々と降り注いでいると思えば、あの雨雲は地上と天との越えられない天蓋のようにも思えてきた。
今日は九州と東北以外は雨の予報だと、サイクリング中のイヤホンから聞こえてきた。
久しぶりに晴れた日。空を見上げれば先週福岡を覆っていた雲はなく、青青とした空が広がっている。
雲一つない空はそれはそれでなんだか不安になる。
あの青に落ちてしまいそうで、それでいて空が僕の頭上すぐにありそうな気がして、空の高さを忘れてしまいそうになる。
それでも、よく晴れた夏の日は背の高い雲が無数に現れてようやく空の高さを思い出させてくれる。
大濠公園のベンチに座って車輪の音やランニングの足音、葉が風に揺れる音や、たまに頭上を通過する飛行機の音を聞きながら、何処へ向かうのだろうと考えながら過ごす贅沢な午後は、空の高さを思い出させてくれる夏の雲のおかげだ。
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