DX入門編③-なぜ今DXか(前編)
あっという間に1月も過ぎてしまい、気づけば3月に突入しています。
バレンタインデーも終わってしまいました。。。
義理チョコって優しい文化ですね。
初めて逆チョコにも挑戦してみました。
いつかDXチョコなんてものも作ってみたいですね笑
さて今回はなぜ今DXが必要とされているかについて書いていきます。
発端は経産省のDXレポートなのでそれを掘り下げますが、
私見も述べてみたいので前編と後編に分けようと思います。
"2025年の崖"とは
経産省は2018年9月に発行したDXレポートで「2025年の崖」という表現を用いています。
各種課題に対応せずに2025年を迎えてしまうと、それ以降毎年最大12兆円の経済損失が発生してしまうという予測をインパクトのある表現で打ち出しました。
この12兆円というのは、各種システム周りの要因によってシステム障害が発生した場合の企業の損失額です。
またこれらの課題が解決されないと、グローバルではDX化が進んでいる状況の中で、日本企業は更に競争力を失ってしまうとの警鐘も鳴らしています。
2025年の崖はなぜ起こるのか
12兆円の損失についてはシステム障害を想定した試算であり、システム障害を起こす要因として以下が挙げられています。
レガシーシステムを起因として障害が起きる要因
①セキュリティ関連の不具合(サイバー攻撃や内部犯行による情報漏洩)
②ソフトウェアの不具合
③性能/容量不足
④ハードの故障、不慮の事故
そしてこの要因が引き起こされてしまう背景として、以下のようなものがあります。
システムで障害が起こる背景
①基幹システムの長寿命化 → レガシーシステム延命
②レガシーシステム対応人材の高齢化、引退
③IT人材不足の加速
日本情報システム・ユーザー協会「企業 IT 動向調査報告書 2016」によると、 企業が保有する「最も大きなシステム」(≒基幹系システム)が、21 年以上前から稼働 している企業の割合は 20%でした。
また本調査からこのままシステムの刷新が行われないと2025年には実に60%もの企業がレガシーシステム(※)を保有することになるとのことです。
※技術革新による代替技術が広く普及した段階で旧来の技術基盤により
構築されているコンピュータシステム(出所:ITトレンド)
またIT人材について、2020年代はレガシーシステムの技術を知る世代が退職をしていくタイミングであることと、2015年時点で17万人のIT人材不足だったものが2025年には43万人まで拡大すると予測されていることが大きな懸念となっています。
崖に踏みとどまれ
前段での説明に加え、DXレポートでは2024年の固定電話網PSTN終了や、2025年のSAP ERPのサポート終了を取り上げています(SAP ERPについては27年までのサポート延長が決定済み)。
これらは刷新の対応にITリソースが取られてしまうという警告であるとともに、基幹システム見直しに着手するのによいタイミングであるという意味合いも含んでいます。
今基幹システムの刷新に取り組み、レガシーシステムの利用をやめないとシステム障害による損失が拡大するとともに、基幹システムの刷新はDX化の土台となるためそれが出来なければ企業の競争力がグローバルで益々差を付けられてしまう状況に陥ってしまうということです。
一度この状況になってしまうと、レガシーシステムを理解している人材が更に減少し、IT人材リソースがシステムの運用に割かれてしまうため益々システム刷新の難易度が上がってしまいます。
DXレポートではこうした状況を踏まえて、国をあげて『今』DX化を進めなければならないということが述べられています。
少し長くなりましたが、「なぜ今DXか」という問いにはDXレポートを読み込むことで回答できたかと思います。
とはいえ、日本のIT化が海外に比べて遅れているということはかなり以前からずっと言われていることであり、DXと視野を広げたところでジリ貧だった日本のデジタル化が進まない状況が劇的に改善されるのか、というとそんなに簡単にいくものではないはずです。
そこで冒頭に書いたように、「なぜ今DXか」という問いに対して後編として次の記事で、私見を交えて色々と述べてみたいと思います。