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「黒川伯爵のハロウィンナイト」の系譜

◆概要◆

「黒川伯爵のハロウィンナイト」とは、死霊呪術師・黒川巧が10月31日夜にTwitter(現 X)上で開催しているハロウィンイベントである。

イベントは「黒川伯爵と名乗る闇の吸血鬼との舞踏会」という設定で行われ、参加者は“黒川伯爵”に宛てて誘い文句をツイートし、それに対し“黒川伯爵”が返信して「踊る」ロールプレイとなっている。

その設定から参加者は耽美なゴシックホラーのキャラクター設定や誘い文句が多いが「和歌を詠む極東の姫」「スパルタの若い男」「動物」等、設定は老若男女出身種族を問わない。誘い文句での参加の他にもイラストや小説、手工芸や実況といった様々な参加形態があり、「ハッシュタグをつけて呟けば誰でも参加できる」敷居の低さも人気の一つである。

ハロウィンナイトは前半と後半で大きく二つに分かれており、前半は“黒川伯爵”が参加者にリプライをして踊る「舞踏会パート」、後半は“黒川伯爵”が宿敵である“光の巫女”と対決する「アクションパート」となっている。後半のアクションパート冒頭では“星の君”の館のステンドグラスをブチ破るイベントが恒例化しており、ここだけは全体でも特にアクションコメディ要素が強い。

アクションパートのクライマックスでは“光の巫女”と“黒川伯爵”の一騎打ちが行われる。かつて神聖戦争で対決した宿敵同士の緊張感漂う意味深な会話が繰り広げられ、二人の特別な関係性と過去の因縁が明らかになっていく「黒川伯爵」という一つの物語的要素を含んだものになっている。

一騎打ち終了後に伯爵は再び棺桶の中に戻り、次のハロウィンナイトまでの眠りに就く。その後は主宰の黒川による反省会及びマイムマイムを踊る時間で、参加者達が感想を述べたり踊ったりする和やかな雰囲気の中でハロウィンナイトはお開きとなる。

イベント中のやりとりは基本アドリブで行われ、舞踏会パートでは“黒川伯爵”の当意即妙の返信に驚かされる事も多い。“光の巫女”“星の君”“黒川伯爵”の三者によるアクションパートでは「自分の知らないキャラクター設定が相手により追加される」等の思いがけないアドリブ合戦が繰り広げられるため、主催者側も全く予想がつかない展開と結末になっている。


◆ハロウィンナイトの歴史◆


【2012年】

ハロウィンを一人で過ごす予定の黒川に、盟友であり宿敵である藤村シシン氏からハロウィン用のTwitterアイコンが贈られた。

喜んだ黒川は早速アイコンを変更して吸血鬼になりきり、冗談の分かりそうな知り合いにTwitter上で声をかけ始めた。(この時最初に声をかけたのは後の“ピュコスの君”こと、磯宮わかめ氏)

ハロウィン本番。吸血鬼になりきった黒川の文章力と生き生きとした様子に「本当にあの黒川さんなの…!?」と驚愕の声が上がった。

19時開始、優雅な誘い文句、クライマックスは藤村との一騎打ち等、内容は現在のハロウィンナイトとほぼ変わらない。この頃は“黒キュラ伯爵”と呼ばれており、藤村も“藤村シシン”として迎え撃っていた。舞踏会も「冗談に付きあって頂けそうな方の窓辺に参上させて頂きます」という形で、現在主流の「伯爵城のダンスホール」が舞台ではなく「伯爵の方から訪ねて行く」形式だった。

一騎打ち終了後、日付が変わっても踊り続ける伯爵だったが、星野香菜彦氏(のちの“星の君”)の手で棺桶にねじ込まれた。強気な“星の君”に対して若干及び腰な伯爵、という二人の関係はこの頃から確立されている(基本的にTwitter上の普段のやり取りを踏襲した性格付けになっている)


<タイムテーブル>
19時01分:棺の蓋が開きイベント開幕
21時57分:藤村、黒キュラ伯爵と対峙
01時46分:日付が変わってもハロウィン気分だった為に星野により強制終了となる


【2013年】

3月14日ホワイトデー。この日、バレンタインデーのお返しをするべく伯爵が目覚める。「僕の事は高貴なる吸血鬼、黒川伯爵とお呼び下さい(震え声)」と名乗り、以降“黒川伯爵”が定着する。

10月31日、アイコンをハロウィン仕様に変更&デコレーションしてハロウィンの挨拶をする伯爵。この回から藤村による「説明しよう!!」の黒川伯爵紹介カットインが加わる。耽美な言葉を参加者に送り続ける伯爵に対し、参加者達もまたも機知に富んだ文句を次々に返し「文字を使った仮装舞踏会」という表現に相応しい様相を呈していく。

星野香菜彦(この年は「男勝りのプリンセス」と呼ばれた)の屋敷にステンドグラスを割って侵入するのもこの年が初。ステンドグラス割りは後に「池田屋事件の階段落ち」に例えられるほどの人気恒例行事化していく。

藤村は昨年同様に“藤村シシン”として伯爵を迎え撃ったが、会話は伯爵に合わせた古風な言い回しになっている。

<タイムテーブル>
20時12分:棺の蓋が開きイベント開幕
22時41分:星野、ステンドグラスをブチ破られる
22時49分:藤村、黒川伯爵と対峙
00時11分:イベント閉幕(棺は閉まらず、終了の挨拶のみ)


【2014年】

10月31日の日付変更後すぐに告知を出し、早速淑女達に挨拶を始める伯爵。藤村シシンも“光の神を奉じる巫女”として、アイコンをハロウィンデコレーションして迎え撃った。星野香菜彦氏も“星の君”と呼ばれるようになり、“菊の君”こと金田淳子氏もこの年初参加。

昨年に続きステンドグラスが破壊されるも、事後報告のみのあっさりしたものだった。

クライマックスでは伯爵が光の神殿に乗りこみ“巫女”と対峙する。「かつて神聖戦争で戦った光の巫女と吸血鬼の伯爵」という二人の設定が固まり、現在のハロウィンナイトの形はほぼ完成する。

藤村が黒川とのTwitter上のやりとりをTogetterでまとめていた事もあり、この頃からイベント参加者が非常に多くなる(呪術や錬金術のまとめから黒川をフォローした人は突然の豹変ぶりに動揺を隠しきれなかったという)。

そのため舞踏会の最中「最悪キャンプファイヤーを囲んでのフォークダンスになる事をお許し下さい」とことわりが入り、踊る事が出来なかった人に対して後日詫び状が一括返信された。

<タイムテーブル>
20時55分:棺の蓋が開きイベント開幕。しかし既に日付変更した頃から声をかけていた
21時12分:星野、ステンドグラスを強化ガラスに変更するも破られた
23時47分:巫女、黒川伯爵と光の神の神殿で対峙
00時42分:棺の蓋が閉じイベント閉幕

この様子は「黒川伯爵のハロウィンナイト~血と愛に飢えし吸血鬼2014~」というタイトルで藤村の手によりまとめられた。以降「黒川伯爵のハロウィンナイト」という名称が定着する。



【2015年】

2月13日、藤村が黒川宛のチョコレートを買っていなかった事が発覚し、“黒川伯爵”が目覚める。アイコンを「チョコより愛」でデコり、バレンタインデーを楽しむ人々を訪ねて廻った。

ハロウィンナイトではなく番外的な位置付けだが、「キャンプファイヤーを囲んでのマイムマイム」を本格的に行ったのはここから。

また、この日“星の君”を訪ねる際に珍しくステンドグラスを破らず扉をノックした。

10月31日、ハロウィン本番。この回より共通ハッシュタグ「#黒川伯爵」が用いられる。

伯爵と参加者との凝った言い回しや引用を藤村が解説するようになり、次第にその様相は早押しクイズのようになっていく。

バレンタインデーで学習したかと思いきや、この日ステンドグラスが再び破壊される。この頃から徐々にステンドグラス破壊の様式美が整い始めた。

クライマックス、思いもよらぬ伯爵の態度に“光の巫女”は動揺を見せ、二人の関係がただの敵対関係ではなく複雑な感情を含んだものであることを伺わせる。

参加人数は前年を大きく上回り、リプライの多さに黒川が藤村に電話していた舞台裏がバラされた。

元からPCや回線の環境に難のあった黒川はTwitterが表示できず何度も強制終了を繰り返し、黒川より環境に恵まれているはずの藤村や星野ですらTwitterが不調になるほどの盛況ぶりだった。黒川は早朝まで返事を続けるが、返信能力を超えるリプライの多さ故に全員に返信できない事を謝罪した。

<当日タイムテーブル>
19時01分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
22時14分:星の姫君宅のステンドグラス破壊
23時47分:光の巫女、黒川伯爵と光の神の神殿で対峙
00時49分:棺の蓋が閉じハロウィンナイト閉幕


【2016年】

10月28日、“黒川伯爵”からの招待状がTwitter上にアップされる。「我が城にてお待ち申し上げます」と書かれ、参加者が伯爵の城に集まる形式になった模様(だが「窓辺に参上する」という言い回しも使われており、必ずしも城で踊っているとは限らない)

この回ではオープニングイラスト(原案:黒川巧 作画:藤村シシン)による演出が加わり、一段と豪華な趣向になっている。黒川、藤村両名はTwitterアイコンだけでなくプロフィールもハロウィン仕様に変更する徹底ぶりを見せ、その気合いの入れようにハッシュタグは開幕直前から盛り上がりを見せる。

参加者と伯爵とのやり取りも絶好調で、解説をする藤村が戸惑うほどに幅広い分野からのウィットに富んだ言い回しが用いられた。

アクションパートではステンドグラス破壊時にその様子の漫画(作画:星野香菜彦)がアップされ、より一層派手さとコミカルさの増した演出となった。(後日「障子紙だったパターン」もアップされる)

クライマックスの一騎打ちでは予想外にロマンチックな二人の会話に参加者の緊張は高まるが、最後の最後で藤村が解説ミスをして素に戻るという、ある意味この二人らしい幕引きで終了する。

ハッシュタグがトレンド入りするほどの盛況と同時に伯爵のPCと回線は不調となり、舞踏会最中にも返信の遅さを謝罪。“光の巫女”との最終対決終了後に「延長はいりまーす」と宣言し、日の出の時刻まで返信を続けた。

「菊の君&韓馥(かんふく)さん」「地獄の宮廷画家(江口カイム氏)」はこの年からの参加。光と闇の戦いに極東勢、地獄勢と更なる立場を持った人物が加わっていく。

<当日タイムテーブル>
19時02分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
23時32分:星の君宅のステンドグラス破壊
00時19分:光の巫女、黒川伯爵と光の神の神殿で対峙
01時29分:黒川伯爵「延長はいりまーす」  Twitterトレンド入り
06時16分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕


【2017年】

10月23日。“黒川伯爵”からの招待状がTwitterにアップされ「今年もこの季節がやってきた」「ドレス(誘い文句)の準備をしなければ」と、Twitterに集いし闇の眷属達の間に期待と緊張が高まる。

参加者の語彙力やセンスも年々高くなり、言葉だけではなく闇陣営、光陣営、極東の民、動物、実況勢……と思い思いの立場に扮する者が増える。伯爵を買収しようとする地獄勢やひらがなで可愛らしい挨拶を行う少女等の個性的な参加者が登場する中でも特に“スパルタの若い男”はそのインパクトと巧みな詩の引用で話題となった。

ステンドグラス破壊時には星野香菜彦による「ヴァグナリウム不可視の夕暮れ」(黒川の創作物語)とのコラボレーション漫画が登場。まさかの展開と
コメディ色の強い派手なアクションに場は大いに賑わった。

クライマックスで“光の巫女”は伯爵の言葉の真意が分からず「待ってまだ来ないでググってる!!!!」と素の状態で調べ始め、参加者の考察が飛び交う中で対決を迎えた。

昨年同様、Twitterトレンド入りを達成するも伯爵の返信は遅くなり、参加者から「青い鳥(Twitter)は大丈夫か」「城(PC)は燃えていないか」と案じられる中で伯爵宛にTwitter社から「炎上ではないか」と警告が来ていた事が発覚。

その後も「城が炎上」「城を再起動」「城が凍結」と不穏なパワーワードが連発される。“光の巫女”との対決後に謝罪と共に延長戦のアナウンスが入り、翌11月1日夜、延長戦第二夜スタート。終了後、黒川は「新しい城を買います」と宣言した。

<タイムテーブル>
10月31日
18時59分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
23時23分:星の姫君宅のステンドグラス破壊
00時34分:光の巫女、黒川伯爵と光の神の神殿で対峙
01時37分:城のたびたびの凍結&再起動により、延長戦のアナウンス

11月01日
19時19分:居城が燃えた事を謝罪。延長戦開始
00時05分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕


【2018年】

「舞踏会のために新しく建てたMacBook Pro城の堅牢さと、広々とした16GBのダンスホールをお目にかけましょう」という頼もしい言葉を受け、闇の眷属達が続々とTwitterに集う。

ハロウィンナイト当日。“林檎の城”のダンスホールは開始一時間で四人と踊る快調な滑り出しで、「今年こそは大丈夫か?」と参加者の中にも安堵の空気が漂う。踊り手には淑女達の他に昨年場を沸かせた地獄勢やスパルタの君も参加して舞踏会は賑わいをみせる。

23時を過ぎた頃から「そろそろステンドグラスだ」と参加者達が囁き出し、今年は一体どんな趣向なのかと期待と緊張の高まる中で無事にステンドグラスが破られる。だが城内に“星の君”の姿はなく、置手紙が一枚あるだけだった。その予想外すぎる展開にハッシュタグは沸き立ち、昨年に続きトレンド入りを果たす。

クライマックスのやりとりのではダブルブッキングした藤村をハロウィンナイトに参加できるようにした古代ギリシャナイトメンバーへの謝辞が述べられた。

反省会で「城(PC)は最新だったがそこに至るまでの道(ネット回線)が貧弱だった」と、ほとんど返事ができなかった事を謝罪。「2時には寝なさい」という“星の君”の言葉に従い、延長戦を行わずお開きとなる。

<タイムテーブル>
19時00分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
23時44分:星の姫君宅のステンドグラス破壊
00時13分:光の巫女、黒川伯爵と光の神の神殿で対峙
01時22分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕


【2019年】

藤村シシンによる「黒川伯爵ハロウィンナイトの歴史」という説明カウントダウンで迎えたハロウィンナイト。

現実で城が燃える事件の起こった直後でもあり、昨年まで使用していた「城の炎上」という表現を別の言い回しにするようアナウンスが入る。

平日にも関わらずある者は仕事を定時で切り上げ、ある者は有給を取って年に一度の舞踏会に参加。きらびやかな美辞麗句が披露される中、「折り句」を互いに詠み合った“極東の歌詠みの君”とのやりとりに驚きと称賛が集まる。

他にも立体造形を披露する者やステンドグラス職人等、参加者達が思い思いにその才能を発揮する場となった。その最中、伯爵から「城の底が抜けて凍っている」と謝罪が入り騒然となる。伯爵の身を案じると同時に「やっぱり」と納得する声もあった。

舞踏会パートも終盤、誰もがステンドグラスを気に掛ける中で「誰を応援しますか?」と参加者による四択アンケートが取られ、時間帯も相俟ってか黒川伯爵・光の巫女・星の君の三名を差し置いてステンドグラスがぶっちぎりの票を獲得する珍事が発生。

その期待に応えるかのように“星の君”もアイコンをデコレーション。例年以上の規模と盛り上がりのステンドグラス破壊イベントとなった。

クライマックスは光の神殿ではなく“星の君”の館で行われ、“光の巫女”は「光の有給」を使い「光のお泊まり会」を行っていたと発言。眩しすぎるパワーワードに笑いとツッコミの絶えない最終決戦の様相となった。

終了後、昨年同様にあまり返信が出来なかった原因が自身のタイピングの遅さとTwitterの仕様変更にあると謝罪。後日、「#黒川伯爵 のハロウィンナイト2019~復讐のステンドグラス~」が藤村の手によりまとめられ、来年に向けて場所やタイムテーブルを検討すると発表された。


<タイムテーブル>
19時00分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
23時48分:星の君宅のステンドグラス、紳士的にブチ破られる
00時46分:光の巫女、黒川伯爵と星の君の館で対峙
01時21分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕


【2020年】

コロナ禍により数々の祭りが自粛され「ハロウィンパーティーもオンラインで」と呼びかけられる中で送られた開催告知

今回のサブテーマは『香り』。文字で踊る舞踏会で一体どのような『香り』を纏えばいいのか……浮足立つのは参加者のみならず、黒川伯爵も開催前からTLにフライングしていた

46年ぶりのとなる満月のハロウィン。ブルームーンの下で人々は思い思いの美辞麗句のドレスに着飾り舞踏会へと参加する。今年は「香り」がサブテーマであることから花や香水等を誘い文句に織り込む者多数。そして伯爵もまた「香り」で応える。

ハロウィンナイトに寄せたイラストや文章、写真も次々に投稿され「ついに今年もこの日が来たか……!」と喜びを分かち合う参加者。だが、そんなダンスホールの一角で、新たなる勢力が現れた。

新勢力「飯テロ部隊」によりダンスホールの一角には美味しそうな匂いが満ち溢れ、優雅なダンスを眺める合間に我も我もとお茶やお酒、お菓子や軽食に始まり果てはスパゲティ、ピザ、ラーメン、海鮮丼……と思い思いに御馳走を並べていった結果、時間帯も相俟って空腹に七転八倒する者が多数現れた。

その一方で美しい花を飾る者も現れ、TLは花の香りと美味しそうな匂いに包まれていく。

そして伯爵が九曲目を踊る頃、TLがざわめき出す

過去、あれだけ悩まされて来た城(PC)や道(回線)、青い鳥(Twitter)の不調も報告されず嘘のように次々と踊り続ける伯爵。あまりの軽やかさに「ブルームーンで伯爵にバフがかかっているのではないか」という説も出る。

そしてステンドグラス待機の中で“星の君”は請求書を用意して待機。「グワッシャアアアアアアーーーン!!!!」の音と共に“礼儀正しくノック”して入り“星の君”の手を取る伯爵。だがそれは“星の君”による巧妙なトリックだった。

観客の熱気と甘い香りに包まれる中、満身創痍の伯爵は“光の巫女”の元へ。聖域が血で穢れる禁忌を犯さぬ為“光の巫女”は聖域前で伯爵と対峙する。その一方で観客達の間では「神殿へと向かう黒川伯爵のBGMは何か」という話題で盛り上がっていた。

そしてハロウィンナイト終了後、マイムマイムタイムでまさかの後日談が

2020年のハロウィンナイトも盛況のうちに幕を閉じた。なお、そのまとめは「招待状・全編・後編」というボリュームでまとめられている。

https://togetter.com/li/1613538

https://togetter.com/li/1628608

https://togetter.com/li/1627469

<タイムテーブル>
19時01分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
23時52分:星の君宅のステンドグラス、“礼儀正しくノック”される
01時41分:光の巫女、黒川伯爵と聖域前で対峙
02時41分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕



【2021年】

続く残暑の後の一瞬の秋、そして突然訪れた冬の寒さ。目まぐるしい季節の変わり目の最中にも伯爵からの招待状はきちんと届けられる

木々が色づき、店頭がオレンジと黒に彩られ、陽気なカボチャが並び出す十月。もはや風物詩となった黒川伯爵からの招待状に一斉に沸き立つ闇の眷属達。今年のサブテーマは『色彩』。美辞麗句に自信のある人もない人も当日を心待ちにした。

そして迎えた十月三十一日。日曜日開催という事もあり大勢の参加者が自慢のドレス(美辞麗句)でダンスホールを華やかに彩った。

黒川伯爵のアイコンイラストも一新。

サブテーマ『色彩』に因んで様々な趣向を凝らした「色」を織り込んだ誘い文句に対し、伯爵もまた「色」を織り込んだ見事な返事をして参加者を魅了する。

昨年参加者の空腹に猛威を振るった新勢力「飯テロ部隊」は独立タグが出来てしまうほど。見目麗しい菓子やドリンク、ボリューミーな料理の数々で人々を魅了した。イラスト、小説、詩、写真、手芸品……参加者達は思い思いの方法でTLを彩っていく。

参加者達の交流も盛んになっていき、料理を食べ歩く謎の人物、うっかり毒草でドレスを染めてしまった姫君等、会場のあちらこちらで様々な物語が展開されていった。

途中、リプライの多さ故に伯爵の通知欄が破滅し一時危ぶまれもしたがその後も軽やかにダンスは続いていく。

今年の伯爵は実況席や飯テロ勢等ダンスホール以外の人々にも声を積極的にかけるトリック・オア・トリート精神を発揮。人々を驚きと興奮に包み込み、踊った客人の数は二十人という新記録を達成する。

そして伯爵自身がステンドグラス待機をする中で訪れた“星の君”の館への訪問。時刻は24時、観客がヒュプノスの誘いと戦う中でついにその時は訪れた。

ある者は「優しくノック、とは」と悩み、ある者は割れたかけらを集めようと駆けまわり、ある者は深夜までステンドグラスを準備し続けた職人へ思いを馳せる。

「ヴァグナリウム不可視の夕暮れ」からの客人、そしてその幻術の美しさに観客達は歓声を上げるが、幻のステンドグラスを割っただけで終わるはずがない。更に別の客人が……そして黒川伯爵自身による衝撃の展開にツッコミの追いつかないステンドグラスタイムとなった。そしてそのまま光の神殿へ赴くかと思いきや、なんと既に会場内にいた“光の巫女”の姿を伯爵は捉えていた。

闇の眷属、ステンドグラス職人、大工、実況……大勢が固唾を飲んで見守る中、衝撃的な事実が“光の巫女”から告げられる。

耽美でゴシックな雰囲気に颯爽と登場したCMKY&RGB。サブテーマ『色彩』に相応しいものである……が、そのインパクト故に「RGBって印刷屋にいい顔されない(時々断られる)やつ」「同人誌印刷の話かな」とうっかり現世(現実)に引き戻されてしまう参加者が続出。爆笑と混乱の中での光と闇の最終決戦となった。

終了後、#黒川伯爵 タグの取得漏れについて謝罪。来年に向けて様々な対策が考えられる事となった。

なお、今回のTogetterまとめは黒川氏の正式な依頼を受け、このnoteの筆者である私が行わせて頂きました。

<タイムテーブル>
19時01分:棺の蓋が開きハロウィンナイト開幕
00時01分:星の君宅のステンドグラス、“優しくノック”される
01時05分:光の巫女、黒川伯爵とダンスホールで対峙
02時07分:棺の蓋が閉じ、ハロウィンナイト閉幕


【2022年】

世間にカボチャの提灯やオバケのイラストが溢れ始める頃、闇の眷属達の心は浮き立っていく。招待状を今か今かと待ち望む中で、“黒川伯爵”こと黒川巧氏からの通達が。

これまで共に盛り上げてきた“光の巫女”こと藤村シシン氏の多忙により今年のハロウィンナイトをお休みするとのお知らせが。知らせを受けた闇の眷属達は驚き、残念に思いつつも二人の旅路を祈り、その道中に思いを馳せる。

今年のハロウィンは静かな夜になるかと思いきや、闇の眷属達の間で「自分達だけでもハロウィンナイトの舞踏会をしないか?」という声が上がり、その結果ハロウィン当日は予想外の人数が集う事となった。

互いにダンスに誘い合い、御馳走を並べ、アトラクションで盛り上がる……例年以上に参加者同士の交流が盛んに行われ、いつもとは一味違う賑やかなハロウィンナイトとなった。

なお、旅先から覗かれていた模様。

今回のTogetterまとめもこのnote筆者である私が作成させて頂きました。

【2023年】

Twitterの名称がXとなり、青い鳥も姿を消した2023年。不安定な環境下の中で迎えたハロウィン。

大勢の人々がリアルタイムで交流する舞踏会を行うには現在のXでは適切ではないとの判断により、ハロウィンナイトの中止が伯爵より決定された。

また、“光の巫女”こと藤村シシン氏も古代ギリシャ研究家として多忙を極めており、その体調を慮ってハロウィン当日は休養を取って欲しいと進言

ワークがホリックしていない光の巫女はハロウィンの夜に休養を取り、闇の眷属達は伯爵の理念に適う会場で再び踊る事を夢見つつ、ダンスホール(#黒川伯爵)でささやかな宴を楽しんだ。


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