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シャーマンキングをおすすめする理由

はじめまして。しょうゆと申します。

好きなまんがはいくつかあるんですが、再アニメ化の話題が出たシャーマンキングについてその魅力を簡単に綴りたいと思います。読んでない方が興味をもっていただければ嬉しいですし、ほかのファンの方とあーでもないこーでもないと交流できたらいいなとも思ってます。


前書き

さて、シャーマンキングです。再アニメ化が発表されて、昔からのファンは歓喜に沸き、良く知らない人はどんな作品だろうと思っているのではないでしょうか。

私がけっこう小さいころの作品で、最近では知らない人もいると思います。なぜ好きか?と言われたらその理由の大部分が「一番最初にはまった長編漫画だから」ということになってしまいます。誰にでも経験はあると思いますが、いわゆる刷り込みというやつですね。でもそれを言ったら元も子もないし、非常に個人的な理由になってしまうので、他の理由をいくつか挙げようと思います。お付き合いください。


① 大きな武器と少年の組合せ。デザインがカッコイイ

作者の武井先生は車やガンダムなどメカデザインが好きで、過去にデザインコンテストで賞をとったりしています。マンキン(シャーマンキングの略称。以下マンキンとします)連載中には車の漫画、連載後の次の作品は重機をモチーフにしていました。長期連載をしていない時期はカードゲームのイラストを描いたりもしてました。そんなデザイナー顔負けのメカや武器はカッコイイです。このいかつい武器と華奢な少年の対比が非現実的でたまらないんです(図1)。

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(C)武井宏之
(図1)ごつごつした武器をまとうキャラクターのデザインがカッコイイ

あるいは、おおきな霊を出して戦ったりもしますが、大きいパートナーをあやつる小さい少年、みたいな構図は万国共通で人気だと思います。バトル漫画好きな方は思い当たる節があるんじゃないでしょうか?そういう方はたぶん好きだと思います。


② ゆるーい空気感が癖になる

ジャンプのバトル漫画で90~00年代といったら、だいたいは主人公がガツガツしてる熱血系か、クールでかっこいいがどっちかです。今でこそ、ちょっと弱気だけどやるときはやる、みたいな主人公が増えてきましたが、当時は珍しかったと思います。

マンキンの主人公の葉くんは、意思はしっかりしていてちゃんと目標をもっているけれど、目立つのが苦手で、ガツガツしてないし、ときにあっさり諦めたりするし、強いほうだけど一番じゃなくてそこそこ(公式によると、作中で10何番目です)っていうけっこう異色の主人公です。(図2)


また、戦いのシーン以外でキャラ同士が仲良くしてる描写は割とほかの漫画でもありますが、作品全体を通してそういった雰囲気が強いです。

例えばワンピースの麦わらの一味は普段はコント集団みたいなハイテンションですが、マンキンでは田舎の実家に集まった親戚みたいなゆるいテンションです。舞台が現実の東京だったり、やたらと畳の部屋だったりするのもその雰囲気を助長してますね。戦うんだけど戦いだけがメインじゃないみたいな空気があります。


その辺が当時の、ガツガツ系が苦手な年少層を取り込んだんじゃないかと思ってます。二次創作も、やってる層を見ると年齢層が若いです。

イラスト5

(図2)主人公がまったりしていて恐妻家


③ 多様な宗教・神話がモチーフ。その設定は独特

これはマンキンをマンキンたらしめている要素だと思います。

昔から日本では、漫画に限らずゲームやフィクションもののキャラ設定には神話や宗教をモチーフにしたものが多いと思います。天使や十二支や武将がモチーフだったり、古いゲームの主人公の名前がやたらとヤマトとかタケルだったりしますね。

ただ、ここまで世界の色んな宗教や神話の神様や精霊をまんべんなくバトル漫画のメイン要素にした少年漫画はあんまりないんじゃないかと思います(図3)。日本神話だけ、中国の歴史だけというのなら他の作品でもありますが。それも、デザインのモチーフにするだけでなく、史実設定のまま、あるいは実際の絵画や彫刻の姿を大部分残して登場させるというのは少年向けには非常に珍しいです。当時の私はここから神話や宗教になんとなく興味をもって真・女神転生(※1)に嵌ったりしました(作品の時系列的には順序が逆ですが、、、)。

最近では、FGOが過去の偉人たちを美少女キャラクター化してヒットしているのは似たような方向性を感じます。私は海外の歴史や文化にちょっと興味があったりしますが、もしかしたら年代的にはシャーマンキングがきっかけのひとつかもしれません。

画像3

(C)武井宏之/講談社
(図3)画像のメインキャラだけで日本(神道、仏教、陰陽道など)、アイヌ、中国(道教、密教)、アメリカ(アメリカインディアン)、中南米(マヤ、アステカ文明)、イギリス、フランス、イタリア(キリスト教)(古代メソポタミア)などごった煮。世界史、宗教好きなら気になるのでは

※1: アトラスのRPG。世界中の神話に登場する神々や悪魔と闘い、仲間にもできる。ペルソナが好きな人は聞いたことあるのでは?機会があったらこれについてもどこかで書きたいです
http://shin-megamitensei.jp/


武井先生は連載デビュー作の仏ゾーンでも仏像モチーフの漫画を描いてました。ご実家は円空仏が身近な町で、育った環境的に仏像のデザインは身に沁みついていたようです。葉くんの許嫁アンナが青森出身な設定もそこに由来します(※2)

※2:出展:JR東日本「トランヴェール」
https://www.jreast.co.jp/railway/trainvert/
2017年8月号。表紙にでかでかとアンナのイラストが載っている青森の特集号で、結構ガッツリ武井先生の出自が書かれています


④ 作品の一番のファンは武井先生自身

色々述べましたが、①~③はいずれも武井先生が好きでやってることに思えます。連載当時は差別化をはかって生き残る意図があったのかもしれませんが、にしても売れることだけを狙ったらもうちょっと違う方向に行ったのではと思う要素が多いです。仕事と割り切って描いておられる方の作品はもっと淡白な雰囲気が伝わってくるものと、少なくとも私はそう思っています。


あと、おまけ漫画やスピンオフや、本編と無関係な設定・物語も多く、武井先生の他の作品のキャラクターが漫画に出てくるみたいな現象も起きます。(図4)

これは自分のキャラに思い入れが強い作家さんにはありがちな現象で、例えばヒロアカには堀越先生の連載デビュー作の逢魔ヶ時動物園のキャラがデザインを変えずにそのまま堂々と出てたりします。武井先生の場合は普通に商業で続編やサイドストーリーをやたらと描いていて、もう公式が二次創作してるんじゃないかって雰囲気です。この前のシャーマンキング展や今回の再アニメ化など、武井先生自身が自分の作品が大好きで、プロジェクトを推し進めた雰囲気がありますね。そのへんのオタクっぽさが同類の人間を惹きつけてやみません。

イラスト7

(C)武井宏之「ITAKOのANNA」
(図4):メインキャラのアンナはデビュー作や仏ゾーン、続編でもイタコのアンナとして登場。これらは別人物の設定


以上、私がシャーマンキングをおすすめする理由です。
共感いただける方なら、たぶん気に入ると思うので読んでみてください。


余談ですが、過去のマンキンのアニメ監督は鋼の錬金術師1期などで有名な水島精二監督です。鋼の錬金術師のアニメは2種類ありますが、1期は雰囲気が暗く絵が艶っぽい点が魅力で、マンキンのアニメにもなんとなくその雰囲気が感じ取れるところがあります。マンキン声優さんでは朴璐美さんが有名ですが、メインキャラにコナン君や哀ちゃんが居たり、そういう面でも楽しいです。キャストを変えるなとは言いませんが、新作も願わくばそういう楽しい雰囲気で観られる作品になるといいなあと思ってます。


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