昭和以降の世代も気づき始めた『美空ひばりの凄み』プロをも驚愕させた、ひばりの声、耳、眼…!
放送100回目となる4月7日のテーマは、節目に相応しい「美空ひばり特集」。テレビではこれまでにも数限りなく特番が組まれている、まさに「鉄板」のテーマですが、近年では動画サイトでも美空ひばりさんの生前の姿や歌声が見聞きできるようになったことから、昭和世代以降の若い世代もその天才性、カリスマ性に気づき、新たなファン層を獲得しているようです。
そこで今回は、ランキング曲をカバーして下さった森進一さん、島津亜矢さん、市川由紀乃さんに、同じプロの歌い手から見た『ひばりさんの凄さ』について語って頂きました。
歌手泣かせの『裏声』
カバーした市川由紀乃さんも「本当に難しい」と漏らしたのが、第一声目からハイトーンの裏声で始まる『哀愁波止場』。作曲をした船村徹さんは、ひばりさんの新しい面を引き出すためあえての挑戦に出たのですが、ひばりさんの母は大反対、「こんな曲は歌わせられない」とクレームが。
しかし、ひばりさんは船村さんの期待通りに美しい裏声で歌いこなし、結果的に大成功となったのでした。
人間離れした『聴覚』
ひばりさんには聴覚の鋭さに関する伝説もあります。かつて新宿コマ劇場でショーを行なっていた時のこと、客席の大歓声が響く中、「イントロと歌の間にノイズがある」と気づいたひばりさん。音響スタッフに指摘するも、専門家が何度チェックしても確認できず。結局、4日がかりで調べた結果、スタジオブースのドアノブが「カチッ」と鳴る音が入っていたことが判明。ひばりさんは、専門家が「聞こえるはずがない」と断言するかすかなノイズも妥協しない、超人的な聴力とプロ根性の持ち主なのでした。
あのヒットメーカーを凌ぐ『選球眼』
秋元康さんの作詞であり、平成元年に発売された『川の流れのように』は、若い世代にとって最も親近感がある曲の1つですが、そこにもひばりさんのプロとしての凄さを物語るエピソードがあります。
「川の流れのように」はもともと秋元氏が全曲プロデュースしたアルバム「不死鳥パートll」に収録されていたものですが、その中からシングルカット曲を選ぶ際、当初、秋元氏は「ハハハ」という曲を想定していました。しかし、ひばりさんが「この曲にしてちょうだい」と指定したのがこの曲。
2019年のデータでは、「川の流れのように」は205万枚を突破し、ひばり史上売上1位に。ひばりさんの選球眼に間違いはありませんでした。
そんなひばりさんの数々の伝説が語られる4月7日(木)よる9時の放送をどうぞお楽しみに!
ゲスト:森進一 島津亜矢 市川由紀乃
構成作家 工藤ひろこ