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全ては、その一通から始まった。~終わりの始まり編〜

大学2年の夏の終わり。
その日はビラ配りのバイトをしていた。

時給1,500円。配り終わったら帰ってもOK。
なかなかの好条件である。

マンションが同じだった友達と始めたバイトだ。
その日も惰性でバイトをこなし、予定よりも2時間近く早く配り終えて帰路につく。

帰りのバスの中でなんとなくInstagramを開いた俺は、知らない人からメッセージが来ていることに気づいた。

「誰だこの人?」
プロフィールを確認すると、うちの大学からそれなりに近い大学の人だった。
どうやら年齢は1つ上らしい。

「まあ挨拶されただけだし、いいねだけ付けとこ」
メッセージにダブルタップしてハートマークだけ付けておくことにした。

10分後。
「いいねありがとうございます!ハイライト見ました!筋トレ好きなんですか?」

会話終わったつもりだったんだけどな。
また何か連絡してきたよ。

「そうですね。たまにトレーニングしてます」
「そうなんですね!僕も筋トレ好きです!」

「サークルとか何か入られてるんですか?」
今度は話題を変えて質問してくる。
「一応バスケのサークルで代表してます」
「書いてますね!めっちゃいいですね!!」
(分かってるならわざわざ聞くなよ)

「あ、そういえば、僕のハイライトとかって見てくださったこととかありますか?」
なんともまた唐突だ。
ハイライト?
そんな興味もない人のハイライトなんて見るわけないだろ。

「見てないです」
「何が書いてあるんですか?」
「僕がしているwebマーケティングについて書いてあります!」

まあなんか名前だけは聞いたことあるな。
何を隠そう当時の俺は、ブログを独学で始め、挫折したてほやほやだったのである。
webマーケティングという言葉だけはなんとなく聞いたことがあった。

これまでにこういった副業やビジネスやってますっていうDMは何通も来ていたが、全てフル無視していた。
だってねずみ講とか詐欺とかあるじゃん。

なんでその日はちゃんと会話を続けていたのか、今でも分からない。
一旦会話を始めてしまった人を無視するのも忍びなかったのか。
それともwebマーケティングとかいう聞き覚えのある言葉に反応してしまったのか。
考えてもその答えは闇の中だ。

「webマーケティングやられてるんですね」
「見ていただけましたか?」
「ちょっと前にブログかじってたので、ちょっと聞き覚えがあるだけです」
「あ、そうなんですね!!」
「自分で調べてやられたんですか?」
「調べてやったけどよくわかりませんでした」

もしかしたら、ブログに挑戦してただ時間とお金だけを無駄にした「だけ」という事実が気に入らなかったのかもしれない。
自分だって知ってますよと言いたかっただけかもしれない。
気づけば自分の過去を顔も知らない人にペラペラと喋っていた。

「なるほど、そうでしたか。自分の好きなことや得意なことでやればOKです」
「もしよろしければ、webマーケティングの仕組み的な部分だけでも詳しくお聞きになりますか?」
「ちょっと気になります笑」

教えてくれるなら話だけでも聞いてみるかな。
「文章だけでお伝えすることは難しいので、実際に仕組みなどをお見せしながらお話しすることは可能ですか?」
あ、そういう感じ?
会うのはちょっと怖いな。

まあ同じ大学生だから、話だけでも聞いてみるか。
そんな軽い気持ちで、俺はこのオファーを承諾した。

このメッセージから、俺の大学生活は大きく狂い始めた。
終わりの始まりっていうやつか。
続く。




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