特別展「ルーヴル美術館の銅版画展」(八王子夢美術館)
版画や銅像って、「作者」としてクレジットされてる人が必ずしも実際に作っているわけではなく、別の専門業者が作っていることも少なくないというのは最近知ったこと。
浮世絵版画も別に北斎とかが木を削っていた訳ではないのは聞いていたけど、銅像とかも職人さんが作ってたと知った時は「あらそうなの」とけっこう意外だった。
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最初から版画として制作されたものもあれば、オリジナルの複製として量産しより多くの人々に見てもらう(買ってもらう?)ものもある。写真もコピーもない時代だ。職人技に頼る他ない。
今回展示されてるルーヴル美術館の版画は以下の趣旨で制作されていたそうだ。
会場で実際にものを見てみた(写真撮影不可)。ルーヴルの名画の版画は、精密によく出来ているとは思うけど画家本人が彫ったものではないからやっぱり微妙に違うよね。
ちなみに会場では虫眼鏡が貸出されていた🔍️
ここにあるものはルーヴル美術館専門の彫り師集団が制作したもの。館内のビデオでその版画専門家が実際に銅板から版画を刷る過程を見せてくれた。いやはや大変な手間掛かってるね。
一度薬品で(原版の保護のために塗ってある)ニスを取り洗浄して、インクを塗り表面をていねいにぬぐう。版の凹んだところに残ったインクが転写されるタイプの印刷なので、印刷する紙を置いて重いローラーでプレスを掛ける…。どんだけ時間と労力掛けてんだよ。
すごいねえ。でも私が知りたいのはその手前の工程。原版自体をどうやって作ったのか? つまり今なら写真に撮って縮小印刷、それをなぞって上から彫っていくことも出来よう。3Dプリンターでもいいかもね。だがカメラのない時代は薄紙で現物からトレースしたりしたのかな? でもそれだと原寸大だから、縮小するのはけっきょく職人のカンに頼る他なかったのかな。
ハッ! カメラ・オブスクラ?
ところで会場にはちっちゃい画板を持った子どもたちが妙にいるなと思っていたら、受付のおねえさんが「本日は宿題でおみえですか?」とやってきた来場者の子に聞いていた。なるほど夏休みの課題でそんなのがあるのか。うむ、ヌードとかなかったから適切なゲージツ鑑賞かもしれん。