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我逢人

今回はメタバースではなく、リアルの世界での出来事について書かせていただきます。

実は今週、横浜のお寺で祖父のお葬式がありました。

身内が亡くなったのに、clusterで遊んでいる場合かと思った方もいるかもしれません。

私の祖父もお坊さんでした。
祖父が亡くなったのは、去年の9月でした。

去年、身内や親しい人だけでお葬式をしました。そして、今回は「本葬」という形で改めて正式なお葬式をしました。

身内の葬式の合間に、clusterやってることには変わりませんが、笑

祖父は晩年、大本山總持寺の住職をつとめておりました。全日本仏教会会長、曹洞宗管長などの役を任されたこともあり、実は仏教界では有名な人でした。

私は大学を卒業してすぐに、大本山總持寺に修行にいきました。
ちょうどその頃、私の祖父もそのお寺の住職でした。祖父のいるお寺で修行をしていたことになります。

しかし、血はつながっていても一年目の修行僧と本山の住職ですので、気軽にしゃべりに行くことはできません。
同じ場所にいても、修行中は祖父とお話する機会はほとんどありませんでした。修行中は本山の役寮さん(指導するお坊さん)や先輩から祖父の話を聞きました。僧侶としての祖父の姿は知らなかったので、とても新鮮で驚きがいっぱいでした。

祖父は我逢人という言葉が好きでした。

我逢人は「我、人と逢うなり」と訓読みします。
人と人との出逢いを表した言葉です。

私たちは毎日いろいろな人と出逢います。出逢いによって自分の人生が大きく変わっていくこともあります。今までの偶然の出逢いの連続によって今の自分があります。お互い影響しあいながら生きているという意味です。

曹洞宗を開かれた道元禅師様が、お若いときに本当の師匠を求めて、当時仏教が盛んであった中国にご苦労を重ねて渡り、やっとその本当の師匠にめぐり逢えたときの感動のお言葉が、この「我逢人」であります。

祖父は人との出逢い、めぐりあわせを宝物のように大切にしてました。お葬式に参列してくれた人とお話ししていると、祖父の周りは本当にあたたかく、たくさんの人に囲まれていたことを感じました。

学生時代、祖父と食事に行った時はよく、
「人との出逢いを大切にしなさい」と言われていました。

私たちは自分一人で生きているのではなく、多くの出逢いや支えによって、はじめて今の自分がここにあります。それらの数限りない出逢いに感謝して、まわりの多くの人々の為にお互いに力を尽くしていくことが、仏教の大切な教えであります。

令和2年新年のあいさつより

振り返ってみたら、海外留学を決めたのも、ラグビー始めたのも、バックパッカーで旅を始めたのも、大学を決めたのも、他にもいろいろありますが、出逢いによって導かれ、出逢いが私の新しい道を作ってくれました。

clusterはじめて、まだ半年ですが、そこでも素敵な出逢いがたくさんありました。

clusterで自分の坐禅会に参加してくれた人やワールドで出逢った人、飲み会やダンスイベントなどいろいろな人と出逢いました。
メタバースでも今までの出逢いによって、今の自分があります。

clusterの仲間からTwitterのスペース(ラジオみたいなの)に誘ってもらったこともあります。スペースにはいろいろな人がいて、勉強になりました。そこでも、また新たな出逢いがありました。

今までの出逢いが、また新しい出逢いに繋がっていきます。
そして、何より今までの出逢いにも感謝しています。

リアルでもメタバースでも、一つ一つの出逢いに感謝して、大切にしていきたいです。

そして、現代はテクノロジーの進歩で、祖父が生きていた頃には関わることができないであろう人とも、逢うことができます。

アップグレードした世界でも、祖父の「我逢人」を受け継ぎ、自分の修行としていきたいと思います。

きっと祖父も天国から、clusterでの僕のバーチャル坐禅会も見ててくれていると思います笑

本堂用のイスを持ってる自分と祖父
得度式(お坊さんになった時)
祖父にだっこされてる


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