第472話 元上司
今日は火曜日。
夕方、病院へ。
先日のピロリ菌検査の結果を。
聞きに行く日。
受験の合格発表のような。
そんな気持ち。
夕方の病院は。
人もまばらで。
なんか暗くて、静か。
受付を済ませて、自分の順番を待つ。
予約してるのですぐに呼ばれる。
そう思っていたけど。
なかなか呼ばれない。
15分ほど遅れて。
やっと呼ばれて、先生のもとへ。
結果は、よかった。
ピロリ菌は除去されてたみたい(笑)
なんとなく合格の気持ち。
そんな今日。
早めの帰宅後。
自転車で散歩。
家に戻ると、会社の先輩から着信があり。
お風呂上がりに返信した。
すると、電話の向こうは。
知らないおっさんの声。
もごもご、もごもご。
何を言ってるかわからない。
何度聞き返してもよくわからない。
『いたずら電話か?』
面倒臭くなって切ろうとしたら。
『おーい、元気か〜?』
なんとなく聞いたことのある声。
ようやく思い出す。
元上司の声だ。
めちゃめちゃ久しぶり。
多分十年ぶりくらい。
かなり訛ってる上司。
昔は慣れでなんとなく、会話できたけど。
久々過ぎて、日本語だと認識できなかった(笑)
今の会社に入って。
新人の頃、色々お世話になった。
直の元上司。
決して仕事ができるようなタイプではなかった元上司(笑)
でも、めちゃめちゃ大好きだった元上司。
多分1回も怒られた記憶がない元上司。
新人研修で、寿司を奢ってくれた元上司。
その時、『食い逃げするなよ』と言ってた元上司。
多分だけど、思いっきりヅラだった元上司(笑)
営業会議のとき、いつも怒られてた元上司(笑)
その時は反省したフリして、実は何も反省していない元上司。
やっぱり訛ってて、半分以上、何言ってるかわからなかった元上司。
会社を定年退職して、花火師になったと噂を聞いた元上司。
噂は本当だった元上司。
その人の下で、のびのび仕事ができたおかけで。
仕事は楽しいと教わった気がした。
だから、今もなんとか仕事を続けることができている。
本当に、本当に。
心の底から感謝しかない。
今日はたまたま。
先輩と食事をしたみたいで。
わざわざ電話をもらって嬉しかった。
ほぼほぼ。
やっぱり何言ってるか、わからなかったけど(笑)
元上司が、生きててよかった。
元上司と、笑って話せてよかった。
元気が出た。
明日から出張だけど。
なんか頑張れそうだ。
またいつか会えたらいいのに。
本当に今日は嬉しかった。