祝・新作発表記念 ー首都高バトルの思い出を振り返ってみるー Part.3 「首都高バトル2」
※Akioの部屋様の動画よりリンクを掲載させて頂きました。
前作では実質的にリブート化されたシリーズの礎が築かれ、本作では驚くほどのスケールアップが図られた。首都高バトル2は、グラフィックもフィールドもライバル数も含め、前作より大きく進化を遂げた作品である。
※今回@wiki様に該当ページの作成がなかったので、別のサイト様のリンクを掲載させて頂きます。
何処から触れていこう…いや、やはりコースの大幅な拡張収録、これが個人的に一番のサプライズであった。1では環状線(及び八重洲線)のみであったフィールドが、2では台場線や湾岸線、横羽線といった区間まで一気に拡大した。それに伴い、ライバルのラインアップもより一層幅広いものとなり、テクニカルなコースに合わせたコンパクト車軍団から、最高速ガチ勢の湾岸族まで、個性に溢れた更なるライバルやチームが、プレイヤーを迎え撃つことになる。
登場車種ももちろん大幅に増加したが、マイナーチェンジ後のモデルも含めて収録する姿勢に、スタッフの皆様の本気と拘りもさることながら、ある意味グランツーリスモへの対抗心?にも似た気概すら感じられた。最も驚いたのは、トヨタBB(オープンボックスだった気も…)やホンダ・ステップワゴンといった、既存のレースゲームではまず登場しえないであろうミニバン系統が、何気なく本作に現れたことだった。
性能は勿論スポーツモデルと比較すると見劣りするのは否めないが、こうした洒落っ気と遊び心に富んだ収録センスは、ゲームの遊び方にも新しい彩を添えることになったのであろう。他にも、前回はポルシェ911のみであった外車の収録も増え、根強いファンも多いホンダ・ビートやスズキ・カプチーノといた軽自動車も収録されている。
ライバル勢のプロフィールにおける情報量も増え、搭乗車種の詳細も掲載され始めたが、こうした詳細がゲームの攻略への純然たる活用のみならず、描かれるライバルの要素として眺めるだけでも興味深かった。次作であるZEROでは、より天文学的な数値まで表記され始めるが、この当時は割と01に近く現実味のある数値であったのも懐かしい。
そしてこの作品より、チームに属さず、さらには特定条件でしか現れない者まで存在する「ワンダラー(流れ者の意)」が現れ始めたのだが、このワンダラーの攻略は、ある意味ボス戦以上に厄介なことが多く、その条件も非常に多様であったため、苦戦を強いられたユーザーの方々も多かったのではないだろうか。
「一定額の所持金の保有」「特定車種の乗車時のみ」「特定保有台数への到達」など、進行度に合わせて解放できる条件であればまだしも、中にはDCの内蔵時計に絡めた「実際の時間帯」にしか現れないライバルも存在していたため、中学生なりにその時間まで流石に起きてなどいられないので、内臓時計の設定を変更して挑むしかなかったのも懐かしい。
※「ワンダラーの条件」に関しては、以下の「redo_chan」様の記事を参考にさせて頂きました。
また、本作では初めてプレイヤー自身に通り名が付与される、「B.A.D.(Battle Ability Decision)」システムが採用された。これは、ゲームの進行度や勝敗数等に応じて、自身の通り名が変化していくシステムなのだが、この機能を最大限活かして「無敗チャレンジ」を、ご自身のホームページで「疑似実況」されていたのが、当時大変お世話になっていた「15歳の86乗り(現・魅惑のマジシャン)」さんである。
企画自体は確かZEROで行われていたのだが、「無敵の〇〇」という通り名を得るまでの様子を、その時代はYouTubeも存在せず、動画をネット上にアップロードするのも恐らく難しい時代であったため、文字情報のみで逐一進行度を報告・解説されていたのだが、当時は本当に眺めているだけでワクワクしたものだったし、ネット黎明期ならではの企画でもあったから、今思えばその瞬間に立ち会えたことも、本当に有難いことであったのだと思うし、現在では一つのコンテンツとして確立している「ゲーム実況」の先駆け、といっても過言ではないのかもしれない。
大幅に走行エリアが拡大し、大幅に車種もライバル数も増加した本作は、それだけでも確かに長く遊ぶことができる仕様になっていたのだが、いわゆる「二巡目機能」によって、一度クリアしたデータを用いて再度初期状態から始めることのできる非常に有難い機能も実装されていたので、無限にカスタムやバトルを愉しむことが出来た点でも非常に有難かった。残念ながら、次作でありシリーズの集大成でもある「ZERO」では、この素晴らしき機能は何故か一度廃止されてしまうのだが、その次作である「01」では改めて復活を遂げていることを考慮すると、恐らく最新作においても実装されるのではないかと、密かに期待を寄せている。
尚、これはこぼれ話ではあるのだが…自身が20歳まで使用していた「衝撃の〇〇歳」というハンドルネームの由来は、首都高バトル2に初登場し、後の01での「ホンダ事情」にてリストラの憂き目に遭ってしまう「Queen's paradise」というチームのリーダー「衝撃のジョー」に由来する。そちらの解説については、01にすい星のごとく現れた(笑)ライバル「衝撃のホワイトドッグ」に関する記事で触れているので、是非ともご覧いただければと思う。
首都高バトル2、結果的にはシリーズにおけるDCでの最後の作品となってしまったが、その功績は計り知れず、「シリーズの礎をより拡大し強固なものにした」作品であるともいえる。そして、2の実質的な移植作でありながら、正常進化版としても高い評価を受けている「ZERO」が満を持して登場することになる。自身にとっても、この作品は色々な点でターニングポイントとなった作品であり、シリーズでも一番思い入れの深い作品である。
☆首都高バトル2のちょっとした話
〇とあるゲーム会社の「旧社屋」
本作ではあるゲームメーカーのロゴを、羽田線を走っている際に見かけることができるのだが、こうした遊び心に触れられるのも、自身にとってはゲームに触れる上での楽しみの1つであった。とはいえ、現在は社屋も移動してしまっているため、その意味でも貴重なバーチャル映像資料となってしまった。
〇「紅の悪魔」も含めたライバルの衝撃度
当時は全くオマージュであることが分からなかったが、紅の悪魔というライバルの登場するスカイラインGT-Rは、文字通り「機動戦士ガンダム」の「シャア」を意識したエアロパーツが採用されている。こうした作家性に見え隠れする遊び心も本当に自身は大好きなのだが、なんといっても強烈だったのが「悪魔のZ」を正に模した「???」の存在である。背景知識が全くなかった故に、「何故にフェアレディ?」と心底驚愕させられたのも忘れられない。
〇お世話になった「サウンドトラック」
首都高バトル2のサウンドトラック盤は現在も保有している。当時はMD(ミニディスクの略、持ち運びに最適な録音媒体)全盛期であったため、録音した上で外出先でも耳にする機会が多かったが、最も記憶に残るのが「初めてのF1観戦のために乗車した夜行バス」の際に、このサウンドトラックを名古屋高速の夜景を眺めながら聴いていたことである。まぁ、それだけの話ではあるのだが…(笑)
〇北米版での「ナンバープレート」
北米版では、現地仕様のナンバープレートが採用されているらしく、実際に該当の映像がいくつもYouTubeで散見されている。確かに、現地の交通事情や文化に合わせた演出ではあり、個人的にはアメリカ文化好きということもあってか「羨ましい」と思いつつ、右ハンドルの車両が走る世界観で米国のナンバープレートが行きかう様子は「奇想天外」にも思えるので、それもそれで面白い光景ではあるのだが、
逆に現地の日本の自動車改造文化に深く傾倒されているであろうユーザーの方からすると、あえて「日本のナンバープレート」をそのまま採用してほしかったのではないだろうか…と少しだけ考えてしまうのだ。日本でもUS仕様への憧れが見られるのと同じく、現地でも右ハンドルへの転換も含めた「日本仕様」への憧れを抱く人たちは結構多いみたいなので、仮に次作が海外展開も検討しているのなら、この辺りの演出はどのようになっていくのか楽しみでもある。
☆首都高バトル2の予約購入特典について
実を言うと、先日に自身のTwitterアカウントのフォロワー様より、「予約購入特典」に関してご質問を頂いていたのだが、そういえば「首都高バトルのミニカーって販売されていたような…」ということを思い出し、ミニカーと掛けて検索してみたところ、思いもよらぬ記憶が蘇ってくることとなった。
上記の駿河屋様のページでは、まさしく予約特典として限定配布されていたFD型RX-7の買取価格が掲載されているが、自身が恐らく当時頂いたのは「ホンダNSX」であったはずである。
※文字化けを起こしてしまっておりますが、ねとらぼ様のページを掲載させて頂いております。
実際にステッカーも封入され、貼り付けることで首都高バトルに登場するライバル車が完成するのだが、建前上は非公認のレースゲームにおいて、メーカー公認のミニカーを用いてしまう大胆なプロモーションに、今更ながら度肝を抜かされてしまう…Hマーク様相手に、大胆すぎるやろ(笑)
大変申し訳ないのだが、現時点で現物の確認が取れていないので、こちらは改めて別記事にまとめさせて頂きたい。
※次回更新はGWを跨いで5月6日を予定しております。ご了承頂ければ幸いです。