見出し画像

人生100年時代 ①


終末期をどのように迎えるか、なかなか考えも及ばない。長寿社会といわれるけれど、いずれは親族の介護や入院が回避できないという問題が起こりうる。いつまでも親が健康で長生きをしてくれることが望ましい。家電も耐用年数がありメンテナンス買い替えという必要性も出てくる。機械でも寿命があるのだから、生身の人間はもっと複雑なプロセスを経て終末期を迎えることになる。医学書と専門誌を読んでみると穏やかな最期の迎え方を指南する主旨のものもある。現実問題として私が見てきた限り、ほとんどの医療機関では急性期医療と異なり、長期療養型の病院ともなると、半年から1年ぐらいで患者が入れ替わることが多いようだ。急性期医療では3週間を目処に転院か退院を図るようになる。ここ3年間コロナ禍の影響で、受け入れる患者数も制約があり、長期療養型の病院といえどもコロナのクラスターが発生したり、通常の医療体制をすすめることが困難となってきている。長期療養型の病院において家族が面会に訪れることを制限することも多くなってきた。数年前までは病院内でインフルエンザが発生したため面会を制限する、面会を禁止する、という線引きが行われていた。特段流行病が発生しない限り、家族は出来る限り面会に訪れたいと願うことは自然なことである。面会に来ない患者の場合、寿命が短くなるような傾向にあるようだ。医療の助けも大きいかもしれないが、患者の健康回復を考えた場合、家族の声が聞こえたり呼びかけることが、生きる支えになってくることが多い。長期療養型の病院も入院費用・居住費用などなど患者負担の金額が増える傾向にある。これは出来る限り在宅で最期を迎えてくださいということを無言にして示しているとも考えられる。老人施設で入居するとなると介護認定のレベルによって入居できるかどうか厳しい要件がある。胃ろうをしているのか経管栄養であるのかによっても受け入れられるかどうか難しい選択になってくる。そもそも家庭内で介護や看病ができない環境であれば、24時間体制で受け入れてくれる病院なり施設を探さなければならない。老人施設の場合順番待ちのところが多く、入居入所が叶うまでに寿命が尽きてしまう高齢者も見受けられる。人生100年、健康で身の回りのことは自分でできる100歳、寝たきりで意思表示もできず100歳まで生き永らえていくのか、予想はなかなか難しい。

#文化人#猫好き#雑学#

いいなと思ったら応援しよう!