ジョンレノン:Mind Gamesアルティメットコレクションレビュー”サンプルCD編”
ジョンレノンのアルバムMind Gamesの拡張版、アルティメットコレクションの発売が7月12日に迫っていますね。それに先立ちイギリスの音楽雑誌"UNCUT"の6月21日号には、このボックスセットに収録されるトラックの内9トラックが抜粋され収録されたサンプルCDが付録として付いていました。
実は新品の雑誌を買うのは人生で初めてですw
書店で雑誌はもちろん見かけますし、今時の海外雑誌の現物なんて見たことなかったですが、海外のは意外と凝ってるんだなぁという印象です。
わざわざ表紙とは違うデザインの外袋の中に雑誌本体と付録が入ってます。そして付属しているジョンのアルバムガイドも地味に嬉しい。
ディスクが紙ジャケ(それも相当ペラい)に直入れなのは愛嬌です。
そしてサンプルCDがこちら↓
Discogsのうp主に感謝
ジャケ裏にもありますが、改めて収録曲は以下の通り
一曲ごとに別バージョンをかいつまんで収録されているように見えて実はそうでもないし、ボックスセットでは隠しトラックとして扱われており、ボックス本体に紫外線ライトを照らさないとその表記が直接見えない仕様になっているI'm The Greatestが堂々とトラック名が明記されて収録されているし…
うーんよくわからん。というのが第一印象かなぁ。
自分は発売してから一週間くらい経ってからこのサンプルCDの存在に気づき、今更ですが輸入したものが手元に届いているので、ボックスセット発売前のプリレビューとして今回のサンプルCDの中身をレビューしようかと思います。サクサクいきましょう。
1.Mind Games (Evolution Documentary) 6:03
冒頭はアンソロジーにも収録されているデモ音源から始まり、そのままリハーサルの流れでテイクを重ねていく感じですね。
あれ、ヨーコの声??
2.I'm The Greatest (Ultimate Mix) 3:14
アンソロジーに入っているテイクとは違う物だし、こちらの方が完成度の高いテイクな気がします。ミックスもこっちの方が好みかなぁ。Ultimate Mixの割にデモ感が半端ないのは、まぁそういう録音だからもうしょうがない。
....ねぇマジでこれが配信で聴けないの???
3.Aisumasen (I'm Sorry) (Ultimate Mix) 4:41
全体的にとてもソリッドですね。特にボーカル。
オリジナルはフワフワした独特な雰囲気が特徴的だと個人的には思っているのですが、それと比較すると曲のヘビーさというか重量感がかなり増えた気がします。
オリジナルでは演奏が終わったエンディングでディレイの音がそのまま残響として残って終わるのですが、今回のミックスでは潔くカット。ブツっと終わります。これも賛否が分かれるかもなぁ。
2002年リミックスと比較してもかなり違います。
オリジナル、2002年リミックス、Ultimate Mix、好みがかなり分かれそうです。
4.You Are Here (Out-take, Take 5) 10:54
ほぼ11分ってどういうことなのだろうか...w
答えは、アンソロジーに入ってるテイクをフェードアウトを取っ払って最後まで収録した結果という事です。
謎なのは、アルバムバージョンでいうアウトロまで歌い切って演奏しきっているのに、その流れでもう一回曲の最初に戻っているというところです。厳密には少し歌詞が違いますが、アウトロから1番まで戻ってるんですよね。だから長いのです。その歌詞違いが決め込んだ物なのかは不明ですが、意図しないとここまでできないと思うので、最初はそういう想定の曲だったということでしょうか。
他にアンソロジーとの違いで気になったのは、冒頭45秒間の演奏でエレキとエレピが何故かミュートされている点。アンソロジー版ではこの間にもその2つの楽器は鳴っていることが確認できます。どういうこと?
あと細かい所では、ボーカルがかなりソリッドになってます。リバーブが極めて薄くなってる。あとは冒頭のカウントがカットされています。
てか最後にヨーコの声が入ってるけど、アルバムセッションにヨーコって不在だったんじゃなかったっけ?別居してただけで録音には同席してたって事なのでしょうか。それともセッション期間中に途中でいなくなったってこと??
5.Tight A$ (Raw Studio Mix) 4:36
アルバムで聴いてた時は全く意識してなかったですが、スネアの音が想像以上にタイトに仕上がっています。原音がここまで太い音をしてたのはびっくりです。
Mind Gamesのセッションからマルチトラックが16トラックに増えています(のはず)ですが、S/N比がPlastic Ono BandやImagineよりも劇的に改善してるのは、この音源で改めて気づき感心しました。エグいくらいノイズリダクションしてるだけかもしれませんが...w
6.Bring On The Lucie (Freda People) (Elemental Mix) 4:12
Elemental Mixってなんだよって話ですが、聴いてわかりました。俗に言うStripped Down的なやつで、アルバムミックスから何トラックか減らしたバージョンですね。
この曲はボーカル、コーラス、アコギ、ボンゴ(多分)、タンバリン、エレキ(エレピかな?)で構成されてます。
7.You Are Here (Elements Mix) 4:36
リードエレキにリバーブをかけたトラックです。
...それ以上でもそれ以下でもないからこれ以上書くことがないし、一回聴いたらもう聴かない典型ですねw
8.Out The Blue (Elemental Mix) 4:14
このトラックでは前奏のアコギ、リードボーカル、ピアノ、ベース、ほんの少しエレキで構成されてます。
次!!
9.Meat City (Evolution Documentary) 7:39
冒頭から流れるデモ音源は、過去に出たリミックス版のボーナスとしてリリースされているのと同一ですね。ノイズが少なくなってます。
初期テイクでは少しテンポが遅いのかな?知らなかった。それともマスターテイクでテープスピードを速めたか。その辺は発売されたら分かるでしょうね。途中で差し込まれるノイズの元録音のセッションまで入っていて興味深いです。
総括
さて最後の曲まで一通り聴いて書いてみましたがいかがでしたか?
全体的にとてもソリッドなのが印象的でしょうか。Aisumasenのところでも書きましたが、個人的にこのアルバムってかなり音がキラキラしててフワフワしてるのが第一印象なんですよ。
その印象からはだいぶ離れるので、正直Plastic Ono Bandのアルティメット版の様な上位互換となるかは....まぁ、発売して改めてアルバムで聴けば何か気づくのかもしれないし、ここで決めつけるのは木を見て森を見ず状態なので止しておきましょう。
そして....うーーーん。
Elemental Mixがいらない。
だったらアンソロジーやボーナストラックで散らばったデモ音源をまとめて収録して欲しいし、Evolution Documentaryと比べても再生回数は絶対デモ単体の方が多い。わざわざデモ聴くのにEvolution Documentary再生したくない。
このサンプルCDに入ってないI Know (I Know)やOne Day (at a Time)そして無音のNutopioan International Anthemがどうなっているかはボックスでのお楽しみ...
そういえばこのサンプルCD聴いてて思い出した言葉があって。
ビートルズのリミックスを手がけるジャイルズマーティンは、ホワイトアルバムをリミックスする時に「あまり音質を上げすぎないようにした」と言ってました。
....なるほどなぁ。
ジョンレノンの公式YouTubeチャンネルでも何曲か先行公開されているので、気になる方はまずそちらを聴いてから買うかどうかを決めた方がいいかもしれません。
大声で勧められるものではない可能性が今までで1番大きいのでね...
え?お前は予約したのかって?
はいしましたよ。クソデカため息と一緒にポチりました。
届いて聴いたらリボルバーの時の様にレビュー記事を書こうかと思います。
それではまた。