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マイケルジャクソン:Off The Wall SACDレビュー
スリラーの高品質LP/SACDがモービルフィデリティ社からリリースされてから約2年。ついにOff The Wallの高品質LP/SACDがリリースされました。高品質LPの方ではOff The Wall史上初の45回転2枚組で、またデジタルでは史上初SACD/DSD化となったわけです。
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Off The Wallって、マイケルファン以外の人からもかなり評価が高く、特に業界内ではマイケルジャクソンのアルバムでナンバー1に挙げる人が多いイメージですね。
マニア的な視点でいえば、1979年当時にリリースされたLPとサブスク等で聴ける現行版で、音質の傾向やそもそもの曲のアレンジが異なることが知られています。結果的にそれらの違いがアルバムそのものに抱くイメージに関わってきていると僕は考えているので、今回はその辺も絡めていけたらと思っています。
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・Off The Wallのバージョン違い
マイケルファンなら今更ですが、Off The Wallというアルバムには2種類あり、LP版とサブスク等で聴ける現行版(以下現行版とします)があります。
曲でいうとRock With YouとGet on The Floorのアレンジが異なります。
Rock With You
LP版
・サビでハンドクラップ(拍手)がない
・ドラムにリバーブがかかってる
現行版:
・サビにハンドクラップ(拍手)が入っている
・ドラムにリバーブがかかっていない
Get on The Floor
LP版
・オケにリズムギターが入っていない
・プレイタイムが約4分50秒くらい
現行版
・リズムギターが追加されている
・プレイタイムが約4分40秒くらい(LP版より10秒短い)
LP版はサブスクで聴くことはできませんが、特に日本盤のCDを中古で買うと収録されている場合があります。
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型番:ESCA 5407
マト:DEPA-20
これは91年盤ですが、これより古い盤であれば、国内盤であれば軒並みLP版が収録されています。中古屋で購入する際は上のバージョン違いを試聴で確認すれば判別可能なので、未所持でLP版に興味がある方はぜひ探してみてください。
・モービル版に収録されたバージョン
では今回のSACDにはどちらが収録されているのかというと、それは現行版の方です。では買う必要がないのか?というと決してそんなことはないと思います。なぜならこれまでの現行版とはまた違った印象の音に仕上がっていたからです。
先ほどOff The WallにはLP版と現行版の2種類が存在し、曲のバージョンが違うといいましたが、アルバム単位で聴くとマスタリングの傾向もかなり異なっています。
LP版は結構ドンシャリで高音が刺さる感じで、現行版は低音がそこまで出てない代わりに高音の解像度が割と高めなイメージでした。
しかし今回のモービル版、このデジタル音源として存在するLP版と現行版、2バージョンの良いところを組み合わせた音質だと感じたんですよね。
LP版のように豊かで上品な低音から現行版よりも抜けの良く上品な高音、表現力はこれまでリリースされてきたOff The Wallのリマスターとはまた違った物です。間違いなくモービル盤でしか聴けない音源、リマスターだと思いますね。
・誰もが聴くべき最高リマスター?
Thrillerの時にも感じましたが、とにかく繊細でバランスが良いです。おそらくモービルが目指す音の傾向なのか、はたまた元のマスターがそういう傾向だったのか、あるいは両方か。
しかしこの傾向が、元々Off The Wallというアルバムのイメージとは合わないのではないか?とも思うわけです。
一般的にこのアルバム、近年では「70〜80年代のディスコ」っていうイメージだと思われいると思います。ではそのイメージから何を連想するかというと、僕は「ディスコパリピウェイ!🤘」なんですよ。現行版を改めて聴いてみて欲しいのですが、高音がキラっとしててシャキシャキとノれる感じがしませんか?
しかしモービル版は、収録されている曲のバージョンが現行版でありながら、LP版のようなマスタリングに仕上がっているので、この「ディスコパリピウェイ🤘」感がどうしても薄いんですよ。
なので現状としては、本来の現行版の、ノれるイケイケのキラッとした雰囲気のOff The Wallが好きな方には、正直今回のモービル版はガッカリするかもしれません。
ちなみに僕はLP版のアダルティな雰囲気が好きなんですよ。なので専らOff The WallはLP版が収録された旧版のみ聴いていました。しかし今回のモービル版はLP版のような雰囲気のマスタリングなので、個人的にかなりお気に入りのバージョンになりました。
・終わりに
というわけでつらつらとOTWのモービル版レビューを書いていきましたが、如何でしたでしょうか?万人にオススメできるかといえば難しい内容、完全に好みが分かれる仕上がりだったように思えます。マイケルファンは絶対買いましょう。
そしてやはり気になるのは、今後マイケルのアルバムがモービル版として再リリースされ続けるのか?ですね。Bad、Dangerous、HIStory、Blood on~、Invincibleと続くのか?はたまたモータウン時代まで遡るのでしょうか?楽しみですね。
それではまた。