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The Reccs of dark/light academia books

※取り急ぎ友人のために代表的な鉄板本を集めてみました

Romance

・The Night Circus

言わずと知れた金字塔。皆大好きザ・ナイト・サーカス。レジェンドと呼ばれる魔術師がひらくサーカスの次代マスターになるべく幼い頃から育てられた男の子と女の子が主人公。
いずれ彼らは跡継ぎの座を巡ってどちらかが死ぬまで魔術で闘わされることになる運命なのだが、2人は禁断の恋に落ちて……というお話。間違いなく面白い。さくさく読めるのにリリカルで美しい英文も味わえるので、とりあえずここからどうぞ。

ファンの間で有名な冒頭。素敵。
https://pin.it/20RLjI4EE
装丁かわゆすぎ問題


・Caraval

色んなところで賞を取っている超人気作。トリロジーになっていて、世界中に結構なファンがいる。正直筋書きは抜群ではなく、若干クリシェかも。しかし雰囲気と舞台立ての方は抜群にいい。
ヴィクトリア朝時代のイギリスで、良家の娘として抑圧的に育てられたスカーレットが主人公。
謎の船乗りの青年と一緒に島に渡った姉が、魔術師(これまた魔術師)に攫われた妹を助けるためにカラバルというイベントに参加して勝ち抜く話。まあつまり、魔術師版デスゲーム🧙‍♀️🪄 途中は結構血みどろ。

https://pin.it/36di1lbjL
こういう雰囲気が好きな人は転げ回ることになる

どんでん返しの連続だけど正直そうはならんやろ、ってところも散見される。でも道具立てやキャラクタが魅惑的過ぎて、熱狂的なファンを産むのもわかる。
ここまで書いておいて何だけど、小説よりドラマか映画で観たい、と思ったらファンが(偽)映画予告を作ってましたね。


ここまではYA小説。

Dark academia books

・The Secret History


とにかくめちゃくちゃに良い。しのごの言わずに読もう。村上春樹も良いって言ってた(虎の威を借る)。村上春樹が良いって言ってたのがなんのプラスになるかは知らないけども。

とある名門大学のカリスマ教授の元でギリシャ古典を学ぶ学生達。多くは産まれた時から裕福で余裕と教養に恵まれたエリートである彼らが、古典文学の深く暗い道を辿っていくうちに段々現代社会の倫理や価値観から乖離していく過程とその結果が描かれている。
学ぶ者が学ぶ対象と同化していき、いつしかギリシャ悲劇の登場人物そのものになっていく様が見事すぎる。ダークアカデミアな雰囲気大好きな人々がバイブルと呼ぶ本の第一冊目が、これである。

そやね。

長い上に英文が格調高いので読むのに若干手間を要する。辞書を引くのを楽しむ余裕のあるときに読むと極上の読書体験になること請け合い。素晴らしすぎるし面白い。

次。

・If We Were Villains

面白すぎる。いい加減にしてほしい。ダークアカデミア・コアの人々が必ずバイブルと呼ぶ本2冊目。3冊目以降は特に知らない。
外界から隔絶された研修所でシェイクスピア劇の研究に明け暮れ、役を巡って研鑽競争する精鋭の俳優達。
閉じた環境の中、役に入り込み、憎悪と愛と欲望を肉体で演じ続ける彼らのあいだでやがて殺人が発生することになる。何故殺人がおきたのか、外部からやってきた警察に対し、彼らは何を演じるのか。ということが語られていく。

https://pin.it/13EAH6jJZ
ぐっとイギリス感出てます

全寮制の男子校の大人男性バージョンのような雰囲気もあるので、BL好きにも刺さるかもしれない。BLよく知らないから間違ってたらすいません。
前項目の『The secret history』と共通するのは、力を持った古典に接する人々の精神、つまり世界が物語に飲み込まれていく様、人ひとりの人生の時間を優に越えた学問の持つ力が、シビアに、甘ったるくなく美的に表現されているところ。

ダークアカデミアって多分そういうことを言うんでしょうな。古典の持つ、人間の暗部に投げかける強力な力が纏う美学に気づいた人々のための本。

・Babel

さっき「3冊目は知らない」って書いたけどごめん嘘だった。長らく不動のツートップだった王座に躍り出た3冊目。 これはイギリス育ちの中国系の若い女性作家が書いた作品なので、ダークアカデミア界の堂々たる新女王と呼べる小説。

英国育ちの中国人として英才教育を受け、ギリシャ語、ラテン語、中国語の才を持った主人公の青年が、オックスフォードの最高峰の翻訳機関で働くことに。知の牙城、知の楽園として捧げられたその場所で、漢字とラテン語とギリシャ語の行き交う甘美な世界が描かれるも、翻訳作業とは、西洋文化圏による東洋文化の『解釈』という名の征服的解体ではないのか、という実装に主人公が段々気づいていくわけです。
そしてそこから始まる主人公の、自分のルーツとなった文化を守る戦い。それは思想も信条も違う同僚たちとのバトルでもある。

私はシノワズリやジャポニズム、和洋折衷というように、異国で違った言語に訳され、再解釈され、また別のものとして生み出された文化様式も好きだけれども。


Who did say dark academia?

ところでダークアカデミアって結局なんなん、ということについて特に定義していなかったことに気づいたので、wikipediaさんに聞いてみた。

Dark academia is a literary aesthetic and subculture concerned with higher education, the arts, and literature, or an idealised version thereof. The aesthetic centres on traditional educational clothing, interior design, activities such as writing and poetry, ancient art, and classic literature, as well as classical Greek and Collegiate Gothic architecture.[4] The trend emerged on social media site Tumblr in 2015, before being popularised by adolescents and young adults in the late 2010s and early 2020s.....

https://en.m.wikipedia.org/wiki/Dark_academia

ということなので、要はざっくり「ハリーポッターの世界に魔法抜きで入りたい」「でも自分が入るならレイブンクローだね」と密かに思っていた(いる)種類の人間の好きなスタイルのことなんでしょう。いいと思います(適当)。

https://pin.it/3ydUT373a
纏めるとこう。


YOUTUBEには dark academia 好きのための作業用BGM動画とかも纏っているから、勉強するときにかけてみるのもいいかもしれない。わたしはあなたのグーグルなので、特におすすめのものを選んでおきました。


Light academia books

・Pride and Prejudice

人間の暗部に学問が投げかける美しい力、つまりレクター博士萌えがダークアカデミアなら、人間の明るく美しい世界に及ぼす力のことも同様に語らねばなりますまい。
それならば、レクター博士に対抗するには彼しかいない。『プライドと偏見』のMr.ダーシー。
まあ読んでると思うので割愛するけど、light academiaはシンプルにダークアカデミアばっかりだとキマりすぎてて食傷する、という人々のための派生ジャンルと見るべきで、明るい学問、前向きな古典嗜好が特徴。

というわけでここからはこちらを聴きながらおすすめをゆっくりご覧ください。わたしはあなたのGALAXYです。

(すごくどうでもいいんだけどlight accademiaの勉強用BGMを探すと高確率でくるみ割りの『花のワルツ』が入ってるんだよね。ワルツ聴きながら勉強が頭に入るわけなくない? 本当にどうでもいいんだけど。)


・Emily Wild’s Encyclopaedia of Faeries

ライトアカデミアブック決定版。マジで愛しくて抱きしめたくなる本。みんな(私)大好きエミリー教授。
ケンブリッジ大学の教授エミリー、妖精学研究をしていて、ガチで愛想がなくて研究一筋のかっこいい女性。それなのに甘やかされてニコニコホワホワ?してるいいとこのお坊ちゃんと一緒にフィールドワークに行くことに。
少女小説かよと思いきや、彼女の学問描写が本気で魅力的で、読んだ大人が続々ハマってる人気作。
本物のリアルなケンブリッジ描写と、妖精と民話の世界ががっつり絡み合っている世界観が最高にここちよい。
京極堂シリーズの明るい版、京極堂役が女性になったバージョンだと思えばよいです。
甘やかボンボンがニコニコついてっちゃうのも頷ける、かっこよくて不器用で可愛いヒロインが、知識と工夫と学問で妖精学を体系立てていく様が知的好奇心をそそる。これはほんとにマジカルアカデミアの本。

ツンだけど不器用なヒロインにニコニコ優しい男性の組み合わせがマジでいい。

人気なので続刊が出ており、私は目下これを読むのに忙しくて他のライトアカデミア本を開拓できてない。また書けたら追加します。

https://pin.it/4HvLUqkOg

いったん、以上。

良い読書体験を。

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