退職金の意義


#COMEMO #退職金制度は必要ですか

このテーマの募集ノートでは退職金の起源はのれん分けにあると書いてあった。僕自身は退職金の歴史的経緯は知らないが、実質的に退職金が果たしてきた役割について考えてみようと思う。

退職金は出資金の返還だと思う。そして、現代には必要のない要素だと思う。

退職金は払うタイミングこそ退職時であるが会社から社員に払われるという意味では給与の一形態であるといえる。であればなぜ退職金の代わりに給与を全体的に上げないのか納得がいかない。

しかし、昔のまだ金利が数パーセントというレベルであった頃であれば給与を削ってでも現在のコストを削減して多少割り増してでも退職金として支払いを後回しにする意義はあったと思う。

会社は社員に本来払うべき給与の一部をカットして(社員から会社に出資し)、その資金で事業拡大を行い最終的に退職金として社員に還元を行う(出資金返還)。

これはこれで、いいシステムだったかもしれない。しかし現代においてはいくつかの点で合わないシステムだといえる。

一つ目は退職金システムは一つの組織への勤続年数を上げることにインセンティブを設けてしまうことである。人材の流動性を高めようという動きのなかでは合わない。

二つ目は低成長である。昔は投下資金が大きければ事業で稼げる額も多くなり退職金として多めに支払うことができただろうが、現在ではそれは難しい。

三つめは金余りである。現代は企業が内部留保をためすぎていると批判されたり、銀行からゼロに近い金利で資金の借り入れができたりする。つまり社員から資金を調達する意義はそこまで無い。

退職金を払うよりは早い段階で給与として還元したほうが景気的にもよいように思える。退職金がなくなれば将来に備える動きが出て消費傾向も変わるだろうが、一般論として現役世代のほうが購買意欲が大きい。

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