CISAに合格しました(合格体験記)
タイトル通り、CISA(Certified Information Systems Auditor)に合格しました。備忘録のためと、CISA受験を検討されている方に少しでも参考になればという思いで書いています。
※本記事ははてなのBlogを閉鎖するにあたっての、転記となります。
CISAは監査業界やセキュリティ業界では割と名の知れた資格で、主にシステム監査やガバナンス、BCP、SDLC等について問われます。
CISAは広範囲の知識や考え方を問われる代わりに、あまり細かい部分については聞かれません。技術的な理解も、多少押さえておけば解答できるような問題も多いため、システム未経験者でも取りやすい資格だと思います。事実、受かった私もセキュリティに6年以上携わっておりますが、コマンドラインをたたくような業務は数ヶ月程度しか経験ありません。
勉強期間は約3.5か月。計測はしていませんが、150~200時間くらい勉強したかなと思います。業務でネットワークやガバナンス周りの知識はある程度持っていたものの、ほとんどの知識は再勉強、という感じでした。
利用した教材は、基本的にはCISA公式の試験サンプル問題&解答・解説集を4~5週繰り返し、全ての単語の不明点がなくなるよう調べたり、問題の正解・不正解の理由まで突き詰めて考えられるような状態までもっていきました。あとはシステム監査関連の書籍を読んだりしました。
2020年10月時点では、日本語版の教材はISACAのホームページか、オークションサイト等で購入することになります。専門書ということもあり、オークションでもバージョンが古いものでない限り、めちゃくちゃ安い、ということはありません。
レビューマニュアルも併せて購入しましたが、正直ボリュームがありすぎて教材には向いておらず、問題集で不明点があった際の辞書代わりに利用したのみでした。
タイミングが悪く、試験勉強の開始と同時に業務が多忙になってしまい、まとまった時間が非常にとりづらかったため、できるだけ隙間時間で勉強できるよう、ankiというアプリを使ってスマホで勉強できる体制を整えました。
ankiは、androidは無料(iOSは3,000円程度)のフラッシュカードアプリなのですが、これがよくできているアプリでして、問題の難易度や正解不正解によって、次に学習する間隔を変更できるため、効率よく勉強することができる優れものです。
anki内でCISAの問題を作成した手順は以下の通りです。
問題集を断裁し、pdf化する(pdfはocr化してコピーできる状態にしておく必要があるので、有償版のadobeを持っていなければ、kinko's等で実施するとよい)
ankiに読み込ませるcsvを、1.でpdf化したデータから転記
転記(コピー)の際、誤字等が多く発生するので、csvの段階で修正
csvをankiに読み込ませる
csvは各チャプター毎に作ってankiに読み込ませれば、関連知識を中心に勉強できてよいと思います。
ちなみにですが、問題集のドメイン分けは、
1. 情報システム監査のプロセス
2. ITガバナンスとITマネジメント
3. 情報システムの調達、開発、導入
4. 情報システムの運用、保守、およびサービスマネージメント
5. 情報資産の保護
となっているのですが、現行試験では、
1. 情報システム監査のプロセス
2. ITガバナンスとITマネジメント
3. 情報システムの調達、開発、導入
4. 情報システムの運用とビジネスレジリエンス
5. 情報資産の保護
と、若干の違いがあります。これは、昨年試験が更新されたのに対して、公式本の更新が追い付いていないことから発生しています。
ただ、ISACAの講師の方の話を聞く機会があったのですが、「ドメインは更新されたが、問題はほとんど変わっていない」と仰っていました。
実際に試験を受けましたが、問題集に全くない概念の問題が入っている、というようなことはありませんでした。ただし、IPA問題集が過去問題集その通りに出る傾向があるのに対し、CISAは過去問と同じものはほとんど出ません。そのため、単に問題をこなすではなく、「ISACA的な考えや答え」を掴んでいく必要があります。
受験料はISACA非会員は$760、ISACA会員は$575ということで、今後の投資という意味も含め、申し込みと同時に会員になりました。
試験は、テストセンターか自宅受験が選択可能です(自宅受験については、現時点の特別措置であり、今後どうなるかは不明である、と記載がありました)。
私は試験日前後で、台風が直撃するかも??という天気予報がありましたので(結局逸れましたが)、自宅での受験を選択しました。
自宅での試験は、テストセンターと違って、少しハードルが高いように思います。
理由としては、
自宅受験の案内や応対が基本英語であること
部屋の写真を撮影し、監督者に提供する必要があること
会話NGであること
まぁ英語が得意で、かつ書斎のような部屋があって、写真を提供することが苦でなければ問題ないのですが、受験される方はメリデメを考慮したうえで、テストセンターか自宅受験を選んでいただければと思います。
自宅受験の場合、試験開始30分前から、Web上で準備が可能です。
まず、試験専用のソフトウェアをダウンロードしたうえで、他に起動しているアプリケーションの停止やIDカード(パスポート等)・部屋の写真のアップロードを行います。
アップロードが完了すると、カメラ越しに試験官がチェックし、問題なければライブチャット(英語)で挨拶してくるので返答します。諸々の諸注意や進め方をレクチャー頂頂いたら、そこから晴れて試験を受講できるようになります。
壁や机、机の下など、何度もカメラで撮るよう指示されるので、ノートpcを持って何度もクルクル周るハメになりました笑
試験は4時間で150問を回答する必要があります。
だいたい120分すべて解き終わって、見返す問題を含めて140分くらいで完了しました。
結果はすぐ出まして、小さい文字で合格!と出ていたのでとりあえず、一安心といったところです。正式に10営業日中にはメールで通知されるとのこと。
数か月後、忘れたころにISACAからCertificateの書類とピンバッチ(写真のやつです)が届きます(いつ使えるんでしょうこれ、笑)。