1年間アドレスホッピングしてわかった19のこと(前半:手法編)
遅ればせながら、あけましておめでとうございます!🎍🌅
アドレスホッパーの市橋正太郎(いちはし しょうたろう)と申します。
昨年からずっとnote始めようと思いつつ、下書きもたくさん書いたけどなかなか投稿できなかったので、ちょうどアドレスホッピング始めて1周年🎉ということと、新年ということで、2019年は心新たにしっかり発信していきたいと思います。駄文ですが、お付き合いよろしくお願いいたします。
まずは簡単に自己紹介をしておきますと、京都大学卒業後、サイバーエージェントという会社に8年勤めた後、2017年12月27日から「アドレスホッピング」という居住スタイルを始めました。
アドレスホッピング???
という方も多いかもしれませんが、過去記事を参照していただければ分かる通り「固定の住居を持たずに転々とする超多拠点生活」のことを言います。
昨年10月にアドレスホッパーのコミュニティを立ち上げまして、現在40名ほどの規模になっています。アドレスホッピングというワードを使い始めたのもこの頃からです。
アドレスホッパーが集まる新年会をやります!私もやってます!興味あります!はなしてみたいです!という方、遠慮なく参加してください。飛び入り参加OKです!参加はこちらから。
実際、アドレスホッパー の中には様々なスタイルが存在しています。
僕の場合は、その場のシーンや予定に合わせて、毎日違う場所に寝泊まりしており、かなりアジリティの高い方法をとっています。そのため、ざっと計算してみたところ、アドレスホッピングを始めてから
1年間で合計5カ国、52都市
に住んだことになります。昨年8月まではスタートアップで会社勤めしていましたので、平日は渋谷にこもって働き、金夜から国内を中心にホッピングしていました。昨年9月に独立し、ほぼ全てリモートで仕事を完結させるように調整しつつ、海外含め、より移動距離を増やしてホッピングを楽しみ始めています。
なぜ始めたの?という方や、実際どうなの?という方は、
本日1月8日夜10時ごろからAbemaTVにて生出演しますのでぜひみてください(番宣w)今日のテーマは「急増するアドレスホッパー 女子」についてです。前回アベマTV出演時のまとめ記事はこちら。
1発目の記事は気合を入れて、アドレスホッピングを1年間続けた中で、わかったこと、発見したこと、感じたことを、2019年になぞらえて、19個にまとめました。ちょっと多いので前後編に分けて、前半は「手法編」、後半は「思想編」ということで、いきたいと思います。
1. 本当に必要なモノなんて、殆どない
まずアドレスホッピングと聞いた時に気になるのは「モノをどうしてるの?」ということだと思いますが、実際に必要なモノはバックパック一つに収まります。僕は80LのNORTHFACEのバックパックを愛用しているのですが、これでかなり余裕がありもうワンサイズ小さいものに買い換えようかと思っているくらいです。先日空港で重さを測ったら5kgでした(冬場です)。これは基本的にはほぼ全て服で、トレーナー3枚、ロンT5枚、下着類、インナーダウンなど。僕はサウナが大好きなのでサウナハットや水着などサウナグッズも常備しています。
PCやバッテリー類、ノート、貴重品などは、別でONFAddというブランドのナップザックに入れて持ち歩いています。ONFAddは「Of No Fixed Address=住所不定」をテーマにしたアパレルブランドで、移動生活者に向けて素晴らしいプロダクトをたくさん作っています。今もこちらでスーパー軽くて小さく折りたためるアウター“Film Wear”をクラウドファンディング中です。秒で支援しました。
また、普段使わないものや持ち歩かなくてもいいものはサマリーポケットというサービスを使って預けています。昨年紹介しまくったので僕の周りで使う人かなり増えた感覚がありますが、これはスマホアプリで管理できるオンデマンド倉庫サービスです。値段も1箱250円〜と安く、僕は今10箱くらい預けていて、月3000-4000円で収まっています。ここからクリーニングできたり、いらないものをヤフオクに出品できたりするので、とりあえず送っておく、というのが習慣化しています。 (一応1ヶ月無料になる招待コード貼っておきます→ JKJD5Y)
モノに関して思ったのは、アドレスホッピングをしていくうちに感覚が研ぎ澄まされていき、本当に必要なものはどんどんなっていくということです。荷物はどんどん減っていきます。タスク管理やUX設計でもそうですが、Must have(必須)とNice to have(持ってた方がいい)に分けていくと、ほとんどがNice to haveに属するもので、実際これらは持っていてもほぼ使いません。そういったものはどんどんサマポケ に預けていきます。また、そういった意味で、買い物もシビアになりました。本当に「今必要」で「経年で価値が下がらない」モノを好んで買うようになりました。
2. 寝る場所が見つからないことは、絶対にない
二つ目に気になるのは「寝るところどうしてんの?」という点でしょう。これについては、いろんなスタイルがあるのですが、だいたい大別すると、「ホテル」「ホステル・ゲストハウス」「民泊(Airbnb)」「シェアハウス」「友人宅」「サウナ」があります。
日本の都市部は本当にインフラが整っており、かつ今は2020東京オリンピックに向けてホテル建設ラッシュです。値段や種類も様々は宿泊施設がどんどん作られています。僕がアドレスホッピングを始めた当初は、まだ民泊新法が施行させる前だったので、いわゆる違法民泊も合わせてAirbnbの物件が豊富で価格も安く、長期滞在するとさらに割引がついてお得なので、Airbnbを重宝していました(海外では一回りしてAirbnbとても便利です)。しかし2018年6月に民泊新法が施行されてからは国内の民泊事業者数が一気に減り、需給のバランスから価格帯が高騰したため、利用をかなり減らしました。
最近よく利用しているのは、ホステルやサウナです。1泊3000~5000円で宿泊ができて、食事やお風呂が付いていたりするのでとてもありがたい存在です。ただ、場所によってはベッドの質が悪かったり不衛生なところもあるので、ある程度目利きが必要です。僕はだいたいGoogleMapやBooking.comのレビューと写真を見れば、良さを判断できるようになってきました。なので、ほぼハズレはないです。
この1年間、365日ほとんどの場合、その日の夜になるまで宿を決めないスタイルを貫いてきましたが、結論として野宿は一度もありません。一番危なかったのは急遽、青森ねぶた祭に参加した時です。これは流石に日本三大祭りを舐めていたなと後悔したのですが、例年この時期、都内のホテルは満杯、だいたい地元在住の友人宅に泊めてもらう約束をしていくというのが通例のようでして。この時は友達の友達の家に転がり込んで事なきを得ましたが、観光客が密集する場所・タイミングは今後も気をつけようと思いました。
ちなみに一番のおすすめ宿泊スタイルは、「ホームステイ型の民泊」です。かつ、Airbnbであればスーパーホストが付いている宿をお勧めします。なぜかというと、ホームステイ型はホストも同居している形式で、高い評価を受けているホストであれば、ほぼ確実に充実したサービスを提供してくれます。部屋が清潔で対応が柔軟なのはもちろん、美味しい朝食を用意してくれたり、地元のおすすめスポットを紹介してくれたり、何かわからないことがあればすぐチャットで聞けるので、地元の優秀なガイドもセットでついてくるようなものです。実際、僕はヘルシンキとロンドンに、いつでも帰ってきていいよ、と言ってくれる母のようなホストにめぐり合い、また会いにいきたいなと思っているくらいです。
3. スマホとAirPodsさえあれば世界中どこでも働ける
この12月は実験的な意味も込めて、世界中を旅しながらリモートワークで仕事は成立するのか?というテストをやってみました。
僕のメインの仕事はマーケティングです。スタートアップや大企業の新規事業において、どうユーザーを伸ばせばいいのかをアドバイスしたり、時にはチームのマネジメントをしたり、売上目標を持って取り組んだりもします。
9月に独立してから3ヶ月間、国内でもほぼフルリモートで仕事をこなしてきて、行けそうだという感覚がありました。具体的には、基本的にコミュニケーションのメインはSlackやメッセンジャー、対話が必要な時はappear.inやzoomを使います。オンラインで対話するときはAirPodsが大活躍するので、マストバイです。特に、AirPodsがあれば歩きながらでもストレスなく会議ができるので、時間の節約になります。歩きながらの方がいいアイデアがでるものです。また、作業系の仕事はそんなに多くはないのですが、エクセル触ったり、分析したりするときだけのために一応PCも持ち歩いています。スライドやエクセルはGoogleですみますし、カレンダーもメールも全てGoogleです。PCをネット接続するときはモバイルWifiではなく、普通にiPhoneからテザリングで十分です。なんのストレスもなく、仕事をこなせている感覚はあります。
このように国内ではやっていけそうなので、今度は1ヶ月間、世界で実験してみようと。国は、フィンランド、エストニア、ロンドンでした。結論としては、国内と同じように、スマホとAirPodsさえあれば大丈夫でした。問題になるのは、「時差」と「ネットワーク」ですが、時差については、僕がずっとドメスティック企業だったので不慣れな部分があるだけで、慣れと事前調整だけの問題です。また、ネットワークに至っては海外の方がWifi環境がよく、田舎でもカフェや宿に必ず無料の高速Wifiが設置してあり、とても便利に使えました(国によると思いますが)
ただ、時差やフライトの関係でどうしても対話可能時間の制限は増えるので、よりコミットメントを高めて接しないと、どうしてもコミュニケーション量が減ってしまうなとも思います。そこは要注意です。
4. 唯一リアルで会う必要があるのは「飲み会」だけ
仕事はオンラインでリモート完結させることができると言いましたが、成立しないものもあります。それは「飲み会」です。
仕事のように目的が明確で、全員が一つの議題に集中できて、感情や五感に頼らず論理で話を進められるものについては、オンライン会議やテキスト対話が向いています。基本的にはSlackで対話して、複雑な内容や口頭で話すべき内容のみzoomすれば良いのです。
しかし、飲み会のように目的が「仲良くなる」というような集まりにはオンラインは不向きです。特に、いわゆる「ミートアップ」や「パーティ」と呼ばれる類の、不特定多数が集まって、あちらこちらで別の会話が進んでいるパターンは、オンラインでは絶対に完結できません。うるさくて仕方ないですし、そもそも偶発性が大事な場ですので、リアルな空気感や身体的なすれ違いが必要になってきます。
さらに、全員がオンライン参加ならまだしも、「東京で開催しているパーティに自分だけオンラインで顔を出す」という場合は最悪です。基本的に受け身になってしまうので、つまらないですし、どこかで置いてけぼりになります。
逆に、「サシ飲み」ならオンラインでも大丈夫です。5人くらいまでなら全員がオンラインでそれぞれ参加していれば飲み会も成立します。僕もよくやります。
ちなみに、対面コミュニケーションで最も効率がいいとのは、「サウナ飲み会」だと思っています。まずサウナに集合し、一風呂浴びてからサウナ内の食堂で飲むんです。いかにもオジさん臭いと思うかもしれませんが、新宿テルマー湯などは、食堂もおしゃれで男女一緒に飲めますし、半個室の座敷を10人くらいで貸し切ることもできるので、おすすめです。やはり裸の付き合いをするだけで胸を割って話せますし、一度「整って」いるので酒量もそんなに増えません。時間的に、経済的にも、健康的にも、最も効率のいいミートアップ方法だと思っています。本気で。(サウナについては後ほどまた詳しく書きますw)
ちなみに、この辺の話については孫泰蔵さんもこちらで書かれてました。
5. 移動コストが安すぎる件
よく海外旅行している人にとっては普通のことなのかもしれませんが、激務のためこの10年ほぼ旅行にいけていなかった僕から言わせると、学生時代と比べて半額以下になっている感覚があり、劇的な変化でした。「東京→高松=8000円」「東京→ヘルシンキ=5万円」「ヘルシンキ→エストニア=2500円(船)」「エストニア→ロンドン=2万円」(全部、片道です)。特にヨーロッパ内の移動コストってこんなに安いんですね。LCCは偉大だなと思いました。
このように、世界中でいま「移動革命」が起きています。UberやLyft、Taxifyなどはもちろん、フィンランドではヘルシンキを中心に「Whim」というMaasアプリがかなり普及していました。国民のほぼ全員が認知しており、見ている感じ半分くらいが利用している感覚です。まだサービス開始2年くらいなのにすごい。MaasというのはMobile as a serviceの略で、移動手段そのものではなく、ある地点からある地点までの経路を公共交通機関を含めて経路検索できて、その場でスマホ決済できてしまうというものです。しかもそのアプリをバスやタクシーの運転手に見せるだけでOKという優れもの。海外にいって困ることの一つが公共交通機関の決済の仕組みだったりするので、こういうのはもっと普及してほしいなと思いました。経路検索はGoogleMapで十分なんですが、決済がね。
こういった移動革命は、今後自動運転が普及し、Maas市場が拡大していくに連れて、どんどん安価で便利なものになっていくでしょう。いつか?という話を置いておけば、それはもう確実な未来です。そういう未来においては、いままで「ちょっと遠いな、交通費が高いな」と思っていた場所が手軽に、早く、安価にいけるようになるんですから、当たり前のように皆んなもっといろんな場所に移動するようになるんでしょうね。よりアドレスホッピングがしやすい世の中になっていくと言えます。
6. サウナは現代における究極の自己回復装置である
アドレスホッピングを始めてからすっかりサウナにハマってしまいまして、この1年、ほぼ毎日サウナに行ったと言っても過言ではないです。なにより「宿泊+衛生+リラックス+食事」ができて3000円〜という劇的なコスパの良さのため、1/3くらいはサウナに泊まった気がしますし、ちょっと疲れたり引きこもりたくなったらサウナにいくという習慣もできました。12月には遂に念願のフィンランド・エストニアで本場をサウナも体感できましたし、周りの人にサウナを勧めまくっていたので、相当数のサウナーの生み出した気がします。Twitterのフォロワーはサウナ関連の方々がとても多くなってきました。
なぜ、アドレスホッピングとサウナが関連深いかというと、すなわち、動と静のバランスを取るためだと言えます。アドレスホッピングは「動」にフォーカスしたライフスタイルです。もちろん、物理的な移動も多いですし、新しい体験に出会う回数が多い分、心もたくさん動きます。
特に、僕は毎日宿を変えているので、毎朝10時にはチェックアウトしないといけません。部屋でのんびりくつろぐ、ということはほぼ皆無です。それゆえの生活のアクティブさは大きなメリットですが、その分、心身に負担はかかります。当然です。なので、定期的に「静」の状態に戻してあげる習慣が必要になります。集中的にリラックスする時間が必要なのです。部屋でだらだらスマホを見ながら休憩するといった中途半端なものではなく、完全オフラインで、集中して、効率的に心身を休める時間です。それが僕にとってはサウナなんです。
他のアドレスホッパーも、やっぱり何かそういう自分なりのリラックス方法を持っています。例えば、テニスだったり、温泉だったり、瞑想だったり。でも誤解を恐れず言わせてもらうと、サウナが最強だと思っています。24時間いつでも入れて、都内からすぐにアクセスできて、1時間程度で心身ともに回復できる方法は他にありません。(瞑想も本格的に極めたら心のリラックスには良さそうですよね、場所選ばないし)
※厳密に言うと、サウナというよりは温冷交互浴なのですが、わかりやすくサウナと書いてます。体を温めたり、冷やしたりを交互に3回転くらいすることが大事なんです。なので、「銭湯+水風呂」でもいいですし、どうしようもないときは「湯シャワー+水シャワー」で乗り切ることもあります。フィンランドで体験した「サウナ+氷湖」や「サウナ+雪」も最高でした)
7. 運動はランニングが最強にホッピング向き
そういう意味では、ランニングも非常にアドレスホッパーに向いていると言えます。何より、走ろうと思えば、スニーカーとTシャツさえあれば走れるんですから、究極的にミニマルなスポーツです。さらにNike+アプリを使えばランがもっと楽しくなるし、何より、新しい街を知る、もっとも効率の良い方法は、まずその街を走ってみることです。10kmも走ればその街の雰囲気、住んでいる人、賑わっている場所など、街の生態系がなんとなく見えてきます。走りながら、気になった場所があったらちょっと寄り道したりして、まるで散歩するかのように走るんです。すると走ってることも忘れて、全然疲れないですし、冒険みたいにワクワクしてきます。沖縄ランでは海辺を走ってみたり、水天宮ランでは江戸川沿を走ってみたり、フェスランでは森の中を走ってみたり、そういう自由なランを楽しめるようになりました。
8. 究極のローカルの楽しみ方=コミュニティダイブ
アドレスホッピングの究極の醍醐味は?と聞かれたら「コミュニティダイブ」です、と答えるようにしています。
これは僕の造語なのですが、全く知らないコミュニティに飛び込んで、深く入り込んでみる、ということを意味しています。やっぱり地方にいっても、世界の街にいっても、観光資源って結局限られていますし、旅行でいくならまだしも住むという意味では、そこまで楽しみは見出せないんです。それよりも、地元のローカルな人たちとつながって、そのコミュニティの一員になれたなと感じる瞬間は、何ものにも変えがたい楽しみがあります。
例えば、富山・高岡の工芸職人コミュニティの仲間にいれてもらったとき。エストニアの地元サウナに通いつめて、地元の常連サウナー仲間にいれてもらったとき。沖縄に移住した人たちと話して、今の沖縄経済のリアルを知れたとき。そういう部分こそ、短期の旅行にはない、アドレスホッピングならではの楽しみ方だと思っています。結局、人なんだなと思いますね。
以上、「1年間アドレスホッピングしてわかった19のこと(手法編)」でした。いかがでしたか?後半の思想編も近日公開しますので、楽しみにしておいてください!
最後に改めて告知を。
①本日1/8夜22時頃からアベマTVのニュースCh「AbemaPrime」に主演するので、よかったみてください。
②1/16夜20時からアドレスホッパーの新年会をやります!HoppingBar!!興味ある人はぜひこちらから参加表明してください!当日参加、飛び込み参加OKです!