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複業エンジニアと仕事をする際に抑えるべき3つのポイント

1. 働く場所の制約をなくすことで世界中の優秀な人材にリーチでき、迅速なチーム組閣が可能になります

Martin Fowler氏は、働く空間とその関係について4つの分類を行っています。 (参照: https://martinfowler.com/articles/remote-or-co-located.html)

一言でリモートワークといっても、完全に一度も会わないフルリモートのチーム、時差ありのリモートチーム、週1回以上は物理的にも会う機会があるチームというように、リモートの度合いにも濃淡があります。

今回はその4分類のうち、全くリモートワークをしないチーム、リモートワークを積極的に取り入れているチームの2つの例を今回は紹介したいと思います。

シングルサイトチーム

全員1つの同じ場所に集まって仕事する。コミュニケーションはすぐに行なえ、ぞれぞれ何をしているのかがすぐ見える。

リモートファーストチーム

全員がバラバラの場所で働いている状態で、オンライン上でコミュニケーションを取っている状態。ほとんどのオープンソースプロジェクトは、リモートファーストチームで、スタートアップはこの考え方を使っています。

シングルサイトチームはコミュニケーションの容易さから大きな利点が得られる事を示していますが、決して良いことだけではありません。コデアルがリモートワークをおすすめする理由の1つでもありますが、あなたの仕事のために最良の人材を獲得するのは、容易なことではありません

リモートワークは、場所的・時間的な制約を外すことで、雇用できる良い人材の範囲をより広げられる可能性が上がります。その結果として、リモートファーストのチームは、シングルサイトチームと比較して、迅速かつ役割を果たせるチームの組閣を可能にします。

2. 仕事をお願いする前に考えるべきことがあります

円滑にリモートワークを行うには、自由放任過ぎてもいけませんし、だからといって細かく何でもかんでも指示する状態では、管理上マネージャーの時間が奪われてしまいますし、働いている側としても面白くありません。

理想形としては、参画してくれるメンバーが自発的に意思決定・問題解決を行ってくれる自己組織化されたチームを目指すべきですが、いきなりは難しいでしょう。

いくつか重要な項目を説明します。

その仕事をなぜやるのか、マネージャーは説明できますか?

マネージャーからメンバーに業務をお願いするからには、その仕事がなぜ必要なのかが説明できたほうが良いでしょう。プロジェクトの内容について、合意してもらうために「インセプションデッキ」を作り、一緒に確認すると良いでしょう。インセプションデッキについては、Jonathan Rasmusson 著 (2011) 『アジャイルサムライ』の説明がわかりやすいです。

インセプションデッキのテンプレートは以下にあります。
https://github.com/agile-samurai-ja/support/tree/master/blank-inception-deck

仕事を任せる時の役割の定義は適当ですか?

いざお願いしよう!ということで、仕事をお願いしたいところですが、どの範囲までやってもらうのか。という点について、事前に合意をとっておくと良いでしょう。こちらの仕事における各人の役割の定義の仕方に関しては、「社長に投げかけたい。働くにおける期待値調整ができれば会社は変わると思う話」の記事に役割の具体的な決め方の例も紹介していますので、参考にしてみてください。

(1)命令する: マネージャーが業務担当者に、それをするように命令すること
(2)説得する: マネージャーが業務担当者に業務内容について納得させる
(3)相談する: マネージャーが業務担当者に相談した上で業務が遂行される
(4)合意する: 業務担当者・マネージャーの合意のもと業務が遂行される
(5)助言する: 業務担当者が提案を行い、マネージャーは気になる点の指摘を行う
(6)尋ねる: 決定権は業務担当者にあるが、マネージャーが説明を求めることがある
(7)委譲する: 業務担当者がマネージャーの指示なしでやる

ここにズレが生じると、業務担当者にとっては「仕事における役割を任されすぎ?」「与えられている役割が狭く、意思決定の範囲が狭い」となりますし、メンバーに仕事をお願いするマネージャーにとっては「何がやられているかわからない」「自分はどこまで決めればいいのか?」という不安な状況に陥ってしまいます。

広木大地著『エンジニアリング組織論への招待』 技術評論社, p.243

依頼するタスクの粒度はどうなっていますか?

いきなり粒度の大きい仕事を理解することは簡単なことではありません。まずは、やりたいことを小さな仕事に分解し、簡単なものから徐々にお願いしていきましょう。

リモートワークかつ、週1〜2日程度まず転職前に働いてみる場合は、特にタスクが細分化され、仕様等の詳細が正しく伝えられている必要があります。

また、タスクには「完了条件」を必ず記載しましょう。完了条件が無いタスクの存在は、マネージャーにとっては「終わってないように見える」作業者にとっては「終わった」と、意見の不一致を起こします。

3. 気軽に相談ができる環境が重要です

いざ仕事をお願いしたとしても、「やってみたらチョット違った」ということは往々にしてよくあることです。そんなときは、軌道の修正が必要です。

気軽に相談してもらえるようにするには、業務担当者が相談しやすい雰囲気を作るとよいでしょう。この雰囲気を作る上でのコツは「働くをもっと自由にしよう。企業がリモートワーカー受け入れで抑えるべき3つのポイント」の記事も参考していただければと思います。例えば以下のようなパターンがあります

(1)特にリモートワークで重要ですが、チャットサービス (Slack) などは情報が飛び交う雰囲気を作りましょう。Slackでのコミュニケーションをする上では「働き方改革に向けてSlackを使ってプロジェクトの生産性を10倍にする方法」の記事を参考にしてください。チャンネルの分け方にコツがあります。

(2)質問・相談について (もしくは相談が無いことについて) 非難しないようにしましょう。

(3)プライベートチャンネルは個人的な情報のやり取りを除き利用するべきではありません。もしも、プライベートなチャンネルで公開で質問しても問題ない内容であれば、みんなが見える場所に誘導してあげると良いでしょう。

(4)マネージャーも弱みを見せる。例: 技術について強くない分野があれば、強くない事を示しましょう。コデアル株式会社のマネージャーの場合、MBTIの診断結果を添えて、自分の弱みを開示しています。

(5)困ったらいつでもビデオ通話しましょう!と声を掛けると良いでしょう。自分の予定を公開しておくとなお良いです。ビデオ通話は同期的に相談することができる素晴らしいツールです。ただし、複業のスタッフの場合業務時間のズレなどがあります。この点は、お互いにどの時間であれば同期可能かを、事前に合意を取ると良いでしょう。

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