深いクロスボールの「クリア」について
あるトップチームの練習を見学をさせてもらって、意見交換をさせてもらったとき
「日本人はクリアがうまい選手が少ないですよね」
っていう言葉を聞いて、そう言われてみるとそうだなと考え始めた。
クリアがうまくないと
2次攻撃、3次攻撃と相手の攻撃が止まらない。
奪ったボールをを繋ぐことが難しい状況や
一度流れが悪い時に、状況をひっくり返すような時に、
「クリア」は大事である。
クリアが中途半端になったりすると、相手にスキを見せることになる。
そして、中途半端になった時に、点が入ったりする。
綺麗に崩されるゴールは少ない。
ちょっとしたところから、失点につながることが多い。
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クロスボールのクリア:ニア
まず、大前提として、クリアは「大きく、はっきり」が良い。
ボールを繋ぐことも難しく、一度リセットすることが目的なのだから。
ポイント
・大ぶりしない。(遠くへ飛ばそうとすると力が入ってしまう。)
しっかり、面を作り、ミートすること。
クロスボールにスピードがあるので、ミートするだけで、ボールは大きく飛ばすこ
とができる。
・同サイドのできるだけ深い場所へ。
・逆サイドにクリアしようとして、体を無理にひねりすぎない。
図1
ニア(Aの選手)は、同サイドの深いところへ。
図2
無理に体をひねり、中央、逆サイドにクリアしようとすると失敗した際に、中央の危険な場所で相手にカットされてしまう。
クロスボールのクリア:フォア
ポイント
・外側へクリアすることフォアへのボールは浮き球で来ることが多い。
その場合、ヘディングで対応する際には、外側を意識する。
サイドラインやゴールラインへ。
図3
フォア(Bの選手)に来たボールをサイドライン側へヘディングでクリアする。
図4
ゴールライン付近の場合には、ゴールライン側にクリアすることで、プレーを切ること。コーナーキックにはなるが、中途半端に中央に戻すよりは、良い。
ペナルティアークの前のスペースには、クリアしない。
ニア、フォアとクリアの場所、ポイントを非常に簡単にまとめた。
それらを、もっとシンプルに簡単な原則にしてみると、
ペナルティアーク周辺(バイタルエリアと呼ばれたりする)には、クリアしない。
これは、本当に最低限だけど。育成年代から、こういったことを伝えておくことで、クリアに対する意識がかわると思う。
図5
青いエリアには、クリアをしない。
クリア後、ラインアップはマスト
クリアできた場合には、ラインアップはマスト。
※クリアの場所など、チーム戦術などで、基準は変わってくる。
クリア後に少しでも、ラインを上げること。
オフサイドのルールがあるので、
FWへ動き直しを強要することができる。
そうすることで、相手チームの出し手、受け手のタイミングが微妙にズレたりする。
何より、守備側が少しでも主導権を握ろうとする意識が大切だと思っている。
とはいえ、、。
クリアボールで難しい対応をしなければいけない時に、青いエリア付近(図5)にボールがいってしまうことは、良くある。
上記に書いたように毎回できたら、最高だけど、そんな簡単なものじゃない。
なので、大前提として
図5の青い付近を、ボランチなどの選手が管理している必要がある。
※そのためには、全体がコンパクトである必要がある。
(守備ラインの設定なども当然関係してくる。)
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質の高いクロスが入ってきた時は、防げないことはよくある。
最低限、無駄な失点をしないように、
スキを見せないように。したい。