父との関係性に関する考察(1)インナーチャイルドワーク序章
人間のあらゆる面での発達における古今東西の概念を整理しマッピングしたものが、ケン・ウィルバーの著作”インテグラル理論”である。
である、などと知ったように書いたが、今本を横に置きながら見でこのnoteを書いていることを前もって断りたい。
インテグラル理論は、人間の肉体的(筋トレ、ランニング等々)/スキル/精神・心理的/霊的な、発達・トレーニング、探究手法をひとつの地図にまとめた、カオスマップのようなものだと認識すると良いかもしれない。まあすごい取り組みだ。
そうした西へ東へ、過去へ、最新科学へ、人を色々な面で鍛えるトレーニングやら資格習得やら自己啓発やらスピリチュアルなセミナーなど多種多様なサービスが提供されているが、真に我々が取り組むべきものは何なのか。
あまりにも情報が早く目の前を通り過ぎる時代において、次から次へと我々を刺激する
「●●じゃなきゃヤバすぎ!?10年後にはなくなる仕事5選」
「いますぐDXという言葉を捨てろ。中小企業の真のトランスフォームとは」
「筋トレはすべてを解決する」
「あなたのスキルは大丈夫?リスキリングまったなし!!」
「3か月でTOEIC350点⇒900点をとった高卒フリーターの勉強法」
「ヨガでインナーマッスルを鍛えて100年人生に打ち勝つ」
「マインドフルネスで業務効率を爆上げする方法」
「サ活でととのえば怖いものなし!」
全部適当に書いた見出しだが、Yahooニュースか本屋にいけば全部似たような媒体が見つかるだろう。
どの見出しも正直魅力的で、「あれもしたい」「これもしたい」「もっとしたい」「もっともっとしたい」状態になってしまうのは私だけであろうか。ついでに「でも私の仕事はつまらないし」「わたしは何の専門性もないし」「いうてもスパイファミリー見たい」「ゼルダやりたい」「息抜きも大事でしょ」となって優先順位もつかず、なんだか最後に残るのは「私って何も踏み出せないなぁ」感だったりすることもあるのではないか。
とにかく溢れている。戦国時代末期に私が一国一城の武将だったとして、ある日茶会で厠に立った時に一緒に離席した茶人が「これからの世に戦はないよ。銭と政で如何に功をたてるかです」などと言っていたら、私は「勝ち筋見出したり!!」とわき目もふらずにその論理に飛びついて(ついでに刀と槍と具足は売却して)、関所の関税を撤廃しや貿易と農業の発展のために水路整備等々を行ったことであろう。
しかし私は武将でもないし、情報の溢れる現代社会を生きるちっぽけな30代の男だ。迷いに迷うのだ。
優先順位をつけられない私にケン・ウィルバーはいう。
古今東西のあらゆる側面の発達の実践は、以下の4領域に収斂すると。
「体」:Body:健康維持、鍛錬、技の習得等々
「心」:Mind:語学、資格、専門知見の獲得
「魂」:Spirits(Soul):瞑想、ヨガ、スピリチュアル、無の探究
「影」:Shadow:己の影を見つめること
そして、人間の発達においてはこの4領域をバランスよく伸ばしていくことがインテグラル=統合的な発達を促すと。
各領域の詳しい解説はまた別のnoteに譲ろうと思うが、要するに4領域をバランスよく育てていくことが大切だというのだ。
仮に私が、瞑想ばっかりして仏のように穏やかな顔をしていても、仕事もせず金がないので不健康で、勉強もろくにしていないのであれば、何を悟ってもその価値(価値とは何か?人生の価値?)はたかが知れているだろう。
実際お坊さんはいろいろな人の世話、カウンセリングのようなこともするが一般社会、経済に関する見識はかなり豊富だ、「心」スキルを鍛えている。つまりお坊さんも「魂」ばかり鍛えているわけでない。もっといえばお坊さんの二の腕を見たことがあるだろうか。結構ゴツい人が多いのだ。「体」も鍛えている。(日本史にでてくる「僧兵」とかね!)
さて「体」「心」「魂」これは結構わかりやすいのではないだろうか。
他方、やけにわかりにくいのが、そう「影」だ。
「入門 インテグラル理論」によれば「影」の領域を実践することは、
我々が排除・抑圧した事故の部分や側面(=影)を回復するための実践
と説明されている。
私自身は以下の3点を通じて、様々な形で自身の、あるいは他者の「影」に触れ、またその理論に触れたことでわかりにくい「影」領域の意味、その理解が徐々に深まっていると感じる。
とはいえ「影」の実践は筋トレ以上に一朝一夕ではいかず、また今後も必ず壁にぶつかるたびに忍び寄る「影」でもあるので、本当にスタートラインにやっと立てたレベルなのだが。。
ポジウィルでのキャリアトレーニング(私がクライアント)
ポジウィル認定講座における実践(私がトレーナー)
書籍から修得した知識(インテグラル理論、裁判官・妨害者、メンタルモデル、親子の法則etc…)
「入門 インテグラル理論」は続ける。
影とは、そもそも、何らかの理由のために、いったん意識から排除されたものです。それは脅威をもたらすものであるから、排除されたのです。影領域の実践とは、そうした受け容れがたいものを統合する試みです。
キャリア、ここでは広義の意味で、人生を前向きに進むためにはキャリアへの関心、統制、キャリアを探究する好奇心、以上を踏まえた自信の4点セット=適合性が必要だということも学んだ(マーク・サビカス、キャリアアダプタビリティ)。
私なりに「影」をキャリア適合性に統合して再解釈すると本質的な関心や統制、好奇心、そして自信を発揮するためには自身に潜む「影」を見つめなおすことなくして前進しないと思える。
だからこそポジウィルのキャリアトレーニングでも、認定講座でも相当のボリュームを割いて己が「影」に向き合うのだと思う。
キャリアトレーニングにおいても実践し、その後のワークでも何度か実践したが、改めて認定講座を受けて、今後トレーナーとして活動したいと考えたときに「おれはおれの影に向き合えているかな?」と感じた。
以前よりもさらにしっかりと向き合えるのではないか。
そう考えてnoteにその実践と、実践してみた感想を言語化・体系化し、ここに記録として残したい。
前段が長くなってしまったが、(2)以降で私が自身の「影」を想うときに必ず頭をもたげる父との関係性についてまとめていきたい。