400字小説 | 秘密
「人は一つや二つ言えない秘密があるんだよ。」
お母ちゃんは僕の手を繋ぎなぎがらそう言った。
「言えない秘密?お母ちゃんの言えない秘密ってなに?」
「言わないよ。だって言えない秘密だもん。」
「えー、教えてよ。気になるじゃん。」
「じゃあね、健ちゃんの言えない秘密を教えてくれたら教えてあげる。」
「んー、寝る時お母ちゃんが僕の手を繋いでくれないと怖くて寝れない。」
「そんなのダメよ。分かりきってるもん。」
「えー。じゃあ僕言えない秘密なんてないよ。」
「じゃあ残念。教えられないな。」
「お母ちゃんのケチ。」
「もーそんな知りたいの?じゃあしょうがないなー。」
「教えてくれるの?やったー。」
そして、お母ちゃんは壁に飾ってあるお父ちゃんの顔を見ながらこう言った。
「寝る時お父ちゃんが私の手を繋いでくれないと怖くて寝れないんだ。」
「このロープを掴め。」
誰かが僕にそう言った。
「やだね。」
「ここから出たくないのか?」
「どうせ僕を捕まえる気でしょ?」
「何言ってんだ。じゃあ知らねえからな。」
ロープが徐々に上に上がった。
僕は勇気を出してロープにしがみついた。
するとどうだろう。
井戸の中にいた僕は初めて広大な海を見た。
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