偽りのSDGs「グリーンウオッシュ」
先日私の所属する松永エリックゼミで「ゴミはなぜ出る?ゴミはどこへいく?地球の環境問題を考える」というテーマでゴミ問題の現状を理解し、学び私たちの責任は何かディスカッションをしました。その中の一部を今回投稿します。
発表資料:https://www.canva.com/design/DAFNBeShjwc/4Gf-O2EgWkRoMTdmOHlW3Q/view?utm_content=DAFNBeShjwc&utm_campaign=designshare&utm_medium=link&utm_source=homepage_design_menu
当日の様子:https://www.youtube.com/watch?v=kFzmlYLpOP4
1.レジ袋の有料化は意味があるのだろうか
SDGsが2015年に国連総会で採択され環境問題について考える機会が増えてました。
この一環で日本でも2020年7月1日からレジ袋が有料化されることになりました。
レジ袋の有料化によって海洋プラスチック問題の解決につながると考えられています。しかし、イギリスの環境省が2011年に発表した、レジ袋のライフサイクルアセスメントによるとエコバック(コットン製のもの)を113回以上使わないと環境負荷が大きくなってしまうというデータがあります。レジ袋を使っていれば必ずしも環境にいいわけではなく、使い続けることが大事です。
2.グリーンウオッシュってなんだろう
エコバックのように消費者が環境にいいと思うものは他にも沢山あります。このように、実際には環境に十分配慮していない商品やブランドについて、パッケージやPRなどを通じて「エコ」「環境にやさしい」といった誤った印象を与える行為のことをグリーンウオッシュと呼びます。
英語で「うわべを取り繕うこと」を意味する「Whitewashing」と、「環境にやさしい」という意味の「Green」を組み合わせて作られた造語です。
最近になり、聞く機会が増えたグリーンウオッシュは、実は、1980年代にアメリカの環境活動家によって唱えられました。
3.ESGとグリーンウオッシュ
それではなぜ企業はグリーンウオッシュと呼ばれるPRを出してしまうのでしょうか。2006年に投資判断の新たな観点として、責任投資原則(PRI)の中で「ESG」が提唱されるようになりました。その結果環境へ配慮した株を求める動きができ、企業は実際とは異なるPRを出すことに繋がりました。このような社会に対しての企業に責任があるという動きは、1920年代に企業が利益を追求するだけでなく、社会に与える影響を配慮するべきだとされる「CSR」の考えから始まりました。その後、1969年にIBMから始まった企業も地域社会における良き市民として存在し、社会に貢献すべきという考えであるという「コーポレートシティズンシップ」という考えの後現在のESGに繋がりました。
4.過去の事例
グリーンウオッシュの実際の事例について2つ紹介します。
・トヨタ
2008年にベルギーでハイブリッド車の広告に使用した「Zero emissions low (CO2排出量ゼロの低さ)」という表現がありました。しかし、実際の数値などとの関連性が明示されておらず、グリーンウォッシュであるとの指摘がありました。
・マクドナルド
2018年に環境保全の観点からイギリス、アイルランドの全ての店舗でプラスックストローから、紙製のストローに切り替えられました。当初リサイクル可能な紙製ストローの使用が絶賛されました。しかし実際には紙製のストローはそのまま廃棄されていたことからグリーンウオッシュであると批判を浴びました。
5.法律の役割
一般消費者はどの商品がグリーンウオッシュであるか判断するのは非常に難しいです。そのため主要国ではグリーンウオッシュの規制が進んでいます。
・各国の対応
環境分野への取り組みが進む欧米では、すでに規制が設けられている国も多くあります。例えばフランスでは、直接的な制裁措置を含むグリーンウォッシュ規制が導入されました。アメリカでも連邦取引委員会がグリーンウォッシュの疑いのある企業の摘発を行っています。
・日本の対応
日本では環境省や消費者庁がガイドラインを発表していますが、強い規制はしかれておらず、欧米に比べるとまだまだ遅れている状況です。現在金融面でのグリーンウォッシュを防ぐための取り組みとして、金融庁が東京証券取引所と連携して第三者機関によるグリーンボンドの精査などを進めようとしています。
6.私たちの役割
日本ではグリーウオッシュに関する規制があまりない状況です。そんな今個人一人一人が環境について考える時間を設け行動に移すことが求められるのではないでしょうか。
※エリックゼミでは、9月24日(土)に私たちの責任として渋谷でクリーンナップイベントを開催します。当日の様子は再度noteにてアップします。
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