ショウタトウゴ|ノスタルジックスクリブナー

郷愁という感覚は切ないけれど同時にとても幸せで、僕はそんな郷愁の想いを言葉にして誰かと共有できたらいいなと、そう思っていつも文章を書いています。だからノスタルジックスクリブナー。スクリブナーとは「書士」のこと。 仕事は行政書士と司法書士をやっています。代書人なんて呼ばないで。

ショウタトウゴ|ノスタルジックスクリブナー

郷愁という感覚は切ないけれど同時にとても幸せで、僕はそんな郷愁の想いを言葉にして誰かと共有できたらいいなと、そう思っていつも文章を書いています。だからノスタルジックスクリブナー。スクリブナーとは「書士」のこと。 仕事は行政書士と司法書士をやっています。代書人なんて呼ばないで。

最近の記事

エースに完敗!乾杯!!!

(アウトだ!) 自分に向かってくる相手のサーブの弾道を見ながら、僕は確信した。 とっさにアンダーレシーブの構えを崩して、体を横にずらす。 案の定、ボールはコートのラインを越えた向こう側で音を立てて弾んだ。 線審がその手に持つフラッグを勢いよく真上に掲げたのを見て、僕は胸をなでおろした。 インアウトの判別が苦手だった僕だけれど、どうやら今回は大丈夫だったらしい。 笛をならした主審のジャッジも当然アウト。 サーブ権(懐かしい)が僕のチームへ移ってきた。 しかし、ほっとした僕に

    • 想いを今届けたい。

      ここ5年間くらい、ずっと心に思っていたことがある。 それは 『2020年に全ての力を解放しよう』 ということ。 最初はただ漠然と思っていただけ。 2020年はちょうど40歳になるし、東京オリンピックもあるし。 正直なところ思いついたときにはむしろ色々なことができていないことの言い訳だったのかもしれない。 「いや、俺はまだ本気出してないから」的な。 「本番は2020年からだから」的な。   ただその年が目の前に迫ってきた今、この数年を振り返ってみて思う。 確かに最初は

      • グッバイ僕らの青春、ポケットベル。

        東京テレメッセージが9月末日をもって、サービスを終了しました。 ビジネスツールとして、そしてコミュニケーションツールとして、約半世紀に渡って利用されてきたポケットベル。 「ポケベルが鳴らなくて」は今日から日本国民全員が対象です。 鳴らなかったからといって恋が待ちぼうけしているわけではないけれど。 1980年生まれの僕にとって、ビジネスツールとしてのポケベルには馴染みはなく、それは専らコミュニケーションツールでした。 友達と一緒に契約へ行った蒲田の電気店。 男同士で下二桁だ

        • あのセリフを言うべきなのはムスカだった!

          先週の金曜日をもって今年の「3週連続 夏はジブリ」が終了した。 今年のラインナップは ・千と千尋の神隠し ・崖の上のポニョ ・天空の城ラピュタ だった。 やはりラピュタは文句なく面白い。 全く無駄なシーンが無い。 ずっと集中して観ていられる。 意外とそういう映画って少ないんじゃないだろうか。 さて、金曜ロードショーでラピュタが放送されるといつも盛り上がるのがパズーとシータが滅びの呪文をいうのに合わせてツイートをする通称「バルス祭り」である。 今年も結構な盛り上がりを見

          いつの間にか球児たちを追い越していた

          「大きなお兄ちゃんたちが野球をやっている」 幼い頃の思い出として、頭の片隅に残っている夏の甲子園。 ブラウン管の向こうで野球をしている高校球児たちはとてもまぶしくて、とても大きなお兄ちゃんに見えた。 高校野球といえば松山商業だった。 祖父母が松山に住んでいたから。 スポーツニュースで真っ先に流れるその試合結果を見て、祖父は表情にこそ出していなかったが、機嫌が良くなったり悪くなったりした。 昭和61年の夏大会で決勝に進んだ松山商業は奈良県代表の天理高校と対戦した。 結果は

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          ジブリ映画が僕は浮気性なのではないかと不安な気持ちにさせる

           今夜の金曜ロードショーは”千と千尋の神隠し”らしい。それを知った僕は、朝からわくわくが止まらない。 千と千尋の神隠しは映画館で観た。今ふと思い出したけれど、初めて一人で見た映画が千と千尋の神隠しだった。川崎の映画館で。  もう18年も前の映画だというのだから驚いてしまう。 20代で初めて映画館で見てから、その後も何度も何度も繰り返し見た。 DVDは買ったし、ハードディスクには以前放送された金曜ロードショーが録画してある。そしてそれは千と千尋の神隠しに限らず、他のジブリ映画

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          ねずみ花火なんてなくなってしまえばいいのに

           今年の夏も毎日暑い日が続いている。 さっき今週末の天気予報を見てみたら土曜日の東京の最高気温は37℃! それだけでも十分驚きなのに最低気温を見てみたらなんと29℃。 僕らが幼い頃の真夏の最高気温じゃないか。 人も冷房も息つく暇のない夏。  そんな暑い暑い夏を彩る風物詩はいくつもあるけれど、その代表格として挙げられるのが花火だろう。 もちろん花火は夏に限ったイベントでは無いし、ディズニーランドでは毎日のように打ち上げられているけれども、夜空に鮮やかに描かれる大輪の花を見れば

          ねずみ花火なんてなくなってしまえばいいのに

          自己紹介 | 僕ショウタトウゴです

          【2019年8月9日更新】 ある程度時間が経っているのに初めましても何も無いんじゃないかと思いますが、プロフィール記事に関してはまだ書いていませんでしたので、ここで初めましての挨拶も兼ねて一度書きたいと思います。 「私の生い立ち」や「愛して止まないものたち」のこと、そんなことを書いて皆さんに少しでも私のことを知っていただければ幸いです。 ところで普段記事を書く際には一人称を「僕」にして書いていますが、タイトルに思い切って「僕」を入れてみたら語呂の悪いドラえもんみたいになった

          日本の夏が失った夕涼み

          【夕涼み】 夏の暑かった日の夕方に、戸外や縁側に出て涼を取り、夏の夕暮れを楽しむこと 一日中とにかく暑い毎日が続く夏ばかりで、夕涼みという言葉はどこかへ行ってしまった。 きっと今の子供たちがそれを聞いても一体何の事だろうと思うに違いない。 東京には涼しい夕方も無いし、縁側も無い。 夏休みの早い時間にお風呂に入ることがたまらなく好きだった。 昼間に目一杯遊んで帰り、いつもより冷たいシャワーを浴びた夕方。 濡れた髪で窓の外を見ればまだまだ明るくて、昼間の暑さから解放されたその

          よっちゃんイカが僕に自分でやってみることの楽しさを教えてくれた

          全英女子オープンで渋野日向子選手が優勝という快挙を成し遂げた。 開幕時には全くと言っていいほど注目されていなかった選手が日本人として史上二人目の、実に42年振りとなるメジャー制覇を達成したそのストーリーは海外でもシンデレラストーリーとして賞賛を伴って報道されているようだ。 どうも暗く不安なニュースが多い最近の報道の中にあって、際立って明るいニュース。 終始笑顔でラウンドする渋野選手の姿もまたその明るさに拍車をかけたと思う。 優勝で一気に注目が集まったのが、渋野選手がコースで

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          真っ赤に染まる空を見て、僕らは火事だ火事だとバイクで走り出した

          大学一年生のときに車の免許は取ったけれど、交通手段は主に原付だった。 車は親の持ち物だったし、そこまで行動範囲も広くなかったから原付で十分だったんだ。 大学へも原付で行った。 中原街道と環七を使うとおよそ40分程度で着いた。 一度だけ雨に濡れた道路でスリップして転んだことがあったけれど、他には大きな事故をすることもなく、楽しい原付ライフを送っていた。 アルバイトは近所の焼肉店でしていた。 時給は1000円無かったんじゃないだろうか。 けれども毎回出てくるまかないがとても美

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          コインランドリーのあの匂いがたまらない

          コインランドリーのあの匂いが好きだという人は多いはずだ。 僕はどうかと言うと、すごく好き。そして嫌いな人なんてきっといないだろうくらいに思っている。 けれども先ほど試しにGoogleでコインランドリーと入力してみたら、「匂い 好き」よりも「匂い 嫌い」の候補が上位にいた。 ああ多分何かの間違いだろう。 というよりあの匂いが好きな人は、きっといちいちそれについて主張したりせず、コインランドリーに入るたび静かにその幸福に体を震わせ、コインランドリーの前を通るたびにその匂いに惹か

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          中華テーブルが日本発祥だったなんて!

          中華料理店に入れば店内に必ずそのテーブルが置かれた席があると言ってもいいほど、普及率が高い中華テーブル。 わざわざ説明しなくてもご存知かと思いますが、真ん中がくるくる回るあれです。 子供がやたらと回したがるあのテーブル。 完全に中国発祥の物だと思っていたのですが、どうやら日本発祥のもので、しかも目黒雅叙園で生まれたものらしいんです。 大田区出身の僕は、随分と近くで生まれたものだと驚いてしまいました。 中華料理は大皿に乗せて提供し、それを各人で取り分けて食べるのが当たり前。

          中華テーブルが日本発祥だったなんて!

          あの頃、蝉は寝ぼけていた

          幼い頃の夏休み。 東京を離れて祖父母が住む田舎へ行くと、町中から聞こえてくる大合唱にいつも驚かされた。 私の育った東京の端っこにある町は、大きな川が流れていたり、その川沿いにはそれなりに大きい公園があったりして、都会にしては確かに緑が多い場所だったけれど、夏になると聞こえてくる蝉の声のボリュームはやはり田舎のそれには全く敵わなかった。 どうして田舎の方が大きく聞こえるのかは、もちろん生息している数の違いが一番大きな理由であったと思うが、生息している種類の違いも大きかったのでは

          真夜中のカーディガンズ

          真夜中にカーディガンズを聴くと危ない。 心が一気に過去へとグーっと引っ張られてしまう。 ラブミラブミ、セイザッチュラブミ。 歌声とサウンドは必要以上に心を掴んで離さない。 もう少し手前で止まることを想定していたのに、それ以上に過去へ引き戻される。 フーミフーミ、ゴーオンナフーミ。 けれどもいくら過去へ戻されても、想っているのは現在(いま)の人。 どれだけ戻されても、結局頭に浮かぶのは現在どうしようもなく愛している人だったりして、その瞬間音楽っていうのは本当に素晴ら

          グラス売り場は怖くて歩けない。

          プレゼントを選ぶ時間は楽しい。 果たして喜んでくれるだろうか?という不安が適度なプレッシャーとなって、自ずと選ぶ時間も長くなる。 自分の物ならばどんな買い物でもすぐに決められる自信があるのにそれとは大違いだ。 途端に優柔不断が顔を出す。 そんな優柔不断な私にとっての強い味方が百貨店である。 あっちの店に行ったりこっちの店に行ったりと器用に買い物をすることに慣れていない私にとって、一つの建物にたくさんのお店が集まっていることはとても重要なことなのだ。 それに百貨店は漠然とした