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影響を受けたアーティストを語る

今回は音楽記事の第一弾として、僕が人生の中で特に影響を受けたアーティストについて、できるだけ時系列順に語ろうかと思います。

ポルノグラフィティ

中学生の時に友達の影響でめちゃくちゃ聴いてた。
ポルノ自身も、小学生の時にアポロでガツンと売れて、アゲハ蝶で確固たる地位を得て、まさにノリに乗っている時期だったから聴くのも自然な流れだったのかもしれない。
当時出た「THUMPX」を中心に、ベストやら過去のアルバムやらを遡って聴いた。でも特に深く聴いたのは「THUMPX」かなぁ。どの曲も非常に思い出深い。
曲もさることながら、歌詞にもとても感銘を受けていた。晴一の書く歌詞が好きで。「オレ、天使」なんか今聞くとめちゃくちゃ中二病な感じなんだけど、当時はすごくシニカルでかっこよく思ってた。「カルマの坂」はまるで映画のような詞で感動した。「シスター」を聞くと、少し肌寒くなってきた9月下旬に行ったナガシマスパーランドを思い出す。空気の匂いのする音楽は良い。
教室の机に歌詞とか書いてたなぁ。今となると痛いけど。それも良い思い出だ。
高校以降はほとんど聴かなくなってしまったけど、最近改めて昭仁の声は天性の才能だなと思った。あの人の歌声はすごい。頭の裏からスコーンと抜けるような声質なのに癖がある。本当に唯一無二。

ELLEGARDEN

高校入学前後くらいに、これまた友達に勧められて知った。
知った当時は、ちょうど前の年に「Space Sonic」を出してかなり来ていた時期で、そんなにインディーズとか掘っていない僕のようなライトリスナーにも徐々に知られてきているような時だった。
ただ、誰もが知っている、というよりかは、少しロックに興味を持って掘り下げ始めてきていた人や、バンドをやっていた人が知っている、というような立ち位置ではあったように思う。

エルレはその後、かなり長きに渡って自分に多大な影響を及ぼしたアーティストで、正直言うと今でも心の中心に静かに鎮座はしている気がする。実家みたいな感じ。特に目新しい刺激はもう無いんだけど、昔を思い起こさせてくれる存在というか。

エルレは語りだすと記事一つ分くらいの長さになってしまうので、別の機会に書きたいと思います。
今回は簡潔に書きたいと思うけど、当時高校に入ってバンドを始めたこともあり、ほぼ自分の思想の中心にいた存在だった。
バンドの楽しさ、音楽の楽しさを教えてくれた存在だったし、完全に青春の思い出の一つになっている。
エルレをきっかけに、そこら周辺のバンドも知ったし、メロコアを聞き始めたきっかけにもなった。ただ個人的にはエルレをメロコアにカテゴライズするのは好きじゃない。彼らはかなりオルタナティブなバンドです

Zebrahead

これも高校入る直前ぐらいに、CD屋でたまたま視聴して脳天を直撃したバンド。中三の時にGreen Dayの「American Idiot」を聴いて洋楽に興味を持って、自分も何か洋楽のCDが欲しい!と思っていた時にドンピシャで出会った。
その時はまだ自分の周りでZebraheadを聴いている人なんていなくて、親にCDを買ってもらって部屋のコンポで聴いたときは、自分だけの宝物を手に入れたような気持だった。
このバンドが洋楽への入り口となり、Blink-182やGood Charlotte、SUM41、New Found Gloryなどを知るきっかけとなった。

Gorillaz

エルレとZebraheadとの出会いをきっかけに、国内外のメロコア界隈を聴き漁ってた高校時代、そんな自分にも受験期が来て、勉強ばかりの毎日に心身ともに疲れが来る。
もちろん、それまで自分の好きなバンドはいつ聴いても自分を元気づけてくれるのだけれど、どっちかというとテンション高めなそれらの曲はその日によって、「今日はなんか違うな」と思う日が出てくるようになった。
そんな時に出会ったGorillaz。
元々アー写というか、Demon Daysのジャケは知ってて、何となくかっこいいなと思っていた時に、たまたまTSUTAYAで借りたのが全ての始まり。
これまで聴いてきたアーティストとはまるで毛色が違う。ダウナーで、気だるくて、でも何か癖になる。
辛いことがあっても大丈夫だ!前へ進もうぜ!的なノリを感じるメロコア勢に対し、辛い事?別にいいじゃん。どうしようもねぇよ。あぐら書いて座ってようぜみたいな雰囲気をGorillazに感じ、それが受験で疲れ切っていた自分にバッチリはまってしまった。

このアーティストをきっかけに、「非ロック」的な音楽を聴くようになった。それは大学に入ってからだけど。自分の音楽的嗜好の転換のきっかけになったアーティスト。

Radiohead

もうレディへを上げる時点でどれだけ自分の嗜好がGorillazによって変えられたかが分かると思うけど。
大学生初めのころ、所属していた軽音部の先輩に教えてもらって知った。
Gorillazは、あくまでダウナーな雰囲気が気持ちよく、もちろん曲が気に入っていたのは大前提としてあるのだけど、感情を高ぶらせてくれる存在ではなかった。
ただレディへの「2+2=5」を初めて聴いたとき、圧倒的にダークな音像なのに、どうしようもなくテンションが上がっている自分がいた。
メロのアルペジオ主体の部分から、サビ(と呼んでいいのか?)のBecause~からのアンサンブル。頭を抱えながら横にブンブン振り、歌うトムヨークが浮かんでくる。
背筋が、ゾクッとした。一気に引き込まれてしまった。
その他にも、彼らの多彩過ぎる曲たちに毎度驚かされてばかりだった。
好きになったきっかけの曲が「Creep」ではなく「2+2=5」だったから、何となく初期のアルバムより「Kid A」以降の方が未だに好みだったりする。

そんなこんなで、彼らをきっかけに、「ポストロック」という言葉を知った。これがまた、新たな深い底なし沼に誘われる原因となる。

Sigur Ros

レディへとほぼ同時期に好きになった。ポストロックというキーワードではまぁ最初の方に出てくるよね。
最初に聴いた時の印象は、「あまりに抽象的すぎる…」だった。霧の中を漂っているような感覚で。
良さが分かるのに少し時間がかかった。最初のインパクトみたいなのは無かったかも。

だけど、ある日気付いた。シガーロスの音楽は、日常の景色に自然に、そして時にその景色を何倍にも色濃く彩ってくれる存在なのだと。
一人で見た遠くの花火大会、フェス帰りの新幹線から見た景色、何気ない日常の一コマ。シガーロスの曲を聴きながら過ごす瞬間は、まるで自分が映画の主人公にでもなったようで。
パーソナルな意見以外で言うと、彼らの楽曲は、行ったことはないけれど、アイスランドの荒涼たる美しい景色をそのまま音楽にパッケージしたような感覚さえする。
美しい瞬間もそうでない瞬間も、全てを特別な時間にしてくれるアーティスト。

そういった経験から、少しずつシガーロスの音楽の良さが理解でき、特別になっていった。

Number Girl

知った時はすでに解散していたのが悔やまれた。(再結成ライブは奇跡的に見に行けた)
なんというか、ちょうどこの時、「こういうバンドがあったらいいな」と思っていたバンドに出会ってしまったような感覚だった。
初めてみた「鉄風鋭くなって」のPVで一気に引き込まれた。ローカルの宗教の教祖みたいなボーカル、何考えてるのか分からない他のメンバー。キレッキレの演奏。漂う焦燥感。
シュールかつ暴力的。B級のヤクザ映画を見ているよう。
美容院ではなく床屋、ワインではなく日本酒、電子タバコではなく紙タバコ、でも無骨とも違う、そんなバンド。

My Bloody Valentine

ここからは社会人になってから好きになったアーティスト。
そもそものきっかけがスーパーカーをたまたま聴いて好きになり、彼らの1stアルバムが所謂シューゲイザーというジャンルで括られることを知り、シューゲイザーとはなんぞや…と調べていく中で、当然ながら最初に出会ったのであった。
最初に「To Here Knows When」を聴いたとき、蜂の大軍の音をサンプリングしているのかと思った。ところがどっこい、ギターの音だったんです。
シューゲイザーの金字塔とも言うべきアルバム「Loveless」は、すべての曲がシームレスに繋がり、まるで一枚の絵画が出来上がっていく様を見ているよう。
押しては返す波のような轟音ギター、霧のようで甘美なボーカル、タイトなリズム隊。全く知らなかった世界に迷い込んだ気持だった。
ずっと白昼夢を見ているような音世界もさることながら、どうやってあの音を出しているのか、と技術的な部分も深く研究するようになった。ここを入り口とし、新たなシューゲイザーの海へ乗り出すこととなった。

Hammock

大学時代からずっと聞き続けていたポストロックや、シューゲイザーをきっかけに、アバンギャルドな世界に興味を持った。
要するに商業的な音楽とは全く対極にいるような音楽である。
その流れで、「アンビエント」というジャンルがあることを知る。
アンビエントは直訳で「環境」であり、まさしく身の回りの環境に溶け込んでしまうような、非常に匿名性の高い音楽である。
そんな中で知ったHammockは、あくまでアンビエント然としていながらも、どことなく人懐っこいフレーズや、たまにボーカルも入ったりと聞きやすく、入り口にはぴったりだった。そして単なるきっかけだけに留まらず、彼らの作品はほぼすべて網羅するほど聴き込んだ。
このジャンルが好きになったのも、シガーロスに教えてもらった音楽との向き合い方の流れの一派なのかなとも思う。今自分の周りに起きていることへのBGM。世界に音楽をつけるのだ。
このアンビエントというジャンル、さらに深いところで「ドローン」というジャンルもあるのだけれど、かなり底が深く、むしろ底がないんじゃないかとも思う。乱暴な言い方をすれば何でもあり。決まったフォーマットなどなく、非常に自由度が高い。アマチュアでも質の良い楽曲を作っている人もたくさんいる。これからも自分の生活と共にあってほしいと思う。

以上が、自分の音楽的嗜好に特に強く影響を与えたアーティスト達でした。
かなり長くなったこと、お許しください。
それではまた次回の記事で。

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