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Magic Onlineを無限に遊ぶために必要なこと

吾輩はMagic Online(以下MOとする)大好き人間である。名前はYamaroだ。

厳密にいうと、MTGが好きで、MTGで勝つためにMOで練習を繰り返している人間である。毎月20リーグ、つまり100戦を目標にMOに入り浸っている。

2011年からプレイを始め、これまでに50万円ほど課金してきた。Arenaとは違い、MOは一部を除いて基本的なプレイが有料なのだから当然だ。ゲームをするのにお金を払わなければならない。
MOをプレイしてMTGを上手くなりたいなら課金しろ!という感覚は、Arenaから入った人には受け入れがたいかもしれないが、ゲームを遊ぶのにお金を払うのは当然だと思って受け入れていた。

しかし、この50万円の課金のうち、ほぼすべてが2018年以前の課金である。2018年2月より後は、イベントの参加費として課金以外で支払う方法がなかったEternal Weekendへの課金だけで、一切現金を支出していない。
2010年代前半の賞品形態が一新されたのがこの時期で、現在のリーグ形式+Treasure Chest&Play Point(以下TC、PPとする)による賞品形態が確立されてからは通常プレイに一切の課金を要していない。もちろん、新セットの発売により新しいカードが必要になっても、その分の購入用チケットにも課金していない。
それどころか、TCやPPはプレイする度に増えて余り続けている。

「君強いんでしょ?誰でもそんなことはできないよ」なんて思うかもしれないけど、実はそうでもない。
計算上、手に入れたTCをすべて売却する前提で、“TC買取1.8tix”という条件下でも“勝率51%”あれば収支がほぼ±0になる。1対1の対戦型ゲームで勝率ほぼ50%となればそこまで難しいことではないというのはわかると思う。そして、TCの買い取りが高い時なら勝率50%を下回っても収支はプラスになる。

勝率が60%近く、かつ、ある程度の回数を継続的にプレイすることができる人は、プラスになった収支をMO内のカードの購入にまわすことができるようになる。利益がカードの購入費用を上回ることができれば永久機関の完成である。
MOの永久機関化は、誰にでもできるとはまでは言わないが、ごく一部の人にだけ許された天才の領域ではない。

これからMOを始める人や、MOで永く遊びたいという人のために、やるべきこと&やってはいけないことを以下にまとめておく。

1 リーグに食らいつけ

リーグは、それほど高くない参加費でプレイ回数を重ねることができる。そして確率に依存する事象は、試行回数が多ければ多いほど結果が期待値に近付く(大数の法則)。
チャレンジはリーグの3倍の30tix参加費がかかり、勝てば利益は大きいが、負ければ損失も大きい。不運が重なるとあっという間にチケットが枯渇してしまう。
それに対してリーグは10tixで参加でき、5回の対戦が確約されている。2-3と負け越しても50PPが返還されるなど、かなり資産を失い難い賞品形態になっている。仮に3-2×3、2-3×1と平凡な成績でもTCが3個とPPが-50になる。TC=1.8の買い取りで計算しても5.4tixの収入、50PPが実質5tixなので5.4-5=0.4tixの利益を得られる計算になる。
前述のとおり、リーグに食らいついていれば勝率約50%でも遊び続けていくことができる。とにかくリーグで遊ぶことを勧める。特にチケットやPPに余裕がない初期は、延々とリーグを周回するのが良いだろう。3敗しても2-3を目指してくらいついていけ。

2 リミテッドは遊ぶな

前段の話は、構築リーグの話である。リミテッド(ファントムを除く)に参加してはいけない。リミテッドには参加費の他にパック代を徴収されるが、パック代は期待値があまりにも低く勝率が良くても参加費をペイできることがほとんどない。トッププロレベルの勝率がなければチケットが減り続けることになるので、リミテッドはプレイしてはいけないというのが10年以上前からのMOのセオリーだ。

3 10,000時間の法則

1つの物事への研鑽が10,000時間を超えると一流になれるという法則がある。MTGのプレイを紙だけに限ると、10,000時間を達成することは到底できない。だが、MOやArenaなどデジタルでのプレイが加われば、プレイ時間を大きく伸ばすことができる。継続できれば10,000時間も不可能ではないくらいに。
仮に、一ヶ月100戦を1年間続ければ、合計1,200戦。1戦平均20分としても1年で400時間も経験を積むことができる。継続は力である。最初は50%の勝率でも、±0を1年間維持した後にその勝率が50%であるわけがない。
少し遊んで勝てなかったからやめたという人は少なくないだろう。勝ちたければ続けろ。じっと向き合ってプレイを続けなければ結果は得られない。
※トップの画像は自分の勝率推移(2018〜2024,2025は変動率を2024に足した数値)

4 TCは大事にしろ

TCを安易に開封してはいけない。TCを開封しても、基本的には僅かなPPと価値のないカードが出てきておしまいだ。大きく上ブレでアタリが出ることもあるが、TCの開封まで運に任せることは推奨しない。特に始めたての時期にTCを開封すると簡単に破産する。わずかなPPを手に入れてもTCの買い取りを上回ることは極めて少ない。
前述のとおり、買い取りが1.8tixでも十分に収支をプラスにすることができるので、継続的にプレイしたいのであればTCはbotに売るべきだ。買い取りとEV(期待値)の差が極端に大きい場合はTCを開封することも考えるが、売った方が安定的にプレイを継続できる。リーグの参加費に余裕があるなら、買い取りが高くなるまで待ってから売りたいところだ。
もし開封する場合でも、開封結果に一喜一憂せずにある程度の確率を維持して期待値に近い収益を上げるために、開封するなら少なくとも50以上のTCを集めてから一度に開封した方が良いだろう。
開封を楽しむならリアルでパックを買おう。

5 1つのデッキを窮めろ

最初に1つ使うデッキを決めたら、禁止などデッキが崩壊するくらいの環境変化がなければ、そこから大きく路線変更するべきではない。「今は○○が強いから」とか「有名な○○が使っているデッキが良い」とかデッキを入れ替えていると、その度にプレイの経験値は一部リセットされる。先に述べたとおり、経験は力として蓄積されるので、大きな路線変更はとにかく最少に抑えるべきだ。
もちろん、新しいデッキを組もうとするたびにカードを購入する必要があり、収支も悪化する。特に始めたばかりの人はリーグに参加するのにもチケットを使うことが多い。
デッキの変更は、収支の面でも経験値の面でも二重にマイナスである。最初のデッキ選択は慎重に行い、好みやプレイスタイル、そして禁止の可能性についても検討し、可能な限り長く使い続けられるようにすべきだ。
これまでのプレイ経験値が少なく判断が難しい場合は、デッキの変更も可能性に含めて初期投資の予算を十分に確保しておこう。

6 QPを活かせ

Qualifier Point(以下QP)だけで参加できるイベントがある。QPは、リーグなどプレイすると自然に溜まっていくが、特定のイベントへの参加でしか消費することができないうえに期間限定のポイントである。
以前はShowcase Challengeなどの夜中のイベントしかなかったが、最近はヴィンテージキューブへの参加費としても使用できる。通常の参加費に代えてQPを消費して参加することができるので、実質無料だ。賞品でPPを入手することができるので、リーグでQPを確保したら忘れずに参加して使い切っておこう。

7 ティルトと向き合う

紙でプレイするMTGと違い、MOは目の前に対戦相手がいない。感想戦や雑談がないので、不運な負けに直面するとストレスが蓄積される。プレイは無意識下で雑になり、より良いプレイが存在したし、しっかりと考えれば思いついていた筈なのに間違った選択をしてしまう。
後からリプレイを見返すなど反芻することで発見できる可能性はあるが、それまでは気付くことなく十分に思慮していないプレイが継続する。MOはティルト状態にハマりやすい。
体感ではあるが、通常状態での勝率が60%だとすると、ティルト状態では45%くらいにまで落ちる。個人差はあるだろうが、利益を得られる勝率から、課金しないとプレイを継続できないレベルまで落ちると思った方が良い。
嫌な形で負けた時は、負け分を取り返したくなってすぐに次のリーグに入ってしまいそうになる。そこはグッとこらえて別のことをしよう。散歩に行こう。本を読もう。映画を見よう。しっかりとリフレッシュしてから再開することで、本来のプレイと勝率を維持しよう。

以上、自分の経験からMTGの技術面ではなくより幅広いMOとの向き合い方について感じていたことを列挙してみた。MOは基本プレイ有料だけど、実質無料になる。続けていればむしろプラスになる。

最近、自分の身の回りに「紙を年数回の低頻度プレイで強さは平均以下」から「MOに入浸りの5-0回数上位」になるという大成功した事例ができたため、以前よりも自信をもってMOを勧められる。MOを始めてから数ヶ月で、プレイの速度も内容も思考の深さも別人のように変化していた。
だから言える。経験は力になる、と。

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