バディファイトモンスターデザイン①
バディファイト
2014年から発売されていたブシロード社のカードゲームです。
僕が参加させて頂いたのは2期アニメ、それに伴う商品からでした。
今回は備忘録も兼ねてモンスターデザインについて当時考えていたことをコラムとして掲載していこうと思います。
最初に打診されたイラストは怒羅魂頭(ドラゴンヘッド)という種族天輪覇王ギャング・ザ・キングでした。
ヤンキー+ドラゴンという素材をミックスさせた力強いキャラクターというオーダーに合わせ苦心しながらもデザインしたことを覚えています。
基本的なモチーフを特攻服+バイク(のカウル)と決めた後はそこにスパイスとしてヤンキー風の髪型を頭部の形状へと落とし込んでいきました。
ギャング・ザ・キングは顎髭、リーゼント、剃り込みといったファッションのアレンジとなっています。
このデザインを指標としながら僕の担当する怒羅魂頭は産み出されていきました。
僕自身、モンスターデザインは基準となるルールを明確に決定する事が大事だと考えており、ギャング・ザ・キングは当初その最大値、モチーフを全て盛り込んだ存在として位置していくことになります。
実はラフ段階ではもっと足も短く、太めのデザインですがリテイクが入り今のようなヒロイックな頭身になりました。当時のアートディレクターさんの手腕が素晴らしいですね。
次にデザインしたのはチャンピオンロード。
彼はギャング・ザ・キングから引き算しつつも、キャラクター性の幅を広げるためのキャラクターとなりました。
バイクのカウル2種を纏っていたギャング・ザ・キングとは違い、ハーレーなどの丸目ライト1つがついたバイクをモチーフとした鎧を手足に纏っています。
後述するビリオンナックルと合わせて同時期に産み出された彼ら3人は兄弟のようなもので、それぞれが怒羅魂頭という種族を作っていくための指標となる存在でした。
頭部デザインはリーゼント、顎鬚。そしてサングラスというモチーフとなっています。
レンズの下には綺麗な瞳…という裏設定が当時あったとかなかったとか。
背負った光輪はバイクのホイールをモチーフにしています。
恐らく当時のトーナメントシーンで一番活躍したであろうビリオンナックル。
大会で攻撃を引きつけながら反撃しつつ、ジェットカウルなどでアドバンテージを稼いでいた姿が思い出されます。
彼のデザインは引き算をしつつ頭部は剃り込みのみ。
身体に纏った鎧はスポーツタイプのカウルをモチーフとしています。
前述した二人と違って前ボタンをしっかり付けているのは彼が几帳面な性格であると言う事が伝わったりしたらいいな、という当時の僕の遊び心だったはずです。
さて、以上で最初に担当した3人についての説明は終わりです。
9年前の今頃に産み出された彼らとはこの後長い付き合いになりました。
当時、僕自身も満足した出来のものを納品出来た、良い仕事だったと思います。
ここから2018年頃まで、バディファイトとは長い付き合いが始まります。