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🇦🇺オーストラリア放浪記③ GOR: 荒野と森と海

オーストラリア2日目。海沿いの小さな町Angleseaで迎える朝。
今日はこの町を少し散策した後、Great Ocean Road付近の森を目的地として1日中ドライブ。

Great Ocean Roadは毎回書くと少し体力が奪われる単語の長さなので、略して「GOR」とする。
(ネイティブがどう略すかは謎)


まずはAnglesea散策から。
今日はぐっすり寝過ぎてしまい、外出したのは10:00くらい。朝食を食べにカフェへ。

家の前にカラスのような形状をした鳥。
飛べるのに敢えて歩くことを好むみたい。金子みすゞもびっくりであろう。

こいつの鳴き声が、およそ自然が生み出したとは思えないようなコンピュータ的機械音で、心底驚いた。


日本にはない形状の家たちを愛でる。
2階建や平屋、外壁も木だったり金属だったりで実に形状が様々。


散歩している人がたくさんいた。
夫婦や家族、ワンちゃんと。
日本ではあまり見かけない光景のように思う。
歩いていて、どこがいわゆる「歩道」なのか、分からないな、と思った。
この芝生?というか草の部分は歩道なのだろうか?
そういう概念さえもこういった住宅街の中にはないのか?
家と道路の境界線ってどうなってるんだろう。
国土広すぎて気にしないのかな。
意外とオフロードの道も全然ある。
日本はどんな秘境に行っても大体道が舗装されているけど、それってすごいことかも。


初日に引き続き、植物に目がいく。
大陸が違うから植生が異なるのは分かるんだけど、なんというか見た目が不思議すぎて、日本のどの植物に近しいか、とか「〇〇科」等の植物の仲間も全く想像つかない、異様な形状をした植物ばかり。

あとから知ったがこれがあのコアラの主食「ユーカリ」らしい。そこら中に生えまくっている。
これは花なのか?実なのか?

植物だけ見ていると、「地球に限りなく環境が近い別の星に来た」ような気持ちになる。


カフェに到着。外観イケてる。
今日もToastieとCappuccino


カフェでゆっくりしすぎて、朝食を食べに来たのに気づいたらほぼ12時。
宿に戻り、ドライブへ出発。

目的地の森へは、GOR王道の海沿いの道ではなく、少し内陸に入った道で向かう。
レンタカー屋のおっちゃんが、
「内陸の道はなにも見るもんないから、やめな」
と言っていたのを思い出す。
が、気にしない。

町を出て、内陸に入るとすぐに荒野が広がる。
黒い点々は放牧された牛。
カンガルーの黄色い看板!本物初めて見たかも。
カンガルーどこにいるかな?と探しながら運転したが、出会うことはなかった。

たしかに日本でも「鹿に注意」の看板があるからといって、鹿に毎回会うことはないもんな。
近めの牛。
山がちな日本では中々お目にかかれない「地平線」。

現地民からすればこの荒野はまさしく「なにもない」なのだろうけど、日本人からしたら人工物ゼロのこの平地はあり得ない光景であろう。
内陸の道を走って良かった。


ただ見渡す限りの荒野の風景に、「本当にこの先森があるのか?」と不安になる。

しかし。荒野を走り続けて1時間ほど。
突然、植物の背が高くなり始めたのである。

ち、地平線が、、消えた。

荒野は一瞬にして森へと姿を変えた。この景観の変化の唐突性にずっと感動していた。


そしてしばらくするとついに目的地に到着。
Red Woods Forestである。

みてくれ。この巨大な木々を。
限りなくまっすぐに、空高くそびえる木々。
どうやら100mを超えるやつもいるとか。
この巨大な木はcalifornia redwoodsというらしく、オーストラリア原産の木ではないらしい。

ヴィクトリア州でゴールドラッシュが起き人口が急増する時代に、住宅用の木材資源としてアメリカから輸入、大量に植えられたのだという。

そしてすぐ近くに滝へと続くトレイルがあったので、そちらにも足を運んだ。

Hopetoun Waterfall
滝へと続くトレイルがこちら。
入り口の看板に「滝まで30m」と書いてあって、「え、短くない?」と思っていたら、全然嘘だった。

300mはあったと思う。(300mも短いけど)
トレイルはまるで熱帯雨林のようなジャングル。
「鬱蒼」という修飾語は、こういった景観のためにあるのだろう。

このジャングルはGreat Otway National Parkという国立公園にある。

ヴィクトリア州はなかなかの高緯度地域だと思うのだけれど、こういった熱帯のようなジャングルと、乾いた荒野が、隣り合って形成されるのは一体どういった自然のメカニズムになっているのだろう。


森を楽しみ、時刻は16:00前。
ぼちぼちAnglesea方面へと車を走らせる。
帰りはGOR王道の海側コースで。

森をしばらく走っていると急に景色が開けた。
海だ!!!!!!!
さっきまで雨がチラついたりしていたのに急に晴れ。
やはり天気が変わりやすいのかな。
海が一気に美しい水色になっていく。
テディーズ展望台
スプリット岬灯台
この灯台の奥に、絶景が広がっていた。
海へと続く道。
じゃじゃーん!
美しすぎて、風強すぎて、ずっと叫んで興奮していた。
Windowsのデスクトップにこんなんあった気がする。
反対側の風景はこちら。
荒々しい波から、潮の粒たちが町へと飛んでいくのが見える。


昨日は若干曇りがちだったのでGORの本気を見た気がした。
まさにGreatだった。Great。


19:30を回り(日が長すぎて時間感覚が狂う)、宿へ帰宅。

ホストのCraigさんとそのお母さん

帰るとホストが焚き火していたので飛び入り参加。
CraigさんはGORのエキスパートでローカルガイド。明日はAngleseaを出てしまうので、道中の様々なおすすめを聞いたり、日本の文化やオーストラリアの文化について語り、笑い合った。
Craigさんのカンガルーを食べる話と、事あるごとにお母さんがCraigさんの話を遮って「みて!星が綺麗よお!」と言っていたのがとくに印象深い。この国の人々は自分たちが住む土地を誇りに思い愛しているのが深く伝わった。

地元の人との交流はやはり何にも変えがたい濃密な時間を与えてくれるなとしみじみ。


明日はGORの西端側、Warrnambool(ウォーナンブール)という町へ向かう。

ではまた。

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