見出し画像

唐獅子図屏風

え、なあに?あたしたち?

ええと、何者って言われても…。

大きくてビックリ?うん、それは良く言われる。

あ、彼?彼はうーんと、パートナー?って言うのかな。
すごいでしょ、ムッキムキで。

外向けには、つよっつよなんだけど、あたしには結構心配性でね、
いろいろ言ってくるわけ、あっち危ないんじゃないかとかさ。
ちょちょちょっと止まって、とかね。
あ、声、渋いんよ?

でもねえ、そんな心配したって仕方ないっていうか、
心配したら、”そうなる”って思うんだけど。
それに此処って、なあんにもないところなんだけど、
あたしたちみたいに鍛えてると、なんにも怖くないし、
むしろ居心地いいんだよね。

彼、どこでも、いつでも心配してるの、あたしのこと。

でも、そういうところも可愛いって思ってるんだ、実は。
だからつい、もっと心配させてやりたくなっちゃう。

愛しくて哀れなわたしの唐獅子さん。


*****
「唐獅子図屏風」狩野永徳
15世紀後半 224.2×453.3cm
宮内庁三の丸尚蔵館


*R*


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?