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”カープ愛”を感じる最近の鈴木誠也の話。

先日、鈴木誠也が来年3月に行われるWBCへの参加を表明した。

NPBに在籍する侍候補である佐々木朗希、山本由伸、村上宗隆に加えてMLBからも既に、大谷翔平、ダルビッシュが参加を表明している。

大スター・イチローを擁してWBC連覇を達成した2009年大会のメンバーに並ぶ、若しくはそれを超えるまさにドリームチームの結成。それに加えて鈴木誠也を応援できるという意味でも来年の3月が待ち遠しい。

2021年オフ、鈴木誠也は8年間在籍したカープからシカゴ・カブスへ移籍。長年、憧れていたメジャーリーグに活躍の場を移した。カープファンとしては、寂しかったが今も彼を応援している。というより、個人的にはカープ時代よりも今の方が彼を"推している"節がある。その理由について書いていく。

2018年オフ、不動の3番打者、球団史上初の3連覇の中心選手だった丸佳浩が読売巨人軍へ移籍。ファンは「移籍」というワードに敏感になっていた。時を同じくして鈴木誠也は全国区のバラエティ番組に出演。番組内で丸の移籍した巨人について発言する。

小さい時から野球といえば東京ドームに行っていた。伝統のあるユニフォームですし、カッコイイなという風には思います。移籍したいとかではない。

「小さい時から野球といえば東京ドーム」笑ってしまう出来事だが、奇しくもこれは丸の巨人入団会見と全く同じフレーズだった。もちろんバラエティ番組ということは承知の上だが、「移籍」というワードに敏感だった時期。冗談には聞こえなかった。「東京出身なら巨人に憧れて当然か」「移籍するまで全力で応援し続けよう」ファンとしての諦めに近い覚悟が出来た瞬間でもあった。

2019年オフ、彼は元体操選手の畠山愛理さんと結婚。公式Instagramに投稿された結婚式の幸せそうな2人が身にまとっていたのはカープの真っ赤なユニフォームだった。当然、カープの選手なのでおかしなことでは無い。しかし、ある種の覚悟をしていた僕は誠也のカープ愛を感じて、ものすごく嬉しい気持ちになった。

更に2021年オフ、メジャーリーグ挑戦に伴い行われたインタビューでカープについて語った。

愛着ってなんなんだろうとずっと思っていたんですけど、こういう報道が出てから、チームメイトの事を聞かれたり、カープの事を聞かれると、寂しいという思いがすごい出てきて。その事を聞かれると毎回泣きそうになるぐらいにグワーッと来て、自分が思っていた以上に愛着があったんだなと。

「自分が思っていた以上に愛着があった」この言葉だけで充分。"国内他球団に移籍してしまうのでは"と心配していたことを申し訳なく思えるほどだった。

そしてメジャーリーグ挑戦1年目を終えた今オフ。彼は、カープ球団事務所を訪問。オーナーにポスティングシステムで移籍させてもらったことへのお礼をしに来たという。

カープの話をいろいろ聞かせてもらった。ポスティングで出してもらったお礼も。新井さんですし、選手も変わると思う。僕が言うことではないですが、楽しみにしているところも。陰ながら応援しています。

もちろんこれも球団出身の選手がオフにその球団事務所を訪れることは、過去あったかもしれない。しかし、カープを退団し、”国内他球団に移籍する形でNPB復帰を果たすのでは‘’と腹積もりしていた自分は、アメリカに行ってもカープ球団との関係を続けてくれている事に誠也のカープ愛を感じたし、凄く嬉しかった。

25年ぶりリーグ優勝の立役者の一員として活躍した22歳が東京出身で巨人に憧れがあったことを知った。しかし、真っ赤なユニフォームを着てプレーした時を経て、今は”自分が思っていた以上に愛着があった”と話すようにたくさんのカープ愛を持ってMLBの舞台で挑戦している。この以前と現在のギャップと反動が彼を”推させる”理由なのかもしれない。

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