Short 8 「啓示」
少年の中には神さまがいた。
彼は常に神さまと対話しながら生活をしている。
着替える服を選ぶのも、食事を作るのも、家から出るのも、誰かとの会話するのも、常に神さまにお伺い立てながら実行していた。
彼の中の神さまは気まぐれだった。
さっきまで笑っていたかと思えば急に怒り出したり、親切だったり所構わず暴れだしてみたり。
まるで狂人のようなふるまいを命じる神さまに、少年はどこまでも従順だった。
そんな支離滅裂な行動を続ける少年に周りの人物は、同じように笑ったり暴れたりしていた。
そう、この世界は人の数だけ神さまがいる。
少年は目を覚まし、ベットから立ち上がる。
「さて、何をしようか?」
彼は今日も、画面越しにいるコントローラーを握った神さまにその人生を委ねている。