反社が世界を支配しているのなら・・・
このたび、地元の北鹿新聞に駄文を投稿し、「アパルトヘイト国家イスラエルに連帯するG7(英米仏独伊加日)は反社(反社会的勢力)であり、反社が支配しているのだから世界が狂気に包まれているのも当然だ」と主張し、私たち一人一人がそれぞれの意思決定にあたって自他を共に尊重した【道徳的選択】をすることの重要性を訴えました。
世界は今、宇露戦争やガザ・ジェノサイドをはじめとした暴力の狂気に包まれていますが、新聞やテレビの情報だけでは、その真実の姿をつかむことができません。
ガザ・ジェノサイドについて、川上泰徳氏が次のように述べています。
そして、「情報の背後には必ず意図と目的があり、あらゆる情報はプロパガンダ性を帯びている。その情報が事実に基づいているか、どんな意図が背後にあるか、プロパガンダの種類が問題」であり、「嘘に基づくものは、ブラック・プロパガンダと呼ばれる」(プロパガンダとは、特定の意図をもった宣伝)と大崎巌氏(2024)が解説しています。
西側の報道ばかりに接していると気づきにくいこれらの事について一石を投じ、私たちの政府が果たして信用に値するかどうかをご一考いただきたく拙稿をまとめました。是非ともご高覧ください。
(参考資料についても、様々な方が発信されている貴重な情報を、いろいろと集めてみました。)
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「希望と連帯」を開会式のテーマに掲げたパリオリンピックが終わりました。「いかなる紛争も、大会期間中は休戦せよ」との決議を国連総会が採択したにもかかわらず、残念ながら戦火が止むことはありませんでした。
今回のオリンピックでは、宇露戦争を続けるロシアとベラルーシを敵対的に排除しながら、ガザで虐殺し続けるイスラエルを参加国として受け入れて連帯したため、その二重基準が議論を呼びました。
また、オリンピック同様広島の平和記念式典も、ロシアとベラルーシは招待せずイスラエルを招待しました。その広島市には、およそ3200件の意見が寄せられ大半は批判的なものであったと読売新聞が報じています。
一方、長崎平和祈念式典は、ロシアとベラルーシだけでなくイスラエルも招待しませんでした。すると今度は、いわゆる西側先進国の駐日大使らが式典をボイコットしたのです。
日本をのぞくG7六カ国とEUの駐日大使らは、「イスラエルを招待国から除外した場合、高官の式典参加を見合わせる可能性がある。」とする書簡を7月19日付で長崎市に送っていました。また、朝日新聞によると、水面下で日本国政府が長崎市に対して「外交問題になり得る」と懸念を伝えていたそうです。それでも長崎市長は「イスラエルを招待しない」としました。その結果、G7の駐日大使らは式典を欠席して代理人を派遣したのです。
実は、7月19日に国際司法裁判所(ICJ)が「イスラエルの占領に対する勧告的意見」を発表していました。これは、一昨年、国連総会が「国際法の原則に照らした意見」を求めたことによるもので、大雑把に言うと次のような内容でした。
● アパルトヘイト(人種隔離)国家であるイスラエルは、すぐに違法な占領を終わらせて入植者を退去させる義務がある。
● 国連を含む国際組織とすべての国家は、イスラエルに対してその状況を合法と認めたり支援したりしない義務がある。
こうした司法の判断を、EUと西側各国は明確に無視してイスラエルに連帯し、式典をボイコットしたわけです。このような行いをする人たちを、世間では一般に無法者や反社会的勢力(反社)と呼ぶのではないでしょうか。反社が国際社会を支配しているのだとすれば、世界中に蔓延している幼稚で野蛮な暴力の狂気にも合点がいきます。
なお、毎日新聞によれば「(長崎市は)ややこしいことをしなければよかったのに」と官邸幹部が言ったようです。支配者に媚びを売る従者の心情そのものです。
総理は、長崎平和祈念式典で「非核三原則を堅持しつつ(云々)」と述べました。けれども、冷戦期には最大1300発もの核兵器が沖縄の弾薬庫に貯蔵されていて、そこから三沢や横田などの米軍基地に運び、爆撃機によってソ連や中国に核攻撃を仕掛ける訓練を毎日のように続けていた事が明らかになっています。(松岡哲平『沖縄と核』、矢部宏治『日本はなぜ「基地」と「原発」を止められないのか』)為政者は、国民を欺いて狂気の世界に引きずり込むつもりなのでしょうか。
主権者である国民は、選挙で選んだ為政者や公務員に国家の運営を委ね権力を与えます。けれども、権力を握れば支配欲も高まってしまうのが人間なのかもしれません。権力者に「命」までをも支配されて戦争の道具にされた先人たちが、その事を身に沁みて感じたからこそ金輪際日本国民が国家権力に支配され奴隷化される事がないようにと願って、国民主権の平和憲法を制定し権力をしばり付けてくれたのでしょう。
東京都市大学名誉教授の青山貞一氏は、『日本人のマスメディア<鵜呑み度>は世界一』の中で、「政府がマスメディアを利用して国民を正当な理由もなく、特定の方向に誘導しようとすれば、記者クラブや公共広告などを使って、いくらでも情報操作による世論誘導が可能となる。」と述べています。
言動の裏にある事情を読み解く作業は手間がかかりますが、多様で寛容な共生社会を志向しているか否かを基準にすれば、反社の思惑が透けて見えてくるはずです。
私たち国民が支配抑圧されないためにも、自分自身で情報の裏を読み取り、希望と誇りを胸に自他を共に尊重した人生を歩みたいですね。
参考資料など
パリ2024 - オリンピック休戦 (olympics.com)
The Court gives its Advisory Opinion and responds to the questions posed by the General Assembly (icj-cij.org) 国際司法裁判所(ICJ)プレスリリース
https://www.mofa.go.jp/mofaj/files/100704489.pdf G7プーリア首脳コミュニケ