シスターシティーズについて

〇はじめに

本記事は早見沙織さんのミニアルバム「シスターシティーズ」についての記事になります。

筆者自身は聴き専かつ音楽理論については門外漢ですので、主観的な感想メインとなります。ご了承ください。

〇本作を聴く手段について

各種ストリーミングサービス(Spotify,Apple Music)、ハイレゾ(moraのみ※2020/3/28現在)、ロスレス(OTOTOY)

Spotifyについては最後にリンクを張り付けておきますので是非。


〇聴き始めた時期について

本作は製作発表以降、ラジオやストリーミングサービスなどで先行試聴&先行配信がされていますが、筆者自身は全スルーし大多数のリスナーと同様2020年3月25日(正式リリース日)から聴き始めています。理由としては過去作の実績を踏まえまあ間違いない出来であろうと判断したこと、新鮮な気持ちで一枚通して聴きたかったからです。(正直yosoの先行配信時、その評判から心が揺らぎました...)

〇楽曲感想

1.yoso [作曲:Kenichiro Nishihara、Michael Kaneko 編曲:Kenichiro Nishihara]


アルバムの開幕を飾るのは先行配信されたyoso。2ndアルバム「JUNCTION」収録の「メトロナイト」のシティポップ感もありつつもベースやドラムスの音色によりジャズの雰囲気が強く出ている1曲。

シティポップ成分は初っ端のピアノや全編を通し演奏されているエレクトリックピアノの音色から、ジャズ成分はドラムスのシンバルやウッドベースの音色から強く感じました。

早見さんのややダウナー気味なお声と歌詞の雰囲気がよく合いトリコになってしまいます。あといい味を出しているのは作曲もされているMichael Kanekoさんのバックボーカル。楽曲の雰囲気を良い感じに強化しています。


2.mist [作曲・編曲:横山克]

yosoを受けての2曲目はmist。劇伴のようなアンビエント音楽のようなイントロから始まる美しい楽曲。凄く静かな入りですが、曲が進むにつれて強く美しく色を変えてゆく早見さんのボーカル。これがあるからたまらない。

個人的にはこの曲を担当された横山さん、歌モノというよりかは劇伴作家のイメージが強いのですが、そのイメージが故にインスト版が欲しいです...


3.ザラメ [作曲・編曲:NARASAKI]

自分の中でNARASAKIさんといえば DEAR FUTURE(ピングドラム)やSNOWFLAKES-NARASAKI Remix(P4D)のようなノイズサウンドが印象的でしたのでシンプルな構成(ボーカル&アコギ)から始まるこの曲は意外でした。とはいえ、サビ~間奏やアウトロで(恐らくは)シンセの音色だったりが入るのはどことなくNARASAKIさんらしいと思ったり。シンプルが故に本作の中でも屈指の早見さんのお声を堪能できる楽曲でもあります。


4.遊泳 [作曲:堀込奉行・編曲:倉内達矢]

趣を変え、早見さん楽曲に時々現れる歌謡曲系の楽曲(レンダン・夏目と寂寥)。ですが、挙げた2曲と比較すると落ち着いている曲。しかし早見さんのお声は歌謡曲ともよく合います。先の2曲が好きな方は要チェックです。


5.PLACE [作曲:田淵智也・編曲:大久保薫]

個人的にもクレジットを拝見しどういう曲になるのかが気になっていた1曲。何せ「早見沙織×田淵智也×大久保薫」ですからね...!

蓋を開けてみるとクラップやコーラスが印象的なゴスペル風味なポップス。とりあえず曲中のクラップに合わせ手を叩きたくなること間違いないですが、この曲の真価は曲中でテンポ感がシームレスに変わるところです(とはいえブリッジ等である程度の示唆はされていますが)。

ベースラインで田淵さんみを感じたり、壮大なアレンジメントで大久保さんみを感じたりと製作陣の色がにじみ出てますね。

ラスサビ~アウトロのロングトーンは本作の最後を飾るにあまりにも相応しい個所ではないでしょうか。


〇まとめ

いやーまたも快作を作ったなー早見さん!と言いたくなる一枚ですね。各曲それぞれ強度が高く、シングルカットしても違和感がありません。ダウナー系楽曲が多めなことも個人的には好きポイント。とりあえずインスト版も欲しいです、切実に。

誤解を恐れずに言えば、本作は字面通りの「アニソン好き」には刺さらないでしょう。あまりにも「アニソン」の本道からは外れています。(過去作からして恐らく意図的に)が、早見さん楽曲が好きな方や音楽好きな方から見れば堪らないでしょう。特にダウナー・アンビエント系の音楽が好きであればなおさらです。

逆に早見さんの曲「のみ」を聴いている方でこの1枚が気に入った方は色々な音楽が好きになる素養があると思います。「単推し」を否定するわけではありませんが、多種多様な楽曲を聴かないのは余りにも勿体ない。

ということで本作の楽曲プロデュースの5人の方のお仕事を掘る切っ掛けとしても優秀な一枚。

ex.)本作のSpotifyリンクと本作プロデューサーの方のWorks

(※筆者のお気に入り楽曲プレイリスト)


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